玉井 進吾 院長の独自取材記事
玉井歯科
(高座郡寒川町/寒川駅)
最終更新日:2024/11/07
寒川神社が鎮座する緑豊かなエリアで、近隣住民の歯の健康を守ってきた「玉井歯科」。医科歯科連携のもとで充実した医療を提供したいと、玉井進吾院長が湘南寒川医療モールを建てたのは2007年にさかのぼる。その最上階の5階に位置しているため、待合室と治療室の大きな窓からは遠くに山々が広がる広大な景色が一望できる。すべてのユニットが完全個室となっているので、人目を気にせず治療を受けられるのも魅力的だ。相手の言葉をゆっくりと待ち、包み込むように話す玉井院長。地域密着型のクリニックとして心がけている点など、診療にかける思いを詳しく聞いた。
(取材日2024年10月8日)
医科とも連携しつつ先進の医療を寒川エリアに届けたい
まず、歯科医師を志したきっかけやご経歴をお聞かせください。
父がこの場所で「玉井産婦人科・小児科」を営んでいて、医療は常に身近にありました。歯科の中でも口腔外科を選択したのは耳鼻咽喉科や脳神経外科などの医科とのつながりが深いところに惹かれたからで、迷いはなかったですね。大学卒業後は大学病院で研鑽を積み、主に顎変形症や口腔がんの治療に携わりました。難症例の手術を数多く手がける日々は刺激的ではありましたが、一方でずっと「早く開業したい」という思いもあったんです。大学病院勤務と並行して町のクリニックでも一般歯科診療を幅広く経験した後に、2002年に父の隣で開業しました。今は駐車場になっているところでのスタートだったんですよ。父の病院は分娩もしていたので、出産をした方が親子で来てくださることも多く、ありがたかったです。
その後、お父さまの病院を医療モールにリニューアルしたとか。
最初、父は「冒険するな」と賛成してくれませんでした。しかし、患者さんの健康を医科と歯科が連携してトータルで診られる場所が寒川にも必要だと思ったんです。最終的に父も納得してくれて、今は4階で小児科を営んでいます。そのほかに産婦人科がありますが、来年には耳鼻咽喉科もできる予定です。特に耳鼻咽喉科は歯科との関連も深く、一つの症例に対して相互チェックも可能になり、より充実した医療を提供できると考えています。医科の先生方と勉強できるのは自分の成長の糧にもなっていますね。また、患者さんにとってもあちこち足を伸ばさなくても複数の診療科を受診できるのは便利なのではないでしょうか。
現在はどのような患者さんが多いですか?
一番多いのはミドルエイジの女性ですが、0歳から100歳まで偏りなくさまざまな年代の患者さんがいらっしゃいます。医療モールの中に小児科、産婦人科があるためか、子ども連れのファミリー層も少なくありません。開業当初は虫歯のお子さんが目立ちましたが、今はあまり見かけませんね。親御さんのデンタルIQも高くなっていて予防歯科に意欲的な方も増えました。矯正に関心が高い親御さんも多く、「咬合誘導」を行うこともあります。咬合誘導とは子どものうちにマウスピース型の器具を用いて舌や歯の悪癖の改善をめざすもので、顎の成長を正しく導くことで、後々抜歯を伴うような大がかりな矯正が必要となるリスクを減らすことが期待できるんです。ただし、一定の年齢までしかできないので、お子さんの歯並びが気になっているならば早めにご相談ください。
プライバシーを守る完全個室。患者の同意を何より重視
先進の口腔内スキャナーも導入されていますね。
口腔内スキャナーは、今年の6月からCAD/CAM冠システムの使用に限り保険適用となりました。いずれは保険適用で当たり前に使われるようになるだろうと予想していましたので、慣れておくためにも早めに導入しました。型採りの際に患者さんが粘土状のものを口に入れて苦しまずに済みますし、より精密な技工物の作製に役立っていると実感しています。3Dで動画を撮影しながらスキャニングしているので精密なんですね。できあがったリアルな口腔内模型の画像を見れば、患者さんも興味を持って説明に耳を傾けてくださると思います。
インプラント治療にも力を入れていると伺いました。
はい。個人的には欠損補綴にはインプラントが最適解かなと感じています。自分の歯のような噛み心地が期待できすし、ブリッジのように支えている歯牙を含め一気に複数の歯を駄目にするリスクもありませんからね。骨造成なども行い、他院で断られてしまった難症例の患者さんもできるだけ受け入れるようにしています。単にインプラントを埋入するだけではなく、口腔内全体の噛み合わせを正しく導くまでが当院のインプラント治療です。
すべてのユニットを完全個室にしたのはなぜですか?
当院はお近くにお住まいの方々がほとんどで、お知り合いの方々が待合室で居合わせることも日常茶飯事です。だからこそ、プライバシーには細心の注意を払わなければいけないと思っています。入れ歯だということを秘密にしている人もいるでしょう。インプラントでは料金の話などもしますし、隣のユニットから声が漏れ聞こえてくるようなことがあってはいけません。ただ、個室にするとそれぞれに空調を入れなくてはいけないので光熱費はかかってしまうのですが、お金には変えられませんからね。
診療において大切にしていることを教えてください。
インフォームドコンセントを徹底するとともに、患者さんに本音で話していただけるようにすることです。虫歯や歯周病を早期発見・早期治療することも大事ですが、それ以外にも患者さんは口腔内のお悩みを抱えているかもしれません。「実はここも気になっている」「本当はこうしたい」と思っていても最初は何もおっしゃらない方も多いです。でも、一つ一つ信頼関係を築いていって、患者さんに偽りのない希望を聞かせていただいた時などは、やはりうれしいですね。
歯周病リスクをなくすためにも予防歯科をぜひ習慣に
2つの分院があるそうですね。
現在、辻堂と藤沢に分院があります。辻堂は駅前にあり会社帰りでも立ち寄りやすく、藤沢はファミリー向けのクリニックです。どちらも、ここに長年勤務していた先生たちに院長を任せています。「玉井院長とずっと一緒に働きたい」とまでいってくれていて、その気持ちに応えるためにも分院をつくることを決意しました。私の下にいたままでは歯科医師として物足りないだろうと思ったんです。現在、3つのクリニックを合わせて総勢40人以上のスタッフがいますが、一人ひとりが楽しく働ける環境を今後とも整えていきたいですね。
お忙しい毎日ですが休日はどうお過ごしですか?
子どもたちも大学生、高校生、中学生なので、どこかへ行こうと誘ってももう着いて来てくれません。今は勉強や部活動の現状報告を受けるくらいですね(笑)。それぞれ、自分たちのしたいようにしているのは、いいことだと思っています。そんなわけで、休日は私も自分の趣味であるゴルフを楽しんでいます。昔はゴルフ中継も見たことがないくらい関心がなかったのですが、始めてみたらはまりました。仲間とコンペに出たりなかなか本格的に取り組んでいます。湘南エリアのコースに行くことが多いのですが、私が歯科医師と知ったキャディーさんが来てくれるようになったりして、ゴルフを通じての新しいご縁もありますね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
歯科医院というのは基本的に「できれば行きたくない」という場所ですよね。でも、虫歯や歯周病が悪くなるまで放置していては、治療もつらいものにならざるを得ません。そうなる前に、ぜひメンテナンスに通っていただければと思っています。歯科医師会の仕事で職場健診にもよく行くのですが、やはり歯科医院でのクリーニングの習慣がない方はだいたい歯石が目立ち、歯茎の色も良くありません。全体的に虫歯は減っていますが、歯周病リスクの差が激しいと感じています。予防歯科ならば「痛い」「怖い」といったことはしませんし、自分磨きの一環として3ヵ月に1度を目安に歯科の定期メンテナンスを始めてみてはいかがでしょうか。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万7000円、骨造成/1歯:5万5000円、小児の咬合誘導/2万2000円~、ホワイトニング/ホームホワイトニング:2万2000円~、オフィスホワイトニング:2万7500円~