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小牧 伸一郎 院長の独自取材記事

こまき内科循環器科クリニック

(姶良市/帖佐駅)

最終更新日:2021/10/12

小牧伸一郎院長 こまき内科循環器科クリニック main

姶良市の住宅街の中、小牧伸一郎院長の朗らかな似顔絵が描かれた看板が患者を温かく迎えてくれる「医療法人こころの陽 こまき内科循環器科クリニック」。敷地内には、訪問看護ステーション、通所リハビリテーション施設、居宅介護支援事務所、病児・病後児保育室があり、連携して「医療と介護」の双方から、患者と家族をサポートしている。院内のあちこちに、患者から寄せられた書画や手作りの装飾品が飾られており、いかに地域の人に愛され、頼りにされているかを物語る。在宅医療にも早くから取り組み、「医療は究極のサービス業」と語る小牧院長に、地域医療にかける思いをたっぷりと聞いた。

(取材日2021年3月18日)

0歳から看取りまで 地域の医療と介護をサポート

この地に開業されたのはなぜですか?

小牧伸一郎院長 こまき内科循環器科クリニック1

私は鹿児島市の出身で、姶良地区は縁もゆかりもない場所でした。開業当時、この姶良地区には循環器を専門としている医院がなかったため、それなら! とこちらに決めました。開業自体は2003年ですが、現在の場所に移ってきたのは2007年です。もともとはこの近くの別の場所を借りてクリニックを営んでいましたが、患者さんをたくさん診させていただくうちに、駐車場が足りなかったり、診察室・待合室も手狭になったりで、移転の必要性を強く感じるようになりました。そこでこの土地を買ってクリニック新設と移転を決めたんです。医療法人名をはじめ、ここにある組織の名前にすべて「陽(ひ)」を入れているのは、「太陽」が好きだから。太陽のような生命力、暖かさ、頼もしさ、そして明るさを持った存在になりたいと思っています。

訪問看護ステーションや通所リハビリ施設など幅広く展開していらっしゃいますね。

そうですね。全部必要に迫られて、少しずつ広げ、設備や施設を拡充してきました。例えば、看護師が働きやすい環境であれば、多くの看護師が来てくれるのではないかと考えて事業所内保育所をつくり、来院するおじいちゃん、おばあちゃんが足腰や肩が痛いと言うので、それならリハビリ施設をつくろう……と、そんな感じです。在宅医療と訪問看護は開業したばかりの頃から取り組んでいますが、訪問看護には適切な介護保険サービスをコーディネートするケアマネジャーが必要です。ですから、居宅介護支援事業所もつくり、在宅医療の支援センターという建物をつくって、ここで全部完結できるようにしているのです。

在宅医療を始められたきっかけは?

小牧伸一郎院長 こまき内科循環器科クリニック2

やはり、患者さんのためですよね。巡回バスがない、独居で付き添う家族がいないとなると、通院の手段もなく、クリニックに来ることができない高齢の患者さんもいますから、それならこちらから行こうと思って始めました。開業前に勤務していたクリニックでも往診を行っていましたが、患者さんやご家族に喜んでいただけますし、何より私自身が診察室でじっと座っているよりも外へ出て行けることが楽しかったんですよね。それに、患者さんの一人ひとり違う生活の営みを垣間見ることができるのも人生勉強になりますね。それぞれに違う自宅の環境で、どう療養し、リハビリしていくのか、といったことを考えることもできます。往診は看護師と一緒に行くのですが、訪問看護をご利用されている患者さんですと、同じ敷地内で直接訪問看護師に会っての申し送りもしますので、常に連絡は密に取り合っていますね。

地域の医療と介護の両面から支えていらっしゃるのですね。

生まれて間もない赤ちゃんから看取りまで、幅広い年代にかかわっていることになりますね。とはいえ、地域の人たちの全部を診るということですから、これには覚悟がいります。特に地域の高齢の方には、外来でも在宅でも診ていきますよ、という気持ちでいます。それで、どうしても駄目だったら、敷地内にあるサービスつき高齢者向け住宅に入ってもらえれば。24時間、当直の看護師が対応する体制を整えています。私も自宅が敷地内にありますから、何かあればすぐに駆けつけることができます。地域の開業医として、「今朝は寒かったよね」「あそこの桜が咲いたね」という同じ地域に住むからこその会話や、運動会など地域の行事に顔を出すような関係性を大事にしたいと思っています。

患者の訴えをすべて受け入れ、寄り添う医療を

クリニックにはどのような患者さんがいらっしゃいますか?

小牧伸一郎院長 こまき内科循環器科クリニック3

高齢の方が多いですが、感冒などで若い方も多くいらっしゃいます。循環器科では、動悸がした、胸がドキンとして痛い、時々脈がとぶとか、何らかの自覚症状を感じて来院される方が多く、健康診断で不整脈などの異常が見つかった方や近隣のクリニックからのご紹介で来られる方も多いです。動脈硬化、エックス線、血液、超音波や骨粗しょう症の検査を行い、心電図は24時間記録できるホルター心電図検査も行っています。高齢の方は、異常があっても年をとったからこういうものなのだろうと思ってしまうケースも多いため、周りの方が気をつけてあげることが大切です。

診療で心がけていらっしゃることは何でしょう。

患者さんの訴えを一度全部受け入れることでしょうか。例えば「頭が痛い」と言っていても、それが本当に痛みのある疾患などかどうかはわかりません。メンタルの問題から痛みがあるように感じているのかもしれません。でも、その方が苦しんでいることは事実なので、どういう経緯であっても、患者さんの訴えをまずは受け入れることによって診療に結びつくと思うのです。その上で、必要と判断した方は精神科や心療内科に紹介しています。その場合も、精神科に抵抗がある方には心療内科を紹介するなど、患者さんのお気持ちを尊重して診療にあたっています。

先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

小牧伸一郎院長 こまき内科循環器科クリニック4

母親が病院の娘でしたので、周りからは小さい頃から「お医者さんになるんだよ」と言われて育ちました。反発していた時期もあったのですが、結局は医師になりましたね。父親は教師だったので、教師にしたかったかもしれません。福岡の大学で学び、残りたい気持ちもありましたが、両親がいますので卒業後は鹿児島に戻り、鹿児島大学の第2内科に入局しました。人間の生死に関わるのは頭か心臓か呼吸器と考え、第2内科にあったのが循環器だったので、循環器を専門に選び研鑽を積みました。循環器の中ではずっと、心臓エコー検査を中心に取り組んできましたので、今も得意としています。

誰もが生涯、安心して暮らせる地域に

在宅医療などで突然の連絡も多いと思いますが、先生のリフレッシュ法は?

小牧伸一郎院長 こまき内科循環器科クリニック5

家内にも「趣味を持ったら」とよく言われるのですが、これが特にないんです。息抜きと言えば犬と遊ぶことくらいでしょうか。柴犬3匹と、つい最近保護した犬の計4匹を飼っています。仕事をしていないときはもっぱら犬の世話をしています。といっても餌やりや散歩くらいですが、4匹もいますと結構大変。一度に連れて行けないので3回に分けて行っているんです。ご近所の方から声をかけていただくこともありますし、散歩の途中で見かけた草花の話など、近くに住む患者さんとの診察室での話題にも役立っています。

今後の展望を教えてください。

医療法人と社会福祉法人を抱えていますので、正直言って時間が足りないと感じています。もう一人医師が来てくれたら、もう少し社会福祉法人のほうにも力を入れていきたいですね。というのも、現在曲がりなりにも高齢者福祉と児童福祉はやれていますが、障害者福祉への取り組みが残っているからです。往診でも障害がある方に対応していますが、もっと何かできないものかと考えているところです。「病む人から健やかな人まで、すべての人に寄り添い生きていく」を理念にしていますので、地域のためにもこれはやらないわけにはいかないと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

小牧伸一郎院長 こまき内科循環器科クリニック6

クリニックとしては、地域住民の方々が、生涯を安心して地域で暮らしていけるよう、これからもより良い医療と介護を提供していきたいと思っています。「こまき内科循環器科クリニックに相談すれば大丈夫」と地域に信頼され、必要とされる存在になりたいですね。訪問診療のことを知らなかったり、知っていても申し込み方法がわからず、通院が困難になったりしている方がまだいらっしゃると思います。当クリニックでは、できるだけ寝たきりにならず、自分らしい生活が送れるよう、自宅で療養する患者さんや、ご家族の生活をサポートしていきたいと考えています。必要があれば施設のご紹介も可能です。病児保育も利用できますから、まずはご相談いただけたらと思います。

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