坂本 光章 院長の独自取材記事
坂本整形外科
(八尾市/久宝寺駅)
最終更新日:2025/09/04

久宝寺駅直結の久宝寺クリニックモール2階にある「坂本整形外科」。院長を務める坂本光章先生は、2005年の開業以来、腰や膝の痛み、肩凝り、腱鞘炎、関節リウマチなどの慢性的な症状から、骨折や捻挫、交通事故による外傷まで、幅広い主訴に対応してきた。高齢の患者では内科疾患で他院に通うケースも少なくないため、「患者一人ひとりの背景を把握した上で、適切な治療を行いたい」と、近隣のクリニックや病院との連携にも力を入れている。開業から20年を迎えた現在、地域に根差した診療を続ける坂本院長に尋ねた。
(取材日2025年8月5日)
他医療機関とも密に連携し、幅広い整形外科疾患に対応
開業に至った経緯を教えてください。

医師を志したのは3歳の時、私自身が交通事故に遭い、大ケガを負ったことがきっかけです。その時、整形外科の担当医が私と両親を支えてくださいました。両親から感謝されるその姿を見て「私もあんな大人になりたい」と思い、整形外科の医師を夢見るようになりました。奈良県立医科大学に進学し、卒業後は奈良県立医科大学附属病院の整形外科に入局。奈良県内のさまざまな病院で整形外科だけでなく、救急科や麻酔科も経験し、手術を含む幅広い診療に携わってきました。もともと開業を視野に入れていたため、特定の分野に偏ることなく、整形外科全般を診られる医師になれるよう努めてきました。そうして経験を積んだ後、ご縁があり久宝寺の地で開業。地域の方々としっかり向き合える診療をめざし、今に至ります。
開業されてからの20年を振り返って、今の思いをお聞かせください。
整形外科の疾患は幅広く、同じ病名でも症状の現れ方は一人ひとり異なります。それに向き合ってきた20年間の診療経験は、私にとって何よりの財産であり、大きな自信にもつながっています。毎日たくさんの患者さんに来ていただいている中で、珍しい疾患に出合うこともあります。そうした経験から得た知識も診療に生かしています。すぐの診断が難しいケースもありますが、「何か違和感がある」と感じた場合は必ず再診をお願いし、必要に応じて地域の医療機関と連携しながら、慎重に原因を探ります。患者さんの声に耳を傾け、粘り強く向き合う姿勢を大切にしてきたその積み重ねが、患者さんの信頼につながっているのだと思います。
ほかの医療機関との連携もされているのですね。

整形外科の中には専門性の高い治療が必要な疾患があるため、近隣病院との連携は非常に重要です。八尾市立病院のほか、八尾徳洲会総合病院や医真会八尾総合病院には、私の母校である奈良県立医科大学出身の先生も多く在籍。日頃から情報交換できる関係を築き、特殊な治療が必要な際は、適切な医療機関をご案内できるよう努めています。また、高齢の方は他の病気で他院に通われていることも多いため、近隣のクリニックとも密に連携を取り、持病や服薬状況をしっかり把握した上で、整形外科の治療方針を決定しています。整形外科疾患が改善しても、持病が悪化していては意味がありませんから、背景まで見据えた診療が重要です。患者さんにも安心していただけるよう、その旨をお伝えしています。こうした連携が可能なのは、このエリアでも早くに開業したクリニックとして、長年にわたり信頼を培ってきた結果だと感じています。
20時まで受付。仕事帰りにも通いやすい環境を整備
こちらではどのような症状に対応されているのでしょうか。

腰や膝の痛み・肩凝り・手足のしびれ・腱鞘炎・関節リウマチといった慢性症状から、骨折・捻挫・交通事故によるケガまで、幅広い整形外科の症状に対応しています。近隣の方はもちろん、遠方から来院される方も多いです。午前中は高齢の方が中心で、午後は通勤・通学で久宝寺駅を利用する比較的若い世代の方の来院が目立ちます。開業当初は午後の受付を19時までとしていましたが、仕事帰りにも通いたいという声を受け、現在は20時までに延長。実際、「この時間じゃないと来られないから助かる」といったお声をいただくことも少なくありません。また、0歳から対応しており、今日も保育園の先生に連れられて来院されたお子さんがいました。近隣の小児科の先生からご紹介いただくことも多いです。
診療方針を教えてください。
整形外科の治療には、薬物療法とリハビリテーションの2つの選択肢がありますが、私は有用な状態であれば、できるだけリハビリテーションによる改善をめざすことを基本方針としています。リハビリテーションは体の自然な回復力を活用して症状の改善を促す方法であり、副作用の心配が少なく、体への負担軽減も望めるからです。また、「骨は刺激に対し、成長・修復する」という法則を応用した超音波骨折治療にも対応しています。非常に出力の弱い超音波のため、基本的には痛みを感じることは少ないです。また、高齢の方の多くは他の内科的な病気で複数の薬を服用されていることが多く、できるだけ薬を増やさずに済むほうが望ましいですし、若い方にとっても、薬に頼らずに症状が改善をめざせることは大きなメリットです。一方で、リハビリテーションは短期間ですぐ終わるわけではないため、炎症が強いときなどには、注射や薬による治療も適切に取り入れています。
患者さんと接する時に大切にしていることはありますか?

まず大切にしているのは、患者さんが何に悩んで受診されたのかをきちんと把握すること。その上で、患者さんが納得できる伝え方を意識しています。私はもともと話すことが好きで、説明がきちんと伝わっているかどうかがとても気になる性格なので、専門用語はできるだけ使わず、わかりやすい表現で丁寧に説明するよう心がけています。説明時には模型やパンフレットなどを使い、よくある疾患については、コピーした資料に図などを書き込んでお渡しし、ご自宅で読んでいただけるようにしています。そうした工夫によって、患者さんが理解を深めてくださるとうれしいですね。また、診察室では緊張して言いたいことが言えない方もいらっしゃるので、「伝えたいことをメモに書いて持ってきても良いですよ」「痛む場所に印をつけてきてくださいね」とお伝えしています。そうして、お互いにとってスムーズな診療につなげていければと思います。
診療終了後に全カルテを見直し、スムーズな診療を
大事にしている信念やモットーはありますか?

私のモットーは「患者さんの通院にかかる時間的・経済的な負担を少しでも減らすこと」です。患者さんの時間も治療費も、とても大切なもの。できる限り待ち時間を短くし、必要のない検査は行わないよう心がけています。また、午前と午後のそれぞれの診療が終わるたびに、その時間に診た患者さん全員のカルテを見直し、次回の対応や注意点を記録しています。これを毎日続けることで、次回の診療をよりスムーズに行えるようにしているのです。また、会計の待ち時間を短縮するため、電子カルテを常に最新のバージョンにアップデートしており、診療が終了しましたらすぐに会計に進めるように工夫しています。スタッフとも「常に効率化できる方法を考えよう」と会話して日々業務の進化に努めています。
休日はどのように過ごされていますか?
休日はスポーツジムやゴルフ場に行くことが多いですね。疲れている時に体を動かすと、良い気分転換にもなります。また、毎週土曜日には近隣の病院で行われる研究会や、大阪などで開催される整形外科の講演会に参加しています。治療や薬、手術方法といった医療の知識は常にアップデートが必要です。開業医である私が実際に手術を行うことはありませんが、「今はこういう術式がある」と知っておくことはとても大切。病院へ紹介する際にもスムーズに対応できますし、患者さんから手術について相談されることもありますからね。病院の医師には聞きづらいことも、私には相談しやすいようです。そういった意味でも、学び続けることの意義は大きいと感じています。
最後に読者へメッセージをお願いします。

当院のリハビリテーション室は広々としており、明るく開放的な雰囲気が特徴です。また、私自身がきれい好きなこともあり、院内の清掃や整理整頓にも力を入れています。20年前に開業したとは思えないほどきれいだと、患者さんにもよく言っていただけるのがうれしいですね。「何かあれば、あのクリニックに行けば大丈夫」と思っていただけるような、身近で信頼される存在でありたいと考えています。初めての診察では緊張される方も多いですが、私もスタッフも笑顔で丁寧な対応を心がけていますので、どうぞ安心してお越しください。