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上西 幹洋 理事長の独自取材記事

うえにし乳腺消化器クリニック

(泉大津市/松ノ浜駅)

最終更新日:2025/08/13

上西幹洋理事長 うえにし乳腺消化器クリニック main

「患者さんが満足してくれたらそれでいいんです」と穏やかな笑顔で語る上西幹洋理事長は、泉大津という地域に深い愛着を持つ外科医だ。和歌山県立医科大学消化器外科で肝臓外科を専門としながら、泉大津市立病院時代には泉州地域で乳腺専門の外来を立ち上げた。「大きな病院の乳腺外科ブースを切り取ってここに持ってきた」という独自のコンセプトで開業した「うえにし乳腺消化器クリニック」は、大学病院のような専門性と地域クリニックの親しみやすさを両立させている。65歳になった今も「マグロみたいに動き回っている」と笑う上西理事長に、地域医療への思いと診療哲学について聞いた。

(取材日2025年7月3日)

専門分野を担い地域医療に貢献したい

開業に至るまでの経緯を教えてください。

上西幹洋理事長 うえにし乳腺消化器クリニック1

私は岸和田生まれですが、医師になってから育ったのは泉大津なんです。和歌山県立医科大学の消化器外科に入局後、3年目に泉大津市立病院に赴任してから、国立大阪南病院(現・大阪南医療センター)や八尾徳洲会病院などを経験しましたが、結局この地域にかなり長くいました。泉大津は私にとって医師としての原点。2007年の開業時、泉州地域には乳腺専門のクリニックが見当たらなかったので、地域の方々が遠くまで行かなくても専門的な診療を受けられるようにしたいという思いが強かったですね。

肝臓外科から乳腺外科へ専門性を広げた理由は?

もともと消化器外科の医師として肝臓外科を専門にしていました。実は祖母を小学5年生の時に病気で亡くしていて、その経験から外科の医師を志したんです。泉大津市立病院の外科は私の師匠にあたる先生方が乳腺外科にも強く、消化器疾患だけでなく乳腺の手術も多かったんです。そこで乳腺外科についても教えていただき、国立大阪南病院でも多くの経験を積みました。泉大津に戻ってからは市立病院で乳腺専門の外来を立ち上げ、それまで大阪市内まで行かれていた患者さんを地域で診られるようになりました。

同院のコンセプトについて教えてください。

上西幹洋理事長 うえにし乳腺消化器クリニック2

「大きな病院の乳腺外科ブースを切り取ってクリニックに持ってきた」、というのが当院のコンセプトです。基幹病院としての専門性を保ちながら、患者さんがもっと気軽に来やすいようにしたかったんです。大きな病院は予約も取りにくいし、紹介状も必要になります。そこで専門性があって気軽に受診できるクリニックがあれば、地域の方々にとってメリットが大きい。肝臓外科は大きな病院でないと対応が難しい面がありますが、乳腺外科はクリニックでも検診から診断、手術後のフォローまでが一貫してできる。周りのクリニックの先生方と連携しながら、当院で専門分野を専門的に診るという形で地域医療に貢献したいと考えました。

患者の立場に立ち、わかりやすい説明を実践

乳腺診療で力を入れている点を教えてください。

上西幹洋理事長 うえにし乳腺消化器クリニック3

診療は、私の他に日本乳癌学会乳腺専門医である本田麻里子先生と2人体制で診ています。一次検診から二次精密検査、診断まですべて対応できる体制を整えています。マンモグラフィ、超音波検査、生検や細胞診など、二次検診施設として必要となる検査が一通り可能です。特に力を入れているのは、患者さんの不安を軽減すること。マンモグラフィも機械の進歩と技師の技術で、上手にやれば痛みはほぼ感じません。診断後は泉大津市立周産期小児医療センターで私が手術を行い、術後はまたこちらでフォローする。私は地域で完結できるような医療システムをつくりたかったんです。昔は診断しても3分の1くらいの方が大阪市内の病院に行かれていましたが、今は当院でも診られるので喜んでいただけているのではと思います。

消化器診療と甲状腺診療についても対応されていますね。

消化器では主に内視鏡検査を行っています。私は経口でやることにこだわっていて、できるだけ細いカメラを使い、希望があれば静脈麻酔も使用します。大腸内視鏡は私の後輩の庄野潤先生に任せています。彼は非常に上手なので、安心して任せていますね。甲状腺は橋本病やバセドウ病などの機能障害から腫瘍まで幅広く診ています。泉大津の中で甲状腺を専門としているのはかなり少ないと思います。内科の先生からの紹介も多く、必要があれば神戸の隈病院など専門施設と連携して適した治療を提供しています。

診療で大切にしていることは何ですか?

上西幹洋理事長 うえにし乳腺消化器クリニック4

患者さんの満足度が一番大事だと思っています。まず、わかりやすい説明を心がけています。手術の説明も1時間くらいかけますが、医学用語はあまり使わず、患者さんがわかる言葉で説明するようにしています。医師は難しい言葉を並べがちですが、そのままだと患者さんには全然伝わっていないということをよく聞きます。それと、患者さんの話をよく聞くことも大事。症状だけでなく、患者さんの気持ちも聞くようにしています。院内の雰囲気づくりも重要で、やわらかい雰囲気をつくるようにしていて、絵画を飾ったり、清潔感を大切にしたりしています。気分転換できるような環境で、少しでも不安を和らげられたらと思っています。

地域で完結できるような医療体制を構築

スタッフの専門性について教えてください。

上西幹洋理事長 うえにし乳腺消化器クリニック5

マンモグラフィの専門的な技術や知識を持つ診療放射線技師と、超音波検査に詳しい臨床検査技師どちらも私の右腕・左腕として欠かせない存在です。二人ともレベルは本当に高いと感じています。プロ意識も高く、先進の情報を共有したり、3人で話し合ったりして常に向上をめざしています。看護師も患者さんにこまやかに寄り添ってくれていて、がんの告知を受けた患者さんの心のケアも含めて対応してくれます。実は家内も看護師としてここで働いていて、私の外科の医師としての考え方を一番理解してくれています。スタッフ全員が専門性を持って、患者さんのために働いてくれています。

プライベートでの活動について教えてください。

医師以外の職種の方との交流を大切にしています。いろんな職種の人と仲良くなって、違う世界の話を聞くことが診療にもプラスになる。建設会社の人から文楽に誘われて今では大ファンになりましたし、料理人の友達もたくさんいます。医師以外の方たちとの交流があることで視野が広くなりました。患者さんと話すにも、いろんなことを知っていた方がいい。趣味も多彩で、自転車、音楽、カメラなど。カラオケで歌ったり、海岸沿いのサイクリングロードを走ったり。65歳になりましたが、まだまだマグロみたいにずっと動き回っています(笑)。

読者へのメッセージをお願いします。

上西幹洋理事長 うえにし乳腺消化器クリニック6

遠慮せずに何でも相談してください。わからないことがあったら納得できるまで聞いてほしいです。敷居は高くないので、気軽に来ていただきたいですね。特に検診はもっと受けてほしいと思っています。泉州地域は検診率が低いんです。その要因の一つにマンモグラフィの被ばくを心配する方もいますが、飛行機で東京からニューヨークまで行く時の被ばく量と同じくらいなので、心配はいりません。乳がんも甲状腺疾患も長いお付き合いになる病気ですが、当院では地域で完結できるような医療体制を整えています。専門性は高いけどハードルは高くない。そんなクリニックでありたいと思っています。

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