柿崎 陽介 院長の独自取材記事
矯正・小児ひまわり歯科
(宮崎市/宮崎駅)
最終更新日:2021/10/12

宮崎市大塚台にある「矯正・小児ひまわり歯科」は、矯正歯科と小児歯科に特化したクリニックだ。柿崎陽介院長は、専門的に学んだ矯正歯科の豊富な経験を生かし、大人になるまでにきれいな歯になるようフォローしている。1999年に開院以降、今では2世代で通う患者も多く、幅広い世代に親しまれているという同院。外観はまるで住宅のようなアットホームな雰囲気で、中には子どもが喜ぶさまざまな仕掛けが満載だ。優しく子ども想いな柿崎院長に、クリニックの特徴や院内の工夫、今後の展望などの話を聞いた。
(取材日2021年7月9日)
大人になるまでにきれいな歯と歯並びへのサポート
歯科医師をめざしたきっかけや、矯正歯科を専門に選んだ理由を教えてください。

歯科医師をめざそうと思ったのは、高校生の時に自分の歯の痛みを止めてもらったことが最初のきっかけですね。対応してくれた先生は、とても丁寧に説明してくださる方で、もっと知りたいと歯科医師に興味を持ちました。また、大学生時代はさまざまな経験を積ませてもらいましたが、中でも矯正歯科での経験がすごく印象的でした。歯科は元に戻す治療が多いですよね。例えば、むし歯を削ったり埋めたり……。でも、矯正歯科はまったく違います。歯並びを変えていくという治療にとても心惹かれました。後は、矯正した患者さんの笑顔がすてきだったことも、矯正歯科を選んだ理由の一つですね。矯正というのは時間がかかるもの。結果がすぐ見えない分、先のイメージを膨らますことが大切なのです。長崎大学歯学部附属病院の矯正歯科で経験を積んだからこそ、患者さん一人ひとりに合う提案をすることができていると思っています。
こちらではどういった治療をされていますか? また、矯正歯科と小児歯科に特化した理由は?
当院は、院名のとおり、矯正歯科と小児歯科を中心に診療を行っています。なぜ、矯正歯科と小児歯科に特化したクリニックにしたかというと、もちろん矯正歯科を専門で学んだということもありますが、子どもたちの成長に寄り添って、大人になるまでにきれいな歯と歯並びになるようサポートしたいと思ったからです。これは当院のモットーでもありますね。子どもたちを小さい頃からむし歯予防などで診察していると、その後に歯並びの問題といのはどうしてもついてくることが多いものなのです。むし歯予防をしながら歯並びをきれいにして、トラブルなく大きくなってほしいなと。そのために、小児歯科だけでなく、矯正歯科までカバーできるようなクリニックをめざしました。
先生は、ちゃんと食べるために矯正が必要になることもあるとお考えだとか。

そうなんです。なぜ矯正するのかというと、歯並びを整えるのはもちろん、本来はちゃんと食べるため。ちゃんと食べるとはどういうことかピンとこない方もいるかもしれませんね。赤ちゃんは生まれて母乳を飲みますが、吸うという動作は反射です。その後、離乳食を食べ始めますが、ここからは学習して噛み方や食べ方を学んでいくのです。そのため、食べられるようになるための過程において、歯並びや噛み合わせはとても大切になってきます。歯並びの見た目をきれいにしたいという方もたくさんいますが、適切に食べられるようになるためにも整えてほしいなと思っています。
定期的に通ってほしいからこそ、子どもが喜ぶ仕掛けを
診療する際に心がけていることは?

医療機関なので、怖がるお子さんは多くいらっしゃいます。行きたくないと泣いていたり、入り口から入ってこなかったりしますね。そういう子でも通いやすいように、さまざまな工夫をするよう心がけています。例えば、院内にはプレイルームやすべり台、ロフトなどを備えていて、子どもたちが「行きたい!」と言ってくれるような仕掛けを施しています。他にも、年間を通したさまざまなイベントの開催や、頑張って通院することでもらえる院内限定通貨「SEED」を用意しています。SEEDの数によってプレゼントをゲットできたり、カプセルトイもあったり……このような工夫をするのは、歯科クリニックのイメージを良くしたいのはもちろん、適切な医療を提供したいから。そのためには、通い続けてくれることが大切なので、これからも環境づくりは工夫していきたいですね。
そのほか、工夫されていることはありますか?
院内に工夫を施しているほかに、当院では管理栄養士が在籍しています。歯科関係者が食の話をしても、砂糖は駄目だという話ばかりだと思われてしまうことが多いのですが、管理栄養士が話すと捉え方が変わってきます。むし歯ではなく、お子さんの育ちのために話しているのだと理解してもらいやすいんですね。食の啓発にもこだわりたいので、管理栄養士の存在は大きいですね。そのほか、噛み合わせの検査では、実際にリンゴやニンジンスティックなどを食べてもらって、食べ方や噛み方をチェックしています。
印象に残っている患者とのエピソードはありますか?

印象に残っている患者さんはたくさんいますが、2世代で来てくださる方は多いですね。小さい頃、歯科が苦手だったけどここなら通えると言ってくださった方が、大きくなってお子さんを連れて来てくれた時はうれしかったです。クリニックのことを「治療する場」と思っていたのに、「予防する場」として新しい考え方を得てくれたことにも感激しました。当院は担当制となっているので、世代を超えて通ってくれるのは、スタッフのやりがいにもつながっています。そのほか、「子どもが行きたいと言うから来ました」と楽しみに来てくださるのも、とてもうれしかったですね。歯科に対するイメージを良い方向に導くことができているのかなと喜ばしく思います。
予防だけでなく、健康維持として食にも注力を
今後どのようなところに力を入れていきたいとお考えですか?

むし歯の治療は、削って詰めているだけで、風邪などの病気の治療とは異なり、治っているわけではありません。自分の歯を長く使うことが結果的に効率が良いのです。自分の歯を長く使うためには、予防が大切。人生100年時代といわれますが、大人になるまでの20年がとても重要です。その大事な時期を任せていただき、地域のクリニックとしてしっかりフォローしていきたいですね。また、歯科はむし歯を治すところから健康を維持するところへと変えていかなければならないと思っています。社会的に、発症予防や重症化予防など、予防に注目している今。さらに踏み込んで、健康維持にもっと貢献していきたいです。健康維持の基本は、バランスの取れた食事や運動、睡眠です。当院では、その中でも食べることをフォローしていけたらと考えています。
食べることをフォローするとは、具体的にどういうことでしょうか。
具体的には、食に関する情報発信をもっとしていきたいと思っています。食は場合によってはむし歯の原因につながるほか、歯並びにも影響するのです。例えば、最近の患者さんの傾向として、歯と歯の間にむし歯があるのは、糖質の多い飲み物が増えたからではないかと考えています。また、小さい時からから糖質の多いものを口にし、むし歯ができると、硬いものが食べられずにやわらかな甘いものばかりを食べるしかなくなり、さらにむし歯が増える。このように、悪循環になってしまうと、むし歯だけでなく歯並びや噛み合わせも悪くなってきてしまいます。そのほか、食の乱れは肥満や糖尿病などさまざまな病気につながります。実際、子どもの食生活に対して問題があると感じている親御さんは少ないのが現状。管理栄養士と連携しながら、食に関する情報提供ができる場になればいいなと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

自分の歯を自分でケアするのは、やはり難しいこと。だからこそ、プロの力を借りてケアをしてほしいと思います。子どもで言うと、3~4ヵ月に1度のペースで定期検診に来てもらえるのが理想ですね。また、歯並びや噛み合わせには食がとても大切。「この子はこれしか食べない」と見逃していると、最終的に食のバランスが悪くなってしまうこともあるでしょう。大切なお子さんの成長と歯の健康のためにも、少し意識を変えていただけたらなと思います。最後まで自分の歯で物を食べることができるよう、歯と食の関係を知り、予防と口腔管理を子どもの頃から習慣づけていきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/26万円~、成人矯正/48万円~