村上 慶 理事長の独自取材記事
慶歯科医院
(熊本市西区/熊本駅)
最終更新日:2022/09/28
熊本駅から車で10分。2つの広い駐車場を備え、れんが造りの落ち着いた外観が印象的な「慶歯科医院」は2003年の開業。歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科を標榜しており、理事長の村上慶先生は、日本歯周病学会歯周病専門医であり、インプラント治療や歯科麻酔の分野にも専門知識を持つ歯科医師。現在同院は10人の歯科衛生士をはじめ約20人のスタッフを抱える大所帯で、“患者が生涯なんでも噛める”をコンセプトに質にこだわった歯科医療に取り組んでいる。地域住民の口の中の健康を長年守り続けてきた村上理事長に、同院の特徴や強みなどたっぷりと話を聞いた。
(取材日2022年8月22日)
予防をメインに、歯周病治療やインプラントにも注力
開業から20年という大きな節目を迎えましたが、振り返ってみていかがですか?
開業にあたっては、場所の選定に2年ほどかかりました。紹介を受けてこの地を選んだのですが、実際に開業してみてとても良い場所だと思いましたね。住宅街で近くに小中高校があり、近隣にお住まいの方を中心にお子さんからご年配の方まで幅広い方が来院されます。当院は予防を診療のメインとしているのですが、開業当初と比べて今は、患者さんの予防に対する意識が高くなっています。昔は歯が痛くなったら来て治療するだけという方が大半でしたが、今は治療後もメンテナンスのために定期的に来院するなど、予防のために長く通ってくださっている方が多いですね。熊本市内はもとより、北九州をはじめとする九州全土や本州からも来られています。
予防のほかに力を入れている診療は何でしょうか。
歯周病とインプラントです。昔は歯周病といえば単に顎の骨が壊される病気というイメージでしたが、今は糖尿病、心臓病、早産などと絡むことが知られており、治療から定期的なクリーニング、治療後のケアまでトータルで行っています。歯を失った場合は、インプラントをお勧めしています。歯を失って従来の入れ歯やブリッジによる治療を行うと失った周りの歯に負担がかかり、また歯を失うといった悪循環に入ることがあるんです。ですので入れ歯やブリッジで一時的に噛めるようになったとしても、長い目で見るとあまりお勧めしてません。特に入れ歯は、顎の骨を痩せさせる場合もあるので、極力避けたいと考えてます。そういった問題の解決につながるのが、人工歯根(インプラント)です。インプラントで根っこから義歯を作ることで自分の歯のような噛み心地をめざすとともに、生涯にわたって患者さんのお口の健康が維持できるようにすることを考えています。
矯正や、訪問歯科診療も対応されていますね。
矯正治療には、子どもの小児矯正と大人の成人矯正があります。成人矯正が歯並びを良くするための歯列矯正にあたり、小児矯正は成長期の矯正で顎の骨や筋肉にアプローチします。歯並びは顎の骨の成長不足と筋肉の発育不足が大きな原因です。そこで体の発育に見合う顎の発育と適切な呼吸・嚥下・姿勢ができるように筋肉のトレーニングが重要です。成人矯正は従来のワイヤー矯正に加えて、マウスピース型装置を用いた矯正を行っています。この装置はすべての患者さんに適応できないので、しっかり診断し提案しています。訪問診療は体が不自由で通院困難な方が対象です。高齢になるとセルフケアが不自由になり嚥下機能低下等の問題も起こってくるので、歯科治療以外に口腔清掃や口腔周囲筋のマッサージなどの口腔ケアが重要です。ここをしっかりされることで誤嚥性肺炎への罹患率が変わりますので、ぜひ寝たきりになられた場合には利用されることをお勧めします。
専門性の高いスタッフが患者にしっかりと寄り添う体制
設備も充実しているようですね。
通常のエックス線よりも精密な検査ができる歯科用CTを導入し、親知らずや埋伏歯の抜歯、インプラント手術などに活用しています。また、口の中を小型カメラで撮影し、3次元的に再現させて歯の型採りができる口腔内スキャンや、歯科用CTで得たデータをもとにテンプレートを作成し、テンプレートのとおりに治療を行うガイデッドサージェリーなどもあります。これらデジタル技術を駆使する機器を活用することで、より良い診断や治療計画をご提案することが可能となります。もちろん今後も先進的な技術を取り入れていきたいと考えています。
専門的な知識を持つスタッフがそろっているのも特徴ですね。
歯周病やインプラントを専門とする歯科医師のほかに、歯周病のケアを専門的に学んだ歯科衛生士が在籍しており、高い技術と専門知識を持って患者さんの治療にあたっています。また、スタッフが集まって勉強会を開き、さまざまな症例を検討するなど一人ひとりが向上心を持って仕事に取り組んでいるのも、当院の特徴といえるでしょう。私自身も今年の春、九州大学大学院社会人コースの義歯インプラント科を卒業し、博士号を取得しました。当院がめざしているのは、あらゆる分野に対応できる専門性の高い総合歯科です。
カウンセリングを担当するスタッフもいるんですね。
歯科医師と患者さんの橋渡し役を務めるトリートメントコーディネーターが1人います。治療期間や費用が心配、歯科治療は怖いし苦手、といった方のために、患者さんと歯科医師、歯科衛生士の間に入り、患者さんが考えている潜在的なニーズを引き出してベストな状態に持っていくための手助けをする役割です。歯科治療には虫歯や歯周病、噛み合わせ、生活習慣病の問題などさまざまな要素が関わってきますから、トリートメントコーディネーターが患者さんからお話を伺い、生活背景やご要望などをくみ取った上で、納得していただける治療をご提案しています。ですから患者さんには、なんでも安心してご相談いただきたいですね。
口の中の健康を守ることで患者の人生を守りたい
理事長をはじめスタッフの皆さんが大切にしていることは何でしょうか。
当院では、「7つの心がけ」を掲げています。今日一日働けることや、一緒に働いてくれるスタッフと患者さんに感謝し、人の言葉に素直に耳を傾け受け入れることで成長できるという“感謝と成長”、仕事の基本である整理・整頓・清掃・清潔・しつけを疎かにしない“働く基本5S”、ほかにも“笑顔・あいさつ・返事”、“信頼”、“安心・安全・真心”、“報連相”といった仕事をする上で欠かせない要素を挙げていますが、最後の7つ目は“プロフェッショナル”。医療のプロとしての自覚、プライド、責任を持ち、上質な医療サービスを提供できるよう知識と技術の研鑽にスタッフ一同努めています。一人ひとりが相手のこと、組織のことを考えて行動することが良い運営につながると思いますね。
歯科医師を続けてきて良かったと思うことは何でしょうか。
歯科医師になったばかりの頃は、ただ歯を削って詰めることを繰り返す毎日でしたが、ある日、患者さんから感動されたことがあり、徐々に仕事に対する向き合い方が変わりました。開業に至ったのは、より広い治療のバリエーションを持ち、しっかり噛める口腔環境を自分の知識と技術でつくっていきたいと思ったのが大きな理由です。歯科医師という仕事のやりがいは、患者さんの人生を変える要因をつくれるところにあると思っています。自分の治療が患者さんにマッチして、自身でも満足するできばえだとすごくうれしいです。患者さんに感謝されるような歯科医師でありたいというのが原動力になっています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
口の中が健康であるというのが、将来にわたって元気でいるための絶対条件だと思います。元気なお年寄りになるために、まだ健康なうちからお口の健康のために歯をしっかり守る。患者さんにそういう意識を持っていただけるよう、私たちもアドバイスや啓発に力を入れていきたいと考えています。どの歯科医院に行くか、どの先生に見てもらうかで患者さんのその後の人生が変わってきますから、「このクリニックに来て良かった」と多くの方に言っていただけるようなクリニックをめざしてこれからも頑張ります。
自由診療費用の目安
自由診療とは■インプラント治療 インプラント1本/22万円、手術諸費用(1回の手術につき)/3万3000~5万5000円、上部構造/11万~14万3000円
■矯正治療 小児矯正33万円、成人矯正71万5000円、マウスピース型装置を用いた矯正71万5000円