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大塚 彰行 院長の独自取材記事

大塚クリニック

(鹿児島市/騎射場駅)

最終更新日:2025/03/27

大塚彰行院長 大塚クリニック main

鹿児島市電1系統の騎射場電停から徒歩3分。住宅街の一角に「医療法人秀緑会大塚クリニック」はある。専門とする腎臓内科や人工透析内科以外にも、風邪などの一般内科はもちろん健康診断など幅広く対応。2005年の開業以来、地域に根差した医療を提供している。大塚彰行(あきゆき)院長は、腎臓内科医として研鑽を積んだ後、父である初代院長の意志を引き継ぎ2023年に3代目として就任。患者一人ひとりに寄り添う診療を心がけている。大塚院長に、院長就任までの経緯や診療の方針、クリニックにおける透析治療の特徴について話を聞いた。

(取材日2025年2月18日)

父の意志を引き継ぎ、3代目院長に就任

院長に就任された経緯を教えてください。

大塚彰行院長 大塚クリニック1

大学卒業後、鹿児島県内の大学病院や地域の中核病院などで腎臓内科の医師として勤務していました。腎臓内科を志したのは、初代院長である父の影響が大きかったからです。父も腎臓内科を専門としており、その姿を見て私も同じ道を進もうと決めました。父はクリニックの開業後しばらくして他界してしまいましたが、その後、父の同期である腎臓内科の先生が院長を引き継ぎ、10年以上にわたって尽力してくださいました。そして、私自身も腎臓内科の医師として経験を積んだ後、2020年10月から当クリニックに勤務。2023年8月より正式に院長職を引き継ぎ、現在に至ります。

腎臓内科と人工透析内科を専門としているのですね。

はい。当クリニックの初代院長である父は、鹿児島県内の腎臓内科で主に透析治療を担当していました。そのため、クリニックを開業する際も、それまで診ていた患者さんの診療を継続できるように、腎臓内科・透析治療を専門としたと聞いています。現在も透析治療を中心とした腎臓内科を標榜していますが、診療対象は腎臓疾患に限りません。高血圧や糖尿病の患者さんも多く来院されていますし、発熱などの一般的な体調不良の治療にも対応しています。また、健康診断で腎機能の異常を指摘され、精密検査を希望される方もいらっしゃいます。検査の結果、当クリニックでの対応が難しい場合には、近隣の中核病院や外科系の医療機関と連携しながら、適切な診療を提供できるよう努めています。

院長に就任されてから、ご自身の心境や診療方針に何か変化はありましたか?

大塚彰行院長 大塚クリニック2

やはり、以前より責任感が増しました。ただ、幸いなことに前院長の先生が今もいらっしゃるので、相談しながら診療にあたることができています。また、スタッフの皆さんも、私より社会経験が豊富な方ばかりなのでとても心強いです。長年通われている患者さんの性格などもよく理解してくれていますし、私には言いにくいことを聞き出してくれるなど、フォローしてくれています。診療方針に関しては、院長になる前から大きく変わってはいません。患者さんのお話をしっかり聞き、疑問や不安を解消できるよう努めています。初めて来院された方はもちろん、長く通院されている方に対しても、状態の変化を見逃さないよう注意を払い、なるべくこまやかな対応をすることを心がけています。

専門性を生かして地域医療に貢献

腎臓に疾患があると、具体的にどのような症状が現れますか? また、治療はどのように行うのでしょうか。

大塚彰行院長 大塚クリニック3

腎臓の主な役割は、尿の生成によって、体内の余分な水分や老廃物を排出することです。腎機能が低下すると、これらの排出がうまくいかなくなるので、むくみや倦怠感が生じることもあります。しかし、健康診断で腎機能の異常を指摘された方の多くは、自覚症状がほとんどありません。健康診断で異常が見つかった場合は、腎機能が低下している原因を精査した上で診療方針を決定し、悪化を防ぐための対策を講じていくことが重要です。腎機能の低下は、腎臓特有の病気だけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が原因となっているケースもあります。生活習慣の見直しで改善が期待できる場合は、食事や運動に関する具体的なアドバイスを行います。腎臓特有の病気が原因であれば、それに応じた専門的な治療が必要です。基本的に薬による内科的治療が中心ですが、腎機能の低下が進行すると透析治療が必要になることもあります。

透析が必要になった場合はどのように治療を始めるのでしょうか。

透析治療を受けるには、1分間に約200ccの血液を体外に取り出し、浄化する必要があります。しかし、通常の採血のように手の表面の血管からでは、この量の血液を確保するのは難しいため、まず、シャントと呼ばれる手術を受けることが必要です。シャントとは、動脈と静脈をつなぎ、血流量を増やして十分な血液を取りやすくするためのものです。当クリニックで透析治療を行う患者さんには、大きく分けて2通りの始め方があり、もともと当クリニックで通院していた患者さんが腎機能が低下し透析治療が必要になった場合は、提携先の病院でシャント手術を受けてから透析治療を開始します。一方、他の医療施設で腎臓の治療を受けられていて透析治療が必要になった患者さんは、中核病院などでシャント手術を受けていただいてからこちらで透析治療を開始するようにしていますので、安心してご相談いただけたらと思います。

こちらのクリニックでの透析治療について教えてください。

大塚彰行院長 大塚クリニック4

当クリニックでは透析用のベッドを24台設置し、オンラインHDF(血液濾過透析)を中心に人工透析治療を行っています。透析治療とは、腎機能が低下した患者さんの血液から老廃物や余分な水分を人工的に除去するための治療法です。老廃物の除去方法にはいくつかの種類があり、オンラインHDF(血液濾過透析)もその1つです。簡単にいうと、通常の透析に比べて幅広い種類の毒素を効率的に除去するための方法と考えていただければよいかと思います。透析治療を受けられる場合には、通常週3回通院していただいていますが、当クリニックではお仕事をされている方でも通いやすいように、透析スケジュールを午前(8:00~13:00)・午後(13:00~19:00)・夜間(17:00~22:00)の3つの時間帯に分けて対応しています。

自覚症状がなくても定期的な健康診断を

動脈硬化の程度や早期血管障害を検出する簡易検査も行っているそうですね。

大塚彰行院長 大塚クリニック5

はい。当クリニックでは、ABI(足関節上腕血圧比)検査を導入し、透析患者さんの血管の硬さや狭窄の程度を簡易的に検査しています。透析を受けていると、脚の血管が硬くなったり狭くなったりする病気のリスクが少なくありません。血管が硬くなったり狭くなったりすると、十分な血流が確保できなくなります。例えばケガをした場合、血流が悪いと傷口に十分な栄養が届かず、治癒が遅くなるばかりか、ひどくなると壊疽を引き起こす恐れもあります。そのため、定期的なチェックが必要です。脈の触れや皮膚の冷たさなどから血流状態を評価し、必要があればABI(足関節上腕血圧比)検査を行います。透析患者さんに限らず、歩行中に足のしびれや痛みを感じる方も、この検査によって病気の早期発見・対応につなげることができます。

腎臓疾患を予防するには、日頃からどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

腎臓疾患の怖いところは、かなり進行してから症状が現れるという点です。そのため、自覚症状がなくても定期的に健康診断を受け、自分の腎機能を把握することがとても重要になります。腎臓はゆっくりと機能が低下していくことが多く、一度低下すると回復しにくい臓器です。さらに、糖尿病や高血圧などの疾患を持っている場合、そのまま放置してしまうと透析治療が必要になるリスクが高くなります。だからこそ、できるだけ早い段階で腎機能の状態を確認し、必要に応じて適切な治療を始めることが、腎臓を守るためにとても重要です。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大塚彰行院長 大塚クリニック6

腎機能が低下すると、むくみなどの症状が現れることもあります。むくみは、立ちっぱなしなど単なる疲れから起こることもあるため、病気の兆候なのか自分では判断しづらいものです。少しでも「いつもと何か違うかな」と感じたら、早めに受診されることをお勧めします。腎臓疾患の予防には、早めの対応が必要です。当クリニックでは、健康診断にも対応しておりますので、ご自身の体の状態を知るためにも、先ずはぜひ検査をご活用いただければと思います。また、風邪などの一般的な内科診療はもちろんですが、予防接種などにも広く対応していますので、気になる症状やお困りのことがあればお気軽にご相談ください。

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