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松原桃子 院長の独自取材記事

桃子メディカルクリニック

(世田谷区/新代田駅)

最終更新日:2019/08/28

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京王井の頭線新代田駅から歩いて3分。近くを走る環状7号線の喧騒とは対照的に、静かな住宅街の中にひっそりと建つ「桃子メディカルクリニック」。温和で優しい語り口が印象的な院長の松原桃子先生は、検診医歴20年という経験豊富な女性医師。さまざまな検診現場で感じた点をすべてクリアした理想のクリニックを作りたいという思いから、女性のための検診専門クリニックを2009年にスタートさせた。デリケートな女性の心に寄り添い、日々病気の早期発見に取り組む松原先生にお話しを伺った。(取材日2010年7月15日)

検診に対する垣根を低くして、病気の早期発見につなげたい

こちらの医院はまるで自宅に招かれたような雰囲気ですね。

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気軽に入っていただきたいという思いがあって、病院には見えないような雰囲気にしたかったんです。最初は外の看板ももっと少なくて、家に入るような感じで来ていただこうと思っていたのですが、見つけづらいということもあって後から看板は追加しました。立地も繁華街より住宅街のほうが自分でも落ち着けるかなというのもありましたし、婦人科系の病気は、乳腺疾患、乳がんや子宮がんなどの方が多いので、ビルの中というよりは、気持ち的にもこういうアットホームな雰囲気のほうが入りやすいかなと思い、自宅のような造りにしました。女性のみなさんは忙しくて、検診を受けに行く時間がなかなか取れないという方が多いんです。ですから、お待ちいただく時間は、のんびりとソファーに掛けて、ゆったりと過ごして欲しいなあと思って、待合室はホテルのロビーのような落ち着ける雰囲気にしました。

患者さんにとっても、先生やスタッフが女性であることで安心感がありますね。

そもそも専門は放射線科なんですが、いろいろと検査の経験を積んでいく中で、乳腺とか女性特有の検査ってやっぱり女性の医師のほうが良いという方が、すごく多かったんですね。20数年前になりますが、私が医師になった頃は、女性の医師はまだまだ少なかったので、女性向け検診をするのはだいたい年配の男性医師でした。社会全体がそれほど検診に力を入れていなかったという背景もあったと思うのですが、この10年で女性の意識の変化や、社会的地位が少しずつ上がってきたという理由もあると思います。今は女性医師が当たり前という感じですね。

検診医を20年以上されて、女性の内面的な部分で変わったと思われることはどんなことですか?

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やっぱり芯が通っている方が多いですね。自分の病気は自分でケアしたいというような、すごくしっかりした方が増えました。インターネットで調べたり、とても勉強熱心な方が多いという印象があります。されるがままというのではなく、自分でこうしたい、こういう検査がしたい、と明確な要望を出される方が増えてきたイメージがありますね。ですから病気に対する話もとても良く理解していただけて、質問などもより具体的ですね。

診療は最初から最後まで自分一人で責任を持って行う

開院にあたって、女性の検診専門クリニックに特化された理由はなんですか?

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女性の中には婦人科に行くのは、なんとなく嫌だなと思っている方も結構いると思うんです。検診だと今まで気になっていたことも「この機会に」と聞いていけることもできますし、敷居が低くなって気軽に来てもらえるんじゃないかなと思ったんです。何も症状がなくて、ちょっと気になるという方でも、検診を受けることで結構病気が見つかることがあるんです。患者さんと話しをしていても、気になることがあってもなかなか病院には行きたくないという人が多いので、当院の検診を受診し終わったあとで、やっぱり来て良かったと言ってもらえると、すごくうれしいですね。

患者さんが女性ということで、診療の際に心がけていることはありますか?

受付のスタッフはいますが、院内の診療スペースでは、医療に関することはすべて、最初から最後まで私一人で責任をもって診ています。患者さんが言いたくないような答えは1回で済むようにしています。他の検診施設だと、例えば放射線技師がいて、最初にある質問に答えて、また違う人にも同じことを聞かれたりと、もし嫌な質問があったときに3回くらい答えなきゃいけないことがあります。患者さんの立場だったらそういうことが苦痛だと思いますので、私はずっと一人で最初から最後まで患者さんについて歩いて、おしゃべりしながら1回で済むようにしているんです。時にはつい話しが弾み過ぎて、次の患者さんをお待たせしてしまうこともあるんですが(笑)。患者さんは仕事や彼氏のことなど、いろんな話をしてくださいますね。

検診で実際に病気が見つかった患者さんへのケアはどうされていますか?

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乳がん、子宮がんになる方は今すごく多いので、患者さん側でもどこかで受け入れなくちゃいけないというお気持ちがあるようです。ですから本当のことをお話しして、がんという病気を受け入れていただくようにしています。当院は、がんの治療ができませんので、治療する病院をご紹介するかたちになるんですが、そのご紹介する病院を、じっくり時間をかけて患者さんと一緒に探しています。ずっと通うことになる病院ですから、患者さんが安心して通えるように、交通の便を説明したり、どういう先生なのか説明をして、患者さんとの相性も考えながらご紹介するようにしています。また検査の結果、画像的に良性か悪性か判断しかねるようなケースは、積極的に針生検(針を刺して組織を採取する方法)を行い、良性の場合は経過を見るようにしています。

多くの現場で感じた問題点を改善し、理想のクリニックを作りたかった

開院するまでは、どういったキャリアを積まれてきたんですか?

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大学卒業後、10年位はずっと大学の医局に勤務していたのですが、子どもを2人生んでから、女性が外に出てフルタイムで働くことの難しさを実感しました。子育て期間中はアルバイトの職務形態を取りながら、その後9年くらいは、世田谷区にある鳥居医院というところで検査医長をしていました。そこでは女性検診ではなくて、一般の検診をやらせてもらっていたんですが、毎日勤務していなかったので、他の病院も週に11ヵ所くらい回っていました。ほとんど全部検診で、女性医師希望という検診場所を、埼玉から神奈川まで、午前、午後で違う病院をかけもちしたりと、とにかくいろんなところで検診をやりました。

さまざまな検診現場に行かれて、感じられたことはどんなことですか?

たくさんの場所で数多くの検診をする中で、「こうすればいいのに」「ああすればいいのに」と思うときがすごくあったんです。例えば女性の婦人科の診察をしているのに、後ろでバタバタ人が通っていたりとか、隣の人の声が聞こえてしまったりとか。そういうことがすごく気になって、やっぱり自分で納得のいく、理想のクリニックを作りたかったという思いはありましたね。どこの検診に行っても、改善点は多く、何より患者さんが嫌な思いをしていることもあるだろうなという思いがあったんです。私も女性ですから、患者さんの気持ちがよく分かりますからね。

検診医という立場から、今後女性に啓もうされたいことはどんなことですか?

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年配の方になると乳がん、子宮がんにはならないと思っていらっしゃる方がすごく多いんです。がんにかかるピークは少し超えたとしても、絶対数が多いので、がんにならないということではないのです。私自身の経験では、他の病院で検査したとき、97歳とか100歳の方でも乳がんが見つかって、手術される方がいらっしゃいました。当院に来てくださる患者さんは20代から40代の方が中心ですが、閉経後のご年配の方にも、もう少し積極的に検診を受けていただければと思います。女性である限りは、検診には延々通い続けることが大切だと思います。そういう意味でお一人の方とほんとに長いお付き合いになりますね。医局時代は画像診断が中心で、画像で病気を診るというところが大きかったのですが、開院してからは人と人との繋がりを感じることが多くなりました。同じ画像で、同じ病気でも、患者さんによって受け止め方も違いますし、一つ一つの伝え方にも気を配るようにしています。ですから検診を受けられて何もなかった方でも、また来年来ますと言ってもらえるとすごくうれしいですね。病気がなければ安心してまた1年過ごせますから。やっぱり「何もなかったですよ」とお話しできることが一番なんです。

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