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金 東実 院長の独自取材記事

きむクリニック

(大和高田市/大和高田駅)

最終更新日:2024/07/09

金東実院長 きむクリニック main

大和高田駅から徒歩10分ほどの場所にある「きむクリニック」。内科、小児科、循環器内科、呼吸器内科を標榜し、長年地域の患者から親しまれるクリニックだ。院長の金東実先生は明るく優しい口調が印象的な人物で、「社会の病は治せないけれど、人の病なら治療できるかもしれない」という熱い思いを胸に抱き医療の道を志したそうだ。開業してからは外来診療に加えて、高齢化が進む近隣エリアの住民のために在宅診療にも力を入れる。患者の気持ちに寄り添い、未病の段階からでも気軽に相談してほしいですねと話してくれた金先生に、取材ではクリニックの特徴や注力すること、今後の展望などについて聞いた。

(取材日2024年4月10日)

医療を通じて地域貢献をしたいという希望を抱き開業

このエリアに開業された経緯を伺えますでしょうか。

金東実院長 きむクリニック1

この近くに土庫病院という病院があり、そちらで長年勤務していました。長く勤務医をしている中で、自分が思うとおりの医療が実現できないもどかしさを感じることも少なくなかったですね。私は自分が思い描く医療でどうしても地域貢献がしたいという思いが強かったので、開業を決意しました。開業を決めた時、ちょうどこの土地が空いていて、もともと勤務していた病院とも近かったので土地勘もありますし、何かあればこれまで診ていた患者さんが来られると思い、この場所に決めました。おかげさまで開業してすぐに、大勢の患者さんにお越しいただきました。今も変わらずたくさんの患者さんを診療しています。

開業前はどういった医療機関でご研鑽を積まれてきたのでしょうか。

奈良県立医科大学医学部を卒業後は呼吸器内科に入局しました。もともと呼吸器という分野には興味があり、そこで一通りの知見は深めてきました。その後は奈良県総合医療センター、耳原総合病院にて勤務し、循環器領域の診療にも携わりました。開業前は、地域の病院である土庫病院で長い間勤務しました。そこで町の開業医に必要な知識全般も身につけられたように思います。

そもそも先生が医師を志したきっかけについて教えてください。

金東実院長 きむクリニック2

実はもともとは医学の道は志していなかったんです。高校を卒業してすぐには大阪大学の経済学部に進学しました。当時は医師になる気持ちはまったくなく、人が好きな好奇心旺盛な学生で、発展途上国の人のために役立ちたいと日々勉学に励んでいました。大学院にも進んだのですが、勉強を進めていくうちに、発展途上国を良くするために、1人の経済学者ができることには限界があると感じたんです。政治も含めて社会全体が変わらないと意味がない、そう思った時に私が考えたのは「社会の病は治せないけど、人の病なら治療できるかもしれない」ということでした。真摯に患者さんと向き合えば、元気になるための手助けはできる。病気を早期発見して早期治療に導くことができる。そう思ったのが23歳の時でした。そこから大学院を辞めて医学の道を志し、26歳で奈良県立医科大学に入学し、医師への道の第一歩を踏み出しました。

未病の段階から診断し、病診連携を重視した治療

クリニックにはどういった患者さんが多くいらっしゃいますか。

金東実院長 きむクリニック3

ご高齢の患者さんで、慢性疾患の方が多い印象です。高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のご相談が多いですね。これらは医療機関での治療のみならず、セルフケアが大事な疾患です。日頃の食生活や生活習慣を含め、自分自身でコントロールする必要があります。あとは開業当時に比べて、近隣エリアの小児科が増えてきていますが、ありがたいことに、当院は親子3世代でお越しくださっている方も多く最初に来院された患者さんのお子さん、お孫さんと、皆さんかかりつけ医にしてくださっています。

未病の段階から治療することのメリットは、どのあたりにあるのでしょうか。

例えば、胸が痛い、動悸がある、喉がつまる感じがする、めまいがする、体がだるいなどのありふれた症状が「未病」のレベルなのか、本当は怖い疾患の始まりなのかを判断して、必要な治療を行うことはとても重要です。慢性疾患の中でもとりわけ糖尿病などは、お薬を飲めばそれだけで症状の改善が見込めることはなかなかありません。自分自身でもしっかりケアをすることが大切です。そのような治療を通して、医師と患者さんの信頼関係も高まっていくと思います。当院ではそういった生活習慣の指導に注力し、看護師も含め、資料を用いながらクリニック全体でセルフケアができるようになるための体制を整えています。地域のかかりつけ医として、患者さんファーストであることを忘れず、この疾患はうちでは診られませんと無下に断ることもしません。病診連携もしっかり取っていますので、どんなに些細な症状でも安心してお越しください。

在宅医療にも力を入れていると伺っています。

金東実院長 きむクリニック4

メインは外来診療ですが、患者さんやご家族の状況に合わせ、ご自宅や施設に出向いての診療もしています。開業当時に60歳だった方が80歳近くになり、通院が困難になる人も増えてきたので、引き続き診て差し上げたいと思って始めました。また、地域全体としても在宅医療が必要な方が増えているので、今後は地域の方にも寄り添える体制を築きたいですね。やはり、住み慣れたわが家で家族に囲まれて最期を迎えたいと願う方が多いでしょうから、その願いをかなえて差し上げたいんです。ただし、病気の重症度や医療依存度が高い方の場合は医療施設や病院を頼るほうが適切なケースもありますので、まずはご相談いただければと思います。例えば高齢のご家族の介護や通院のお悩みでしたら、当院でサポートさせていただけると思います。

在宅医療にも注力し地域の患者の支えになり続ける

在宅医療に携わるにあたって、心がけていることはありますか。

金東実院長 きむクリニック5

自宅に帰りたいという患者さんのご希望を尊重するのはもちろんのこと、同時にご家族の生活にも目を向けなければならないと思っています。入院から在宅医療に移れるようになった患者さんの選択肢は、在宅以外に介護療養型医療施設などもありますから、可能性を排除せずにさまざまな状況やお気持ちを考慮して選択することが大切だと考えています。昨今は核家族が基本になり、お仕事や子育てで介護に手が回らないご家庭も少なくありませんし、一方で、家族は介護したいのに患者さん本人が迷惑をかけたくないと家に帰るのを我慢してしまい、すれ違うような場合もあり得るでしょう。どんな選択や方法が一番ご本人やご家族にとって幸せなのかを考え、折り合いをつけた着地点を探すことも、在宅医療に関わる私たちの役割の一つではないでしょうか。臨機応変に対応できるよう、努めていきます。

患者さんやご家族にとって望ましい方法を探すのですね。そのためには多職種連携も大切になりそうです。

そうですね。患者さんに地域で長く幸せに過ごしてもらうためには、訪問看護師やケアマネジャーをはじめとする介護職、地域の病院などの他の医療施設との連携も欠かせません。在宅医療において、私は「医療」の専門家として患者さんの健康管理を担っていますが、実際に患者さんの「生活」を考えたとき、それを実質的に支えているのは訪問看護師や介護職の方々の「現場力」に他ならないと思っています。例えば高齢の患者さんがお手洗いに行く、食事をするといった生活の動作を支えたり、日々に変化はないかと気にかけたりするのは「現場」の方々です。そのこまやかな配慮や尽力があってこそ、患者さんの尊厳が守られ、幸せな最期を迎えられるというものではないでしょうか。私も「現場」の方々と相互に協力し合う「チーム」の一員として、患者さんを支えていけたら、これ以上幸せなことはありません。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

金東実院長 きむクリニック6

病を治療することだけが医療の本分ではないと私は常に思っています。だからこそ、心のケアも含め、いわゆる「全人的医療」が必要になるのです。私が好きな先人の言葉に、「時に癒やし、しばしば和らげ、そして常に慰める」という一節があります。診療する上では何事も患者さんの立場に立ち、寄り添うことを大事にしています。病気だとわかった時、その時の状態によっては、診断を真っすぐ受け止められない方もいらっしゃいます。なるべく安心感を与えられるよう、自分がしてほしいことを患者さんにもする。これからもそのための努力を惜しまないようにしたいです。当院を頼っていただいたら、外来・在宅医療にかかわらず、適切な判断や対応ができるように努めます。少しでも心を軽くしていただけるよう心がけますので、お気軽にご相談ください。

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