山内 陽平 院長の独自取材記事
野瀬はなぞのクリニック
(千葉市花見川区/新検見川駅)
最終更新日:2025/05/27

JR中央・総武線の新検見川駅から徒歩5分の距離にある「野瀬はなぞのクリニック」。2005年に開院した同院は、一般内科、消化器科、呼吸器科・アレルギー科の診療に対応し、中でも内視鏡検査や腹部エコー検査などに専門性と強みを持つ。2025年4月には、山内陽平院長が野瀬晴彦前院長から事業を継承するとともに、呼吸器科・アレルギー科を専門とする医師を招き、より幅広い疾患に対応できるよう体制を整えた。千葉大学附属病院やさいたま赤十字病院で経験を積んだ山内院長。自身の知見と技術、これまでの経験を生かし、地域医療に貢献していきたいという山内院長に、新しいスタートを切った同クリニックの展望について詳しく聞いた。
(取材日2025年4月24日)
2025年4月にクリニックを継承
2025年4月よりクリニックを継承されました。どのような経緯があったのでしょうか?

私は血縁者に開業医がおらず、勤務医として仕事を続けていくのだろうと考えていました。ただここ数年、友人から開業に関する話をいくつかいただき、いつしか選択肢として考えるようになりました。最終的に野瀬前院長とご縁がつながり、当院を継承することになりました。現在の患者層としては、生活習慣病などを抱えたご高齢の患者さんが多いですが、今後はがん予防に関心が高い方や働き世代の方々、内視鏡検査はハードルが高いと感じている近隣住民の方々にも来院していただきたいです。前院長も消化器内科が専門であり、消化器系の内視鏡検査や腹部エコー検査を当院で提供されていました。継承後、大腸カメラの提供を始めたので、今後は大腸カメラでの来院も増やしていきたいです。
開業医として新たなスタートを切られましたが、心境に変化はありましたか?
勤務医として病院で働いていた頃は、専門的な疾患を抱えた患者さんを、数ヵ月に1回程度診るケースが多かったです。一方、開業後は非常に近い距離で、頻繁に患者さんたちの診療にあたります。日々いろいろな患者さんのお話を聞きながら手助けすることは性に合っていますし、大きなやりがいを得ています。
山内先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

私は小さい頃から医師を志していたわけではありません。大学受験を控えて将来を考えるようになった際にも、具体的にどのような職に就くかは漠然としていました。その中で相手にシンプルかつ直接的にメリットを還元できる仕事に魅力を感じ医師をめざすことにしました。なお、当初は整形外科医になろうと考えていました。結果が見えやすい分野という印象があったからです。ですが、初期研修先の病院で消化器内科の実情にふれ、その診療内容や患者さんの悩み、疾患の幅広さを知りました。手先を使うことが好きだったこともあり、内視鏡や血管のカテーテル治療が自分の性に合うことにも気づいたのです。その後は自然と消化器内科の道に進むことになりました。
過不足ない適切な検査・治療を提供
クリニックの診療方針や特徴について教えてください。

採血や内視鏡検査は、患者さんにとって費用的・身体的に負担が大きいです。しかも、検査を受けたからといって、必ずしも病気が見つかるわけではありません。検査を受けるか否か迷われる方も多いことでしょう。私たちは悩んだ結果として検査を決心された患者さんに対して、過不足のない適切な検査・治療を提供していきます。そして、将来的に大きな病気になる可能性や身体の変化を早期発見できるよう努めていきたいです。 なお、当院では、内科・消化器科に加え、呼吸器科・アレルギー科の診療にも対応しています。これまで、喘息と診断されたものの専門的な治療を受けられていない患者さんが多く来院されていたので、呼吸器科・アレルギー科を専門とする医師を招聘し、診療を提供できる体制を整えることにしました。
ご専門である消化器内科については幅広く対応いただけるのでしょうか?
はい。消化器的な検査に関しては、胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査、腹部エコー検査に対応しています。消化器内科の専門家として、これまで多くの胃、大腸、食道、消化管などの検査経験を積ませていただき、胃がん、大腸がん、食道がんなどの検査にも長らく従事してきました。大腸検査に関しては、小さいポリープを日帰りで切除できる体制も整えていく方針です。なお、当院ではカメラが通る喉周りをよく診るようにしています。確率は少ないですが、喉頭がんや咽頭がんが見つかるケースがあるからです。消化器を検査する施設では、意外と喉周りを見過ごしがちなのですが、一度の検査で診ることができる範囲はしっかりとケアしていきたいと考えています。
腹部エコー検査はどのような消化器に対応しているのでしょうか?

肝臓や胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓に対応しています。肝臓に関しては、脂肪肝の有無や肝硬変になっていないかどうか、また、肝臓がんの疑いがあるかを検査します。膵臓は検査しやすい人とそうでない人がいますが、なるべくしっかり検査して膵臓がんの早期発見をめざしています。胆嚢は、胆石やポリープの有無を検査していますね。
消化器系の検査と関連した近年の動向について教えていただけますか?
最近はピロリ菌が減ってきているので、胃がんは減少傾向にあります。ただし、胃がんの可能性はゼロではないので、見落としがないような検査を提供しています。一方、大腸がんは今後増えていくといわれているがんです。ポリープを見つけて治療することが予防につながるので、一度検査を受けた方でも定期的な検査をお勧めしています。
将来の健康不安や日常のすっきりしない感覚に寄り添う
コミュニケーション面ではどのようなことを心がけていますか?

医療関係者同士で話していると、意識せずに専門用語で話すことが習慣になってしまっています。しかし、診療や検査結果の説明の際には、患者さんの表情を伺いながら、しっかり理解し納得いただけているかを、都度確認しています。そしてわかりやすいようにできるだけ言葉をかみ砕いてお話しするように心がけています。
身体的な苦痛が不安で内視鏡検査を避けている方も多いと思います。
近年では、鼻から入れるタイプのカメラを使った経鼻内視鏡の画質がかなり向上していますし、胃の内視鏡査時の痛みにも配慮されています。それでも咽頭反射はありますので、看護師にしっかりと麻酔処置を行うよう伝えています。私はさいたま赤十字病院で、肝臓などを診る科である肝胆膵内科に所属していました。ですが当時は、消化管内科の胃・大腸専門科にも顔を出し、かなり厳しくカメラの挿入方法について指導していただきました。現在も患者さんになるべく苦痛のないように、 短時間かつ負担のない検査を提供できるように心がけています。
クリニックの今後の展望について教えてください。

一般内科は情報が常にアップデートされると感じていますし、診るべき疾患も多岐にわたります。知識の更新を怠たらずに、常に新しい知識や診療を皆さまに提供していきたいです。消化器疾患に関しては、内視鏡検査でより多くの患者さんの疾患やがんの予兆などを見落としなく発見していくことが当院の役割だと考えています。また、適切な医療機関や入院施設に紹介することで、患者さんの健康をフォローしながら地域医療に貢献していきたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
消化器疾患も呼吸器疾患も日常的に症状が現れます。当院では、日常的に症状があり、すっきりしない方のお話をしっかりとヒアリングして、症状緩和や解決のための治療を提供していきたいと考えています。日々すっきりしない感覚に悩んでいる方々に、気軽にご来院いただきたいです。また、内視鏡に関しては、これまでの検査で負担を感じた方や、怖い、痛いという周囲の話を聞いてなかなか思いきって検査を受けられない方も多いはずです。当院では精神的・身体的な不安を可能な限り取り除けるように対応いたしますので、検査をご希望の際は相談をお寄せいただけるとうれしいです。