不妊治療はいつ始める?
早めの受診が将来設計の鍵
IDAクリニック
(京都市山科区/山科駅)
最終更新日:2025/07/16


- 保険診療
近年、不妊治療に取り組むカップルは増えているといわれ、注目度も高くなっている。しかし、いつ始めるのが良いのか、どんな治療や検査を行うのかわかっていないままでは、時間のロスにつながることも。だからこそ「妊娠を希望するよりも前に、気軽に婦人科を受診する習慣をつけてほしい」と話すのは、「IDAクリニック」の井田憲蔵院長と竹林明枝先生だ。不妊治療に注力する同院では、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医の井田院長と日本生殖医学会生殖医療専門医の竹林先生が協力し、患者の年齢や希望に合わせたオーダーメイドの不妊治療を行っている。2人の医師に、不妊治療を始めるタイミングや同院の治療の特徴について聞いた。
(取材日2025年6月20日)
目次
不妊治療を難しく考えずに、普段から気軽に相談しておくことが女性のライフプランの一助に
- Q不妊治療を始めるタイミングを教えてください。
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A
▲「ご自身の卵巣に意識を持って生活してほしい」と話す竹林先生
【竹林先生】「妊娠を希望した時」という回答になりますが、すぐに妊娠を望んでいない方でも、仕事を続けながら妊娠・出産の時期について悩むことがあるかもしれません。そんなとき、例えば卵巣機能が低いとわかれば優先すべきことをアドバイスできます。不妊治療と聞くと難しく考えがちですが、パートナーがいない方も20代の方でも、ご自身の卵巣に意識を持って生活してほしいというのが、私たちの願いです。
【井田院長】子宮筋腫や子宮内膜症などがあると、いざ妊娠を希望したときに難渋することがあります。病気があるとわかっていれば不妊治療の取り組み方も変わってくるので、普段から婦人科にかかっておくことが重要だと思います。
- Q不妊治療にはどんな方法があるのですか?
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A
▲市街や山を眺望できる屋外庭園がみえる待合スペース
【井田院長】タイミング法や人工授精、体外受精、顕微授精など一般的に行われている不妊治療に幅広く対応しています。その中で、スケジュールや希望に合わせてオーダーメイドで治療を組み立てていることが当院の特徴です。個々の状況に応じて柔軟に対応し、どんな検査や治療があるかをご説明し、どこまで望まれるかを相談しながら進めていきます。通院は少なからずストレスになることがあるため、患者さんの年齢やかけられる時間に加え、ご本人のやる気も大きなポイント。仕事などで忙しい方も多いですから、無理強いせず一人ひとりに合わせた治療を心がけています。
- Qどんな流れで治療を進めていくのですか?
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A
▲患者に合わせたオーダーメイドの不妊治療を行っている
【井田院長】まずはお話をしっかりと聞いた後、採血や腔の細菌検査、がん検診、エコー検査、子宮鏡検査、栄養状態の確認などをご希望に合わせて行います。子宮の状態の良しあしは受精卵の着床に大きく影響するので、子宮鏡検査はほぼ全例で実施していますが、もう少し様子を見てからという方もいらっしゃいます。そのほか、パートナーの精液検査など、カップルごとの状況や検査結果に応じて段階的に治療を進めていきます。
- Qこちらの治療の特徴や強みを教えてください。
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A
▲「普段から気軽に相談してほしい」と話す院長
【竹林先生】妊娠と遺伝は切っても切り離せない関係にあります。院長は遺伝学のエキスパートであり、私はこれまで生殖医療、不妊治療を中心に、診療・研究を行ってきました。私たちがタッグを組んで多角的な視点からアプローチできることは、大きな強みになると思います。
【井田院長】竹林先生が新たに加わってくれたことは本当に心強いですね。また当院では、卵子や精子の質の向上のご相談などにも対応しており、必要に応じて東洋医学も取り入れながらさらに診療の幅を広げていければと考えています。不妊を専門とする鍼灸院と連携しているのも当院の特徴です。