松尾 圭三 院長、松尾 慶子 副院長の独自取材記事
まつおクリニック
(福岡市西区/周船寺駅)
最終更新日:2025/12/15
JR筑肥線・周船寺駅すぐ、白い外壁が目を引く建物が「まつおクリニック」だ。ほのかに香るコーヒーの香りやアーティフィシャルフラワー、ステンドグラスが院内に彩りを添える。同院は2002年の開業以来、内科と皮膚科・形成外科の連携による全身管理を強みに地域医療を支えてきた。松尾圭三院長は大学病院や市中病院の形成外科・皮膚科で研鑽を積み、同院で皮膚科の手術に対応。松尾慶子副院長は心エコーを専門とする循環器内科の医師で、夫婦二人三脚で診療にあたる。「患者さんの生活環境まで詳しく聞き、その人の立場に立つ治療を心がけています」と語る圭三院長。九州大学が近いことから留学生も多く、外国人患者を受け入れる医療機関として英語での診療にも対応している。圭三院長と慶子副院長に、診療への思いや今後の展望を聞いた。
(取材日2025年12月1日)
皮膚科と内科の連携で体の内外両面から健康をめざす
まず、こちらで開業されるまでの経緯を教えてください。

【圭三院長】私は1990年に久留米大学を卒業後、同大学の形成外科に4年間在籍し、その後、同大学皮膚科に入局しました。皮膚の外科学としての「形成」と「内科的な見方」の両方を習得したいと思ったんです。済生会福岡総合病院皮膚科医長を経て2002年に当地で開業し、同年に医学博士も取得しました。
【慶子副院長】私は、久留米大学を卒業後、福岡大学の心臓血管内科に入局し、心エコーを専門に大学病院や市中病院で経験を積んできました。夫である圭三院長がクリニックを開業した後、子育てが落ち着いた段階で私も加わり、夫婦で協力してクリニックを運営する体制になりました。
クリニックの特徴を教えていただけますか?
【圭三院長】JR筑肥線・周船寺駅の目の前という便利な立地で、1階は保険診療、2階は自由診療のスペースになっています。西区・糸島地区では皮膚科の手術に対応している医療機関が少ないので、院内で手術が完結できることが大きな強みだと考えています。設備面では、エックス線撮影装置、心電図、心臓超音波検査器、ABI検査装置などを設置し、循環器疾患の早期発見にも対応。加えて美容皮膚科として、肝斑用のレーザー、ピコレーザー、IPL、RF(高周波)といった機器を備えていますので、地域の健康となりたい姿に寄り添うクリニックであれたら思っています。また、当院は福岡県の外国人患者を受け入れる医療機関として認証されており、英語の問診票も用意して九州大学の留学生の方も安心して受診できる環境を整えています。
内科と皮膚科・形成外科が併設されている利点はどんなところにありますか?

【圭三院長】よくある例として、形成外科での手術前に血圧が高い人を見つけることがあるのですが、そうしたご本人が気づいていない段階で、血圧の治療やメタボリックシンドロームの治療をご提案できるというのは大きいですね。逆に内科では、糖尿病の方の足の水虫を見つけてフットケアとして皮膚科で治療するなど、両科双方向の連携が可能です。当院としては、皮膚は体の鏡であるという考え方のもと、体全体の栄養バランスなどに目を向けて、さまざまなサポートを行うことができればと考えております。
院内で、粉瘤や巻き爪などの皮膚科手術も完結できる
皮膚科・形成外科では特にどのような治療に力を入れていますか?

【圭三院長】やはり手術ですね。粉瘤や巻き爪の処置など、これまでかなりの数の手術を行ってきました。悪性腫瘍の除去にも可能な範囲で対応していますが、決して無理な処置はせず、当院で対応が難しいものは大学病院につないでいます。近くの学校からのご紹介を受けて外傷の対応をすることも多いですね。アトピー性皮膚炎の生物学的製剤にも対応しています。また、保険診療での対応が難しい場合は、自由診療による美容医療をご提案することも。保険診療の延長線上として、患者さんが望まれたときに美容医療も選択肢として提案できる環境を整えています。自費診療にて対応しているのは、しみ、しわのケア。しみにはピコレーザーやIPL機器。しわにはボツリヌス製剤、ヒアルロン酸、RF(高周波)器械を使用しています。
どんな患者さんが多くいらっしゃるのでしょうか?
【圭三院長】年齢層としては大学生や60~80代のご高齢の方が多い印象です。九州大学が近いこともあって、ニキビの治療で来られる学生さんも多くいらっしゃいますね。外国人留学生も毎日お越しになります。スタッフも含め、英語対応にもだいぶ慣れてきました。
【慶子副院長】内科では生活習慣病の方がメインです。圧倒的に高血圧症の方が多く、糖尿病や脂質異常症の方も多数いらっしゃいます。若い年代では、風邪をはじめとする感染症の方もいますし、あとは予防接種を希望される方も。最近ですと、睡眠時無呼吸症候群の方も増えている印象です。いびきをよくかく方や、不整脈だと診断された方で、検査をしてみると睡眠時無呼吸症候群とわかる方も少なくありません。
診療の際に心がけていることを教えてください。

【圭三院長】まず、その人がどんな環境で生活しているかを伺うようにしています。働いている環境や、1人暮らしなのかご家族と一緒かなど詳しく聞いて、その人の立場に立った治療を心がけています。やはり費用に見合った、その方にとって当院でできる中で一番ふさわしい治療を提案しなければ、というところですね。予防できるものは予防して、通院自体を減らせるようなアドバイスも常に考えています。また、外国人の患者さんが来られたときは、安心して受診していただけるように、出身国がコーヒーの産地だとわかると、「コーヒーはお好きですか?」というような雑談から始めることもありますね。余談ですが、私はコーヒーにはこだわりがあるんですよ。
多世代を支えるべく、訪問診療で褥瘡の管理にも対応
訪問診療も行っていると伺いました。

【圭三院長】皮膚科では褥瘡の患者さんの管理のために、老人施設やお宅を訪問し、経過を見ています。ご高齢の皆さんは慢性的に皮膚がデリケートで、皮膚掻痒症や冬になるとかゆみが出る皮脂欠乏症のある方が多いですね。まれなケースではありますが、水疱症、天疱瘡の方もおられます。褥瘡の方には、訪問先で局所麻酔をかけ、切開するような処置も行っています。
【慶子副院長】内科では、今現在、在宅ケアを提供している患者さんはいらっしゃいませんが、必要があれば対応できる体制は整えています。高齢で通院が難しくなった方や、寝たきりになってしまった方を、きちんと診ていくことも地域医療の大切な役割だと思っています。
先ほどお話に出ましたが、ほのかにコーヒーの香りが漂っていますね。すてきなお花も印象的でした。
【圭三院長】実は私、趣味としてコーヒーにこだわっているんです。いろんな国から豆を取り寄せては、新鮮ないりたてのコーヒーをスタッフにも振る舞っています。みんな喜んでくれているようで何よりですね。当院で自由診療を受けられた患者さんにも、サービスという形でお飲みいただいています。マラソンも趣味にしていまして、福岡県で行われるマラソン大会には、2014年から毎年出場を続けています。
【慶子副院長】私はアーティフィシャルフラワーやプリザーブドフラワーが趣味で、2階に飾らせてもらっているんですよ。当院にはステンドグラスもあるのですが、私の友人が工房を持っていて、作品を使わせてもらっているんです。
最後に、地域の方々へのメッセージをお願いします。

【圭三院長】患者さんと良い関係を築きながら診療していきたいと考えています。当院にはご高齢の皆さんからそのお孫さんまで、3代続いて通院してくださっている方もいらっしゃいます。これからも、内科、皮膚科、形成外科でトータルに健康をサポートしていきます。患者さん一人ひとりに寄り添い、誠実に向き合うことを大切にして、地域の健康を守っていきたいです。どんなことでも遠慮なくご相談ください。
【慶子副院長】今後も圭三院長と二人三脚で皆さんの健康を守っていきたいと思います。当院はどなたにも通いやすいクリニックですので、体のことで不安や心配なことがあれば、抱え込まずにご相談を。長い間この地で医療を提供してきたかかりつけのクリニックだからこそ、地域の皆さんのバックグラウンドも分かっています。お話をきちんと聞くところから始め、適切な治療を提案していきますので、どうぞお気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはボツリヌス毒素製剤を用いたしわのケア/2万2000円~
肝斑に対するレーザーでのケア/1万1000円~
ピコレーザーでのしみのケア/4400円~
IPL機器によるしみのケア/1万4300円~
ボツリヌス製剤でのしわのケア/2万2000円~
ヒアルロン酸でのしわのケア/1万1000円~
RF(高周波)器械でのしわのケア/1万1550円~

