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大槻 芳朗 院長の独自取材記事

大槻レディースクリニック

(堺市南区/泉ヶ丘駅)

最終更新日:2023/11/06

大槻芳朗院長 大槻レディースクリニック main

泉北高速鉄道泉ケ丘駅よりすぐのメディカルセンター内にある「大槻レディースクリニック」は2005年の開院以来、多くの女性の健康に携わってきているクリニックだ。「大きな病気だけでなく、日々の些細な症状を改善できれば毎日が過ごしやすくなります。一人で我慢せずに、もっと気軽な気持ちで来院してもらえたら」と優しい笑顔で話してくれたのは大槻芳朗院長。大学を卒業後は多くの手術を行ってきただけでなく、中国で鍼灸を修学するなど豊富な知識と経験をもつ大槻先生。今回、日常と密接にリンクしながらも、敷居の高さを感じる人が多い婦人科について、大槻院長に話を聞かせてもらった。

(取材日2019年4月9日)

病気ではなく「人に寄り添う」ことが婦人科医師の仕事

開業のきっかけを教えてください。

大槻芳朗院長 大槻レディースクリニック1

開業前は勤務医として、婦人科系の手術を多く執刀していました。手術にはとてもやりがいを感じていましたし、目まぐるしく忙しい毎日でしたが充実していました。しかし、経験を重ねるにつれて、手術をするような大きな症状ではないけれど、日常的に困っている症状に寄り添うような医療を提供するのもいいんじゃないかなと感じるようになりました。大きな病院で働いていると、患者さんとのお付き合いはどうしても限定されてしまい、手術前後のフォローまでは手が回りません。病院は想像以上に忙しいので仕方がない部分もあるのですが、婦人科系の病気は日常と密接に関係しているため、日々の些細なことにも対応できる病院をつくりたいと思ったのが大きな理由です。また、ホルモン補充療法に興味を持ったのも大きかったです。

どのような患者さんがいらっしゃるのでしょうか?

一番多いのは生理の悩みです。月経不順や、激しい痛みを訴えていらっしゃる方が多く、中学生くらいからいらっしゃいます。ほかにも各種検診や妊婦健診、不妊のご相談、性感染症の相談、避妊用のピルの処方、そしてホルモン補充療法を希望される方など、女性の体に起こることの相談に、幅広い年齢の女性にご来院いただいています。また、当院には他院で受けた疾患の説明や進められた治療方針についてさらに詳しく相談してみたいと思われる方も来院していただけるとうれしいですね。

患者さんと接する時に心がけていることはありますか?

言葉の選び方や質問するタイミングには気を使いますね。患者さんそれぞれに、価値観や考え方が違うので、画一的ではなく一人ひとりの患者さんに合わせ、寄り添った接し方をしたいと思っています。

そう考えるようになったのはなぜですか?

大槻芳朗院長 大槻レディースクリニック2

婦人科領域のことは、恥ずかしさから人に相談できずに一人で悩んでいる人が多いんです。特に生理のことや性、妊娠に関することは人と比べるわけにもいかず、どれが正解なのかがわからない。また、周りの人に勇気を出して聞いてみたけれど、「自分だけがみんなと違う」とコンプレックスになってしまっていることも多い。だからこそ、私たち産婦人科の医師はその不安を受け止めて、患者さんを安心させてあげなくてはいけないと考えています。そのためには、私たちと患者さんの間に信頼関係が必要。デリケートな相談だからこそ言葉を大切にして、リラックスして質問し、説明を聞いてもらえるような雰囲気をつくっていきたいと考えています。体も心も人それぞれ。私たちはそれに寄り添うことが大きな仕事ですので、その部分は大切にしたいですね。

女性の健康のために女性ホルモンは欠かせない

ホルモン補充療法について教えてください。

大槻芳朗院長 大槻レディースクリニック3

女性が健康でいるためには女性ホルモンは欠かせません。怖いと誤解している人も多い療法ですが、骨の老化予防や血中LDLコレステロールの下降作用や、脳の活動も高まって記憶などの認知機能の向上が期待できるほか、抑うつ気分、更年期障害の治療にも用いられます。お薬には、飲む薬、貼る薬、塗る薬とさまざまな種類があり、ほとんどが保険診療扱いです。

副作用を心配する人もいるのでは?

「ホルモン補充療法でがんが増えるのではないか」と心配される方は非常に多いですね。結論から言うと、発生率が増加するがんもあれば、逆に減少するがんもあり、一概には言えません。例えば、日本産科婦人科学会がまとめたホルモン補充療法のガイドラインによると、大腸がん、胃がん、食道がん、肺がんは発生リスクが低下する、もしくは低下する可能性があるとされていますが、逆に子宮頸部腺がんや卵巣がん、基底細胞がん、あと、がんではありませんが髄膜腫は発症リスクが上昇する可能性があるといわれています。しかし、もともと卵巣がんは発生頻度の低いとされるがんで、女性が亡くなる主ながんが大腸がん・肺がんであることを考えれば、肥満やタバコ、お酒の持つリスクと比べて直ちに危険と言えるような療法ではないと私は考えています。

ホルモン補充療法を行う際に注意することはありますか?

大槻芳朗院長 大槻レディースクリニック4

ホルモン補充療法はまったくリスクのない治療法ではありません。そのため、開始前に乳がん検診・子宮がん(頸部・体部)検診と血液検査を受けていただくことを必須としています。検査の結果、乳がん・子宮内膜がん・血栓症・心筋梗塞・脳卒中になった人、現在活動性の肝疾患がある人、あと妊婦さんもホルモン補充療法ができません。また、何らかの肝疾患、胆嚢疾患をお持ちの方、重症の高脂血症や高血圧、糖尿病、極度の肥満の方もお勧めしません。子宮筋腫や子宮内膜症の方も慎重に検討する必要がありますね。ホルモン補充療法はエビデンスをもとにしたガイドラインが定められている療法ですので、年に一度は必要な検査を受け、目的とリスクのバランスを考えながら行います。心配事があればなんでも聞いてください。

一人で不安にならず、まずは気軽な気持ちで受診を

先生が婦人科医師を志したのはなぜですか?

大槻芳朗院長 大槻レディースクリニック5

医師をめざしたのは、自分で決断できる仕事がしたいなと思ったからです。自分が学んだことや経験をもとにして責任を持って進めていける仕事とは何だろう?と考えた時に医師が浮かびました。婦人科を選んだのは、内科的な部分と外科的な部分のどちらもできると考えたからです。ほとんどの場合、外科医師になれば、風邪のような内科的な治療に携わることはありません。スペシャリストとしての仕事になるので、それはそれでかっこいいなと憧れもしましたが、自分はどちらも好きだなと思いましたので、両方やれる科はないだろうかと、さまざまな先生のお話を聞いて、最終的に婦人科を選びました。

お忙しい毎日だと思うのですが、リフレッシュ方法はありますか?

今は家庭菜園で果物を作っています。いろいろな種類の果物を作っているので、ちょっとした果樹園になっていますね。今思いつく果物を上げてもらえたら、結構な割合で育てていますよ(笑)。季節ごとにいろんな実がなるので、それがすごく楽しいです。それから写真も好きです。風景写真を撮るのが好きなので、旅に出かけては美しい風景を撮っています。デジタルカメラではなく、リバーサルフィルムを使って撮影しますので、現像が上がってくるのもまた楽しいです。写真を専門に学んだことはないので、思ったような仕上がりにならないこともあるのですが、想像以上に良い写真が撮れることもあり、そんな時にはすごくうれしいです。

それでは最後に、読者にメッセージをお願いします。

大槻芳朗院長 大槻レディースクリニック6

私たち医師は、患者さんから得たプライベートな情報を人に漏らすことはありませんので、どうぞ安心していらしてください。また、内診が嫌だと来院を躊躇していらっしゃる方もいらっしゃるかと思います。当院では医療は患者主体であるべきだと考えていますので、緊急性を要すると判断するとき以外は、無理に内診を行うことはありません。言いにくいこと、聞きにくいことは問診票にそっと書き添えていただければ対応いたします。いくつになっても笑顔で健康に過ごせるように、気軽な気持ちで婦人科を受診してください。お待ちしています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ピル:2500円程度
※詳細はクリニックへお問い合わせください。

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