丹羽 信之介 院長の独自取材記事
わだ内科外科クリニック
(瑞浪市/瑞浪駅)
最終更新日:2023/06/29
瑞浪市山田町、県道386号線沿いに「わだ内科外科クリニック」は立つ。開業して20年以上、生活習慣病などの内科から整形外科など外科領域にわたり診療を行ってきたクリニックだ。丹羽信之介院長は病院勤務で経験を積んだ後、父親の後を継ぐかたちで2021年に着任。内視鏡検査機器を先進のものに替え、乳がんの発見にも役立つ超音波検査機器を導入するなど設備をより充実させてきた。慢性疾患もこまめに経過観察し、「どんな病気も早期発見、早期治療が最も大事」と適切な医療を提供することを信条とする丹羽院長。「患者さんが困っていることすべてにお応えするよう努めています」と診療科に関わらずさまざまな症例を受け入れている。院内は広く明るく、てきぱきと働くスタッフたちはいつも笑顔。患者にとって居心地の良い空間となっている。
(取材日2023年1月11日)
高血圧等生活習慣病や整形外科、乳腺まで幅広く診療
このクリニックはお父さまが開業されたそうですね。
はい、2022年に20周年を迎えたところです。父は瑞浪市の東濃厚生病院の外科部長をしており、この地にご縁がありました。実家は愛知県なのですが、私も土岐市立総合病院に長く勤務していましたので、この地域はなじみがあります。2021年に後を継いで院長に就任し、現在は父と2人体制で診療しています。私は都会の病院での勤務経験もありますが、この辺りの方は話しやすく穏やかな方が多い印象ですね。自然環境も豊かで良いところだと思います。
先生のこれまでのご経験について教えてください。
私は大学卒業後、総合病院に勤務し、内科、外科の領域にわたり経験を積んできました。主に胃がんや大腸がんの手術に多く携わり、内科の先生に内視鏡検査の手技を徹底的に学びました。現在も週1回愛知県の病院にて内視鏡検査や手術を行っています。病院勤務時代に、自分が手術した患者さんについては術前から術後まですべての分野においてしっかり対応するということをたたき込まれましたので、患者さんががん以外にも糖尿病や高血圧など持病を持っておられる場合は、術前からそのコントロールを入念に行っていました。病院勤務で内科・外科の分野にまたがり幅広く診療してきた経験を、当院での診療にしっかり生かしていきたいと思っています。
患者さんはどのような方が来られていますか?
新型コロナウイルス感染症の検査をきっかけに初診の方が増えていますが、開業当初から20年以上通ってくださる方も多く、高血圧や高脂血症、糖尿病など生活習慣病の方が目立つでしょうか。けがなど外傷で来られる方もいらっしゃいます。内視鏡検査は上部に対して行っており、経鼻でも経口でも患者さんに選んでいただいています。検査時には体への負担を少なくするため、内視鏡の管を進める経路や空気の入れ方などにも配慮しており、ご希望に応じて鎮静剤を使用しますのでそれほど苦痛を感じずに受けていただけるのではないでしょうか。また整形外科疾患にも対応していますので、肩、膝、腰の痛みに悩んでいる方も来られています。当院ではヒアルロン酸やステロイド剤といった関節内注射や、腰痛に対しては局所麻酔薬を用いたトリガーポイント注射を行うことができます。
慢性疾患もどんな病気も早期発見、早期治療が大事
2021年に先生が院長になられて変わったことはありますか?
検査機器を一部新しくしています。内視鏡検査機器は先進のもので管は細く画像はより鮮明になりました。超音波検査機器も新しいものを取り入れており、甲状腺から乳腺、腹部までしっかり検査ができます。特に乳腺に関して私は読影の経験も豊富であり、疑わしい場合は細胞診も可能です。術後は当院にてホルモン療法など継続治療を行っていただくことができます。乳がんは40歳以下の場合はマンモグラフィよりも超音波画像のほうが発見しやすく、痛みも少ないので患者さんには受けていただきやすいと思います。現在、検診希望の方は増えている状況ですね。
クリニックの特色を教えてください。
特に専門的な治療を必要とする場合は専門の医療機関にご紹介しますが、そうでない限り、当院ですべての科にわたり診療し、治療を完結できるように努めています。医療機関が豊富な地域ではないので、遠くの病院に行かずとも困ったらすぐに身近なところで早めに治療を受けていただきたいと考えているのです。病気は刻々と進行するので、一人で悩んでいるよりも受診していただき、早期発見、早期治療できればと思っています。また、高血圧も高コレステロールも悪い状態を放置しないことが大原則。慢性疾患は定期的にこまめに検査して、悪化してしまう前に薬を調整するなど対応すれば長期的に予後が良くなることが期待できます。がんに限らず慢性疾患もどんな病気も早期発見、早期治療が肝心だと思います。
普段、心がけておられることはどんなことですか?
適切な医療を提供することを第一に、患者さんの病態だけでなく生活背景にも心を配り、食事指導やアドバイスも一律にするのではなく、患者さんのライフスタイルや性格に合わせてするように心がけています。定期的な検査の結果も都度、丁寧に説明し、治療に前向きに取り組んでいただけるようにしています。ただ、当院には多いときで1日数百人ほどの方が来られます。極力お待たせしないということも大事にしており、そうするとどうしてもお一人に長く時間をかけることが難しくなってしまいます。丁寧な診療も、ある程度スピーディーに円滑に診療することも両方大事であり、正直、悩むこともありますね。その分、スタッフに助けられることはとても多いです。
スタッフや薬剤師とともに適切な医療の提供を
スタッフの方々についても教えてください。
現在、看護師3人、事務職5人が在籍しています。みんな非常に明るく、患者さんには親しみやすく感じていただいているのではないでしょうか。私が院長になってから新しい人も増えたのですが、父の代からのスタッフの指導も良く、私から言うことは何もありません。いつも何が必要か、どうすべきか自発的に考えて動いてくれており、患者さんへの声かけも優しいですね。また私は薬局との連携もとても大事にしています。薬剤師さんは当院を全面的にバックアップしてくれている大切な存在。常に連絡を取っていて、薬の相談、調整をしっかりサポートしてくれています。薬も医療の一部であり正しく服用していただきたいので、薬局でよりわかりやすく説明してくれることは私にとっても患者さんにとっても安心です。医療は医師だけで行うものではなく、スタッフや薬剤師さんの働きがあってこそだと思っています。
先生がやりがいを感じるときはどんなときですか?
やはり治療の成果が出て病気が快方に向かったり、がんを適切に診断し手術がスムーズにいったりして、患者さんに喜んでいただけると、素直にうれしく、やりがいを感じます。院長になってからは、私が病院に勤務していた時に手術した患者さんが、当院に経過観察や持病の診察などで通ってくださっており、そうしたご縁もありがたく思っています。
今後の展望についてお考えをお聞かせください。
地域において適切な医療を提供することが当院の努めです。今後も父の時代と変わらないスタンスで、地域の皆さんの困っていることに対し、できるだけすべてのことにお応えしていきたいと思っています。病院勤務時代の「自分で手術した患者さんは全科の病気をひっくるめて責任を持って診ていく」という姿勢が今も私のベースとなっているのです。また現在、愛知県の病院で週1回検査や手術を行っており、先進の知識や技術にも触れることができますので、それらを地域の患者さんに還元していきたいですね。さらに乳がんに関しては引き続き検査を充実させていきたいと考えています。大きな病院での予約が難しいときには検査を先延ばしにせず、ぜひ当院に電話していただければと思います。