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篠原 孝之 院長の独自取材記事

弁財天耳鼻咽喉科クリニック

(西条市/伊予西条駅)

最終更新日:2021/10/12

篠原孝之院長 弁財天耳鼻咽喉科クリニック main

西条市大町で15年にわたり、小さな子どもから高齢者まで地元住民の耳、鼻、喉の悩みやトラブルに応えてきた「弁財天耳鼻咽喉科クリニック」。長年、松山赤十字病院で外科手術の執刀を含め重篤な病気も治療してきた篠原孝之院長は、日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医の資格を持つ経験豊富なドクターだ。クリニックでは先進の検査機器を備え、手術以外の専門的な治療も行っている。「何か気になる」「違和感がある」といった患者の漠然とした悩みにも真摯に向き合い、原因解明や重大な病気の発見につなげている篠原院長に、診療のこだわりや注力する治療について話を聞いた。

(取材日2020年8月27日)

小さな子どもから高齢者まで幅広い症状に対応

先生は地元のご出身なのですね。

篠原孝之院長 弁財天耳鼻咽喉科クリニック1

西条市丹原町で生まれ育ちました。松山赤十字病院での勤務が長かったのですが、開業するなら地元の西条で、と考えていました。2005年の開業当時、西条には耳鼻科の診療所が不足しており、こちらで開業することを決めました。クリニックの建物は、勤務医時代にスウェーデンに留学していたことから、北欧をイメージして造ってもらいました。北欧建築というわけではありませんが、れんがを使い温かい色合いにしたことでメルヘンチックに見えるのだと思います。外観もそうですが、明るい雰囲気で思いやりと優しさを持って患者さんをお迎えするクリニックでありたいと考えています。

患者さんはどのような方が多いですか?

やはりお子さん、あとは高齢の方が多いです。冬場ですと内科や小児科とかぶる症状を訴える方がほとんどです。お子さんは中耳炎や副鼻腔炎が多いですね。お子さんの診療では、まず付き添いのお母さんとしっかりコミュニケーションをとることを心がけています。小さいお子さんは自分で症状を訴えることが難しいため、お母さんからきちんと伺うようにしています。診察の際にお子さんが泣いてしまうこともありますが、お母さんとコミュニケーションをとっていれば、それほど悪い雰囲気にはならないと思っています。

高齢の方はどのような症状でいらっしゃいますか?

篠原孝之院長 弁財天耳鼻咽喉科クリニック2

一般的には難聴ですね。患者さんの生活の質を上げるために、補聴器をうまく合わせてあげたいと思っています。あとは耳鳴りの患者さんも多く診ています。治療としては、一般的には飲み薬を飲むことが多いのですが、当院では耳鳴り順応訓練も行っています。これは、補聴器のような装置を耳に装着して行うもので、当院では、大学病院などでも使用している装置を用意しています。

睡眠時無呼吸症候群、アレルギーなどで専門的な治療も

そのほかに、力を入れている診療はありますか?

篠原孝之院長 弁財天耳鼻咽喉科クリニック3

当院ではダニアレルギー性鼻炎、スギ花粉症の方の治療として、舌下免疫療法を導入しています。舌下免疫療法は、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、症状の軽減を図っていく治療法です。スギ花粉症は花粉の時期を外した6月から11月の間に治療を始めています。舌の下にお薬を投与するだけなので、自宅で続けることができます。あとは、睡眠時無呼吸症候群の治療も積極的に行っています。松山赤十字病院にいた頃から行っており、現在も多くの患者さんを診ています。「いびきがひどい」「寝ている時に息が止まっている」と、ご家族に言われて来院する方がほとんどで、最近は電車やバスの運転手、夜勤のある方など、職場で簡易な検査をしてから来院される方も増えてきました。

睡眠時無呼吸症候群の治療について、詳しく教えていただけますか?

睡眠時無呼吸症候群はしっかり眠れないために昼間に眠くて困るといった日常生活への影響のほか、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を引き起こす危険性のある病気で、肥満が原因となっているケースが多いことも特徴です。当院では、睡眠時無呼吸症候群を診断するために、ご自宅で簡単にできる検査機器の貸し出しも行っています。寝る時に指先と鼻の下にセンサーをつけるだけ。翌日に機器を持ってきていただければ、その日に結果をお伝えします。治療が必要な場合は、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)治療器を貸し出しています。これは寝る時に鼻に装着したマスクから空気を送り込む治療法で、睡眠の質を上げることを目的に行い、月1回程度の通院で保険適用となります。根本的な治療ではありませんが、CPAPを用いて常に鼻呼吸を助けた状態で睡眠をとれるようにすることが重要だと考えています。

クリニックのモットーを教えてください。

篠原孝之院長 弁財天耳鼻咽喉科クリニック4

患者さんの細かい訴え、些細に見える悩みに焦点をあてていかなければいけないと考えています。すごく強い症状というのではなく、例えば「ちょっとおかしい」「何となく詰まる感じがする」というような悩みですね。そういう訴えをちゃんと聞いて、診てあげたいなと思っています。医師としてやりがいを感じるのも、患者さんの悩みに対し、原因をきちんと言ってあげられる時です。悩んでいた症状の理由がわかることで気が楽になることがありますから、こちらとしてもうれしいです。特に隠れた病気や判断が難しい病気を見つけることができた時のことは、非常に印象に残っています。病院時代、治療が難しい病気を初期の段階で見つけられた時は本当に良かったと思いますね。やはり早い段階から治療すれば、後遺症なく完治への期待もできますので。

女性に多いめまいも、原因がわからず悩まれる症状の一つでは?

めまいは原因がはっきりしているケースが多いので、それを見つけて説明するようにしています。めまいの原因は自律神経の乱れ、疲れ、ストレスが多いんです。一部、内耳を満たす内リンパ液が過剰にたまる内リンパ水腫が原因で起こるメニエール病や三半規管の問題など耳から起こるめまいがあります。もっと頻度は少ないですが、脳の問題で起きるケースもあります。ですから、そういった鑑別をきちんとしてあげることが大切だと考えています。なかなかすぐに治すことは難しいのですが、めまいが起こった時に準備できるよう、きちんと説明できればと思っています。

重大な病気を見逃さないよう、患者の違和感を重視

先生が耳鼻科の医師をめざされたきっかけを教えてください。

篠原孝之院長 弁財天耳鼻咽喉科クリニック5

具体的な理由があって医師をめざしたわけではないんですが、何か人のためになりたいという思いがあって医学部に進みました。数ある診療科の中で耳鼻科を選んだのは、友人から強く誘われたこともありましたが、外科の手術もできること、入ってから広範囲にわたって好きな分野を見つけられることが魅力でした。病院時代も多くの手術を手がけましたし、スウェーデンでは2年間、人工内耳の研究と実験に従事しました。開業してからはやはり、自分で手術をするなど最後まで診られないもどかしさはありますね。

今後の展望を教えてください。

人口減少が続いている地域ですし、お子さんの人口も減っていく中で、患者さんの中心は高齢の方にシフトしていくと思います。それに合わせ、当院でも高齢者特有の病気をしっかりと診ていかなければいけないと考えています。先ほどお話しした難聴や耳鳴りのほか、嚥下障害についてもきちんと診療していかなければいけません。嚥下の検査は耳鼻科で行っていますので、誤嚥性肺炎などを防ぐ入り口としても機能していきたいです。嚥下障害の患者さんは施設にいる方が多いこともあり、将来的には訪問診療にも取り組んでいきたいと考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

篠原孝之院長 弁財天耳鼻咽喉科クリニック6

咽頭がん、喉頭がんという大きな病気につながるのは、喉の違和感、声枯れです。喉がイガイガする、常に詰まった感じがするといった症状が2週間以上続く場合は、一度診察に来ていただければと思います。中高年で喫煙している方は特に気をつけてください。ストレスが原因のことも多いのですが、万が一ということもあるので、医師に診てもらうことで安心感につながると思います。通常の健康診断では喉を診る検査項目がありませんし、胃カメラの検査も喉は素通りです。喉、口は自覚的な症状が大切になりますから、何か気になる症状がありましたら些細なことでも気にせずお越しください。

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