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吉本 裕子 院長の独自取材記事

吉本レディースクリニック

(富山市/婦中鵜坂駅)

最終更新日:2022/02/09

吉本裕子院長 吉本レディースクリニック main

深夜・早朝を問わない激務と患者の生命に係る場面の多さから敬遠され、減少傾向が続く産婦人科の医師。命2つと向き合うこの尊い仕事を、高校時代から志し、夢をかなえたのが「吉本レディースクリニック」院長の吉本裕子先生だ。吉本院長が産婦人科医をめざしたのは、自らの通院経験からだという。怖かった、行きたくなかったという気持ちを、自分だったらこうするのにとポジティブに捉え直し、医学部へ進学。隣接分野まで視野を広げて経験を積んだ後、クリニックを開院。2022年には18年目を迎える。「女性が働きやすい職場にしたら、女性ばかりのスタッフになっちゃって」と笑う吉本院長。すべての女性の幸せを願い、母となる女性のサポートを通じて家族みんなの幸せを願う、温かい人柄と真っすぐな思いがひしひしと伝わってきた。

(取材日2021年12月23日)

家族で思い出を語れる産婦人科医院にしたかった

クリニックの特徴をご紹介ください。

吉本裕子院長 吉本レディースクリニック1

私以外に常勤の女性医師がもう一人、非常勤の医師も女性で、今のところスタッフのほとんどが女性という点は珍しいかなと思います。それから、お母さんの診察中には、保育士がお子さんをお預かりできるということですね。キッズスペースのある病院は多いと思いますが、お母さんが呼ばれたら診察室に連れて行かないといけませんよね。子どもとしては遊んでいたのに呼ばれたら不機嫌になりますし、お母さんも診察台の上で集中できなくなってしまいますから、お母さんとおなかの赤ちゃんを優先できるように、保育室を設置しました。それから、入院中の食事がおいしいと言っていただけることでしょうか。設備面では、陣痛が来たら同じ部屋で出産、リカバリーまでできること、お部屋の色や音楽が変わって呼吸やいきみのサポートをするシステムを設置しています。

開院のいきさつを教えてください。

2005年4月に開院したので、まもなく18年目です。それまで富山市民病院に勤めていて、このクリニックの前を通って通勤していました。長らく空き地だったので「ここに産婦人科を建てたらどうだろう」と思っていました。開院を検討して土地を探しているとき、偶然ここも提案されたので、縁があったのかもしれません。経営に詳しい方には「こんなに人通りが多いところで産婦人科なんて駄目ですよ」「道路1本入った所のほうが目立たなくていいんじゃないですか」と言われたのですが。でも、私は出産の思い出の場所が大通り沿いにあるのは、悪くないよねって思ったんです。家族で通りかかって「あなたはここで生まれたんだよ」って話になるの、ちょっと良いじゃないですか。クリニックの建設中に、目の前に交差点ができて車で入りやすくなり、少し先に大きなスーパーマーケットもできて、ファミリー世代には親しみやすい場所になったのも良かったです。

18年目とは思えないくらい、きれいな建物ですね。

吉本裕子院長 吉本レディースクリニック2

開院当初はおしゃれな建物と呼ばれていたようですが、さすがに17年にもなっていますので……。一度増築して、多目的ホールを広く取り、美容皮膚科開設のためのスペースを作りました。母親教室などの勉強会や、ヨガ、マタニティービクス、音楽会を開催したりして、リフレッシュしていただいています。お母さん同士が友達になったり、コミュニティーができたりしているので、孤独になりがちなお母さんたちの心の支えになっていたらいいなと思っています。入院中にゆったりと食事が取れるダイニングも作りました。出産後1年以内のご夫婦を、1回ずつですがランチへとご招待もしています。赤ちゃんを連れていても安心して利用できて、産まれた場所で思い出を語り合いながら、おいしい食事を楽しんでいただきたいと思っています。

産婦人科の開院は高校時代からの夢

クリニックのコンセプトを教えてください。

吉本裕子院長 吉本レディースクリニック3

女性専用外来が富山市民病院にできたとき、その立ち上げに関わった経験から、いずれは自分のクリニックを開院したいと考えていました。女性専用外来には、一般の専門診療科ではどこを受診したらよいかためらうような、多種多様な症状の女性が来院されていました。ですので、悩みのある方がもっと敷居が低くて気軽に相談に行ける場所を作りたかったのです。妊娠、出産の悩みや婦人科の疾患、がんの検査や更年期障害など、生涯を通じてお付き合いしたいと思ったんですね。今は、患者さんの割合も、産科と婦人科で半々くらいです。お産が終わって子育て中に、何かあれば相談に来てくれる患者さんもたくさんいて、それがうれしいですし、やりがいにもなります。

専門的に取り組まれている分野はありますか。

限られた範囲を極めようとするのではなくて、産科と婦人科に関することは何でも幅広くやってきました。富山市民病院時代から、妊娠と出産、体外受精などの不妊治療、がんの検査や手術、内視鏡など一通り手がけてきて、好き嫌いもありません。富山市民病院は小児外科があったのですが、私がいた当時は、外科手術の必要な多くの赤ちゃんが県内から集まっていました。NICUもあり、小さく生まれる赤ちゃんもいて、時間ができれば現場や患者さんを見せてもらっていました。妊娠や出産に関わることなら幅広く、なんでも貪欲に取り組んできたつもりです。

医師の仕事を志したのはどうしてでしょうか。

吉本裕子院長 吉本レディースクリニック4

私は産婦人科医になりたくて医学部を受験して、医師になりました。高校生の時、産婦人科に通院していた時期があったのですが、行きづらい場所だなと感じていたんです。内診も嫌だったし、男性の先生が怖かったし、看護師さんも厳しいような気がしていたんですね。自分が産婦人科医だったら、もっと通いやすいようにするのにと思ったのがきっかけでした。高校生でしたから、具体的に将来は何になろうかと悩んでいた時期でもあり、自分が産婦人科医になったイメージもドンピシャでした。夢がかなって産婦人科医になり、勤務医時代に取り上げた赤ちゃんには、大人になって当院で出産し、お母さんになった方もいます。この仕事を選んだことを本当に良かったと思っています。

患者の人生のターニングポイントを幸せな場面にしたい

印象に残っているご経験があれば教えてください。

吉本裕子院長 吉本レディースクリニック5

大学や基幹病院で働いていると、特に産婦人科医は外出がままならなくて、昔は病院の隣の本屋にちょっと行くだけでも連絡が取れるようにする規則になっていました。ある時、休日の気分転換にスーパー銭湯に出かけて、防水ビニール袋に携帯電話を入れて持ち込んだら、盗撮していると思われたようでお店の人に怒られてしまいました。今でも自分の家でお風呂に入るとき、必ず携帯電話を持って入ります。最近のスマートフォンやアプリは性能が良いので、データも画像で送ってもらえたり、急な場合でも情報交換がしやすくて助かります。仕事の性質上、行動制限があるのは仕方がないですし慣れていますが、今は代診の先生もいて、近隣の大学病院からは連携で当直の先生も来てくれるので、だいぶ楽になりました。

今後の展望をお聞かせください。

今の時代は多くの女性が仕事を持って、妊娠後も出産ギリギリまで働いていますから、社会を含めた大きな視点と細かな心配りで女性の幸せを考えながら、日々の診療に取り組んでいます。当院で出産される方には、入院生活が充実し良い思い出になるよう、スタッフみんなでお部屋から食事まで工夫しています。出産は女性にとっても、ご家族にとっても人生のターニングポイントの1つで、かけがえのない場面なので、幸せな出産ができるようこれからも力を尽くしていきたいです。そして、一人ひとり異なる希望に寄り添って、産んで良かった、産めて良かった、産まれてきてくれて良かったと、誰よりもお母さんたちが満足できる出産のお手伝いをしていきたいですね。

読者へメッセージをお願いします。

吉本裕子院長 吉本レディースクリニック6

当院はプライマリケアの産婦人科ですので、正常分娩可能な方は当院で出産できますが、合併症のある方は連携先の病院にご紹介しています。婦人科についても、早期に手術が必要ではないけれど経過観察が必要な場合は、当院に通院していただきながら、頃合いを見計らって病院に紹介します。大きな病院って、通院するだけで仕事を休まないといけないとか、遠くまで行かないといけない場合が多いので、患者さんや妊婦さんにとって負担が大きくなりがちですから。患者さんにとって一番良い治療を、患者さんにとって最適なタイミングで受けられるようにと考えていますので、些細なことでも気になることがあれば、まずは気軽にご相談ください。

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