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松田 哲治 院長の独自取材記事

松田歯科医院

(世田谷区/上野毛駅)

最終更新日:2021/10/12

松田哲治院長 松田歯科医院 main

上野毛の落ち着いた住宅街の一角にある「松田歯科医院」。この場所は松田哲治院長の実家で、小さい頃から慣れ親しんだ土地で開業して10年になる。院長の専門は差し歯やブリッジ、義歯、インプラントなどを用いる補綴治療で、大学病院に18年在籍し、多くの経験を積んできた。その高い専門性を頼って、近隣はもちろん遠方からも患者が通ってくるそうで「患者さんが喜んでいる姿を見ると、あらためて補綴の力を感じますね」と松田院長。一方「補綴の完成は一つのゴールですが、新たなスタートでもあります。メンテナンスが本当に大事なんです」とも話す。治療にかける真摯な思いを聞いた。

(取材日2018年9月11日)

「歯科医師らしさ」を感じ、補綴分野を専門に

こちらはどういった患者さんが多いのでしょうか。

松田哲治院長 松田歯科医院1

近くにお住まいの方もいらっしゃいますし、遠くから来てくださる患者さんもいらっしゃいます。どちらかというとある程度の年齢を経た大人の方が多いですね。遠くから来てくださる方は、私の専門がクラウン(差し歯)やブリッジ、義歯、インプラントなどを扱う補綴ですので、その治療を求めておいでになります。一番遠くはアルゼンチンから。日系の方で時々日本に里帰りなさるのですが、たまたま娘さんがこの近所にお住まいだったんです。お母さまが歯で困っていらして、だいぶ大がかりな治療になりそうだからといろいろ探して、ここを訪ねてくださったようで、数ヵ月日本に滞在なさっている間に、義歯をこしらえる治療をなさいました。今も日本に帰ってこられるとメンテナンスに通ってくださるんですよ。そこまで遠くではありませんが、名古屋や大阪からも来ていただいていますね。

補綴の治療を求めておいでになる方が多いのですね。

一般歯科も診ますので一概にそうは言えないのですが、ここなら治療も任せられそうだと思い来てくださる方、大学時代の先輩、後輩や同業者からの紹介を受けて来てくださる方も多いですね。私は大学病院時代から専門として長く携わってきましたので、難しいニーズにもお応えできるだけの知識や技術はあるつもりです。

なぜ補綴を専門に選ばれたのですか?

松田哲治院長 松田歯科医院2

両親が歯科医師だったわけでもないので、初めて大学で治療について学んだとき、補綴という分野が一番歯科医師らしく見えたんですね。補綴治療の中の重要な部分である「歯を削る」という行為にも興味を惹かれました。エアタービンという機械を使って削るわけですが、やはり人間の手で行うことなのでそれにもやはり上手、下手があります。自分はもともと手先が器用だと言われていたのですが、学生時代にはうまく削れるようになりたいと随分トレーニングを積みました。取りつけの差し歯やインプラントを一番重点的に学びましたが、取り外しの義歯はもちろん、補綴の土台をしっかりつくる口腔外科や根管治療も大事にしています。

治療については丁寧に説明

歯科医師を志されたのも手先が器用だったからでしょうか。

松田哲治院長 松田歯科医院3

何か人の役に立ちたいという思いがあり、手先の器用さも生かせる職業ということで、良いかなと思いました。歯科医師をしているいとこからも「良い仕事だ」と勧められましたし。手先の作業ということでは、小さい頃からプラモデルやエンジン付きの模型飛行機など物を作るのが大好きでした。自分で設計をして、板を買ってきて自作機を作っていたこともあるんですよ。子どもの頃はお年玉をもらうと、模型のお店が開く4日が待ち遠しくてうずうずしていましたね(笑)。

ここはご実家だそうですね。

1階が診療スペースで、2階に両親が住んでいます。私自身の住まいは別なので、毎日実家に通っていることになります。日々両親の様子も確認できるのはありがたいですね。まだ大学病院に勤務していた頃、この場所が道路の拡張工事にかかって、家を建て替えなければならなくなり、それならと開業を見越して設計をしてもらいました。歯科医院は床に配管が必要で、普通の天井高では圧迫感が出てしまうので、高めに設定するなど配慮しています。右奥の手術室が私の部屋だった所で、ここにベッドがあったなあ、などと思い出したりします(笑)。

診療の際、どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

できるだけ患者さんのお望みの治療をするように、望んでいないことはやらないようにと心がけています。とりあえずお困りの痛みを取って差し上げた上で、何がご希望なのかをお聞きしています。オーバートリートメントはしたくありませんが、患者さんは望んでいなくても、本当にやる必要のある治療であればきちんとご説明をするようにしています。説明はしっかり時間を取って丁寧にしているつもりです。大学病院では、どこへ行っても診てもらえないような重症の患者さんがたくさんおみえになっていました。そういう患者さんの場合にはまずお話を伺うことが大事だという経験があり、知らず知らずのうちに身についているのかもしれません。

クリニックでの診療の傍ら、大学でも教えていらっしゃいますね。

松田哲治院長 松田歯科医院4

大学を卒業後、大学院に進み、診療と教育と研究の3つに携わって来ました。大学をやめた今も年に4コマほどですが、講師として定期的に授業を持っています。専門の補綴について、現場での経験を踏まえて学生に教えています。学生の気質もわれわれの頃とは変わってきましたが、熱心に聞いてくれる学生がいるとやはりうれしいですね。

補綴の完成はメンテナンスへの新しいスタート

印象に残っている患者さんとのエピソードがあれば教えてください。

松田哲治院長 松田歯科医院5

当院は東京の西の端にありますが、東の端の江東区からおいでになった患者さんがいました。やはり娘さんがこの近くにお住まいで、歯の具合の悪いお母さまを自宅に呼び寄せて滞在させ、通って来られていました。最初はうまく物が噛めない状態だったのですが、最後には食事ができる状態にまでもっていくことができました。治療が終わった後、お母さまの「しばらく食べるということがどういうことなのか忘れていましたが、ようやくそれを思い出しました」という言葉が忘れられません。補綴の力をあらためて感じることになりましたね。

お忙しい毎日と思いますが、どのようなことでリラックスなさっていますか?

中学時代にはバンドを組んでいたほどロックが好きで、今もその頃の音楽を聴くのが好きですね。当時は70年代の人気ロックバンドのギタリストに憧れていました。院内のBGMは自分で選曲して流しているのですが、その頃の音楽も流しています。患者さんの中には、「昔を思いだして、あの頃の音楽をまた聴き始めました」と喜んでくださる方もいらっしゃいますね。クラシックも聴きますよ。親戚にオペラ歌手がいるので、彼のライブには都合がつけば必ず出かけます。素晴らしい声の持ち主で、私たち夫婦の結婚式で歌ってもらったのは良い思い出になっています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

松田哲治院長 松田歯科医院6

補綴は完成して装着した時が最高の状態です。その後は放っておけば徐々に状態が低下していくわけで、悪くしないためにはメンテナンスが大事になってきます。自分できちんと手入れができるようになるまでは月に1回、その後は3ヵ月に1回、半年に1回と通って、最低でも年に1回はプロのチェックを受けていただきたいのです。メンテナンスがしっかり身につくまでには、かなりの修練と時間を必要とします。歯を磨くというのは実は大変なことなんです。メンテナンスが身につかないまま過ごし、しばらくぶりにクリニックに来てみたら悲しいことになっていたということも実際にあります。補綴の完成は一つのゴールではありますが、そこからが新たなスタートでもあるんです。せっかくお互いに頑張って作り上げた補綴装置ですから、お口の中の環境を悪化させないよう、メンテナンスに力を注いでいただきたいと願っています。

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