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清田 俊一 院長の独自取材記事

清田歯科医院

(目黒区/都立大学駅)

最終更新日:2023/12/18

清田俊一院長 清田歯科医院 main

85年以上もの長きにわたり、目黒区八雲の町のかかりつけ医として診療を続けてきた「清田歯科医院」。初代院長の孫である清田俊一先生が院長を務め、一般的な歯の治療はもちろん、歯の衛生指導や、義歯の技工までをすべて一人で担うオールマイティーぶりを発揮している。仕事でも趣味でも、とにかくものづくりが好きだという院長は、職人肌でありながら、とても親しみやすいキャラクターの持ち主。院長との何げない会話を楽しみに同院を訪れる患者も多いとか。「僕はいつもは聞き役なんですよ」と言う院長に、子ども時代の思い出から歯科医師としてのこだわり、プライベートのことまで大いに語ってもらった。

(取材日2017年9月27日/更新日2023年9月20日)

歯科理工学。歯科治療の材料の研究に没頭した学生時代

診察台に座ると、窓からの眺めが素晴らしいですね。

清田俊一院長 清田歯科医院1

そうでしょう。特に桜が満開になる季節は、患者さんも喜んでくださいます。この病院はもともと僕の祖父が開業しましてね。祖父が亡くなり、1995年に僕が引き継ぐかたちで院長になったのですが、開業自体はもう85年以上も前になります。当時はこの辺りの風景も今とまったく違っていたそうで、昭和30年代まではこの桜並木のあった場所には川が流れていたんですよ。

どのような子ども時代でしたか?

大人になったら車のレースに出たいと思っていたくらい車が好きでした。近所に材木屋があったのですが、そこの人が小学生の僕に、敷地内でお店のトラックをこっそり運転させてくれていました。今の時代ではできないことですね(笑)。祖父と同様、僕の両親も歯科医師で、特に父の働く姿は幼い頃からよく見ていました。技工から何からすべて自分でやる人で、毎日忙しく、夜中まで仕事をしていたのを覚えています。自宅と歯科医院が同じでしたから、診療が終わり夕食を済ませると、「じゃあ技工やってくる」と言って仕事場へ戻って行くのが常でした。夜中の2時くらいまで働いて、子ども心にも大変だなと思いましたね。そんな姿を見て育ったからでしょうか、小さい頃から、自分も同じ仕事をするんだろうなと自然に思っていました。車が好きでその道への憧れもありましたが、実際に職業に就くなら歯科医師しか考えられなかったですね。

学生時代に熱中して学んだ分野などありますか?

大学院の4年間に歯科理工学の研究をしました。これは治療に使用する材料の性質を研究する学問です。例えば、熱いコーヒーを飲んだ後に冷たいアイスを食べたりしますよね。すると口の中には何十度というものすごい温度差が生じます。歯はこの温度差に対し、髪の毛の何十分の1ぐらいの量で膨張したり収縮したりするんです。ですから、そこに何かを詰めたりかぶせたりすると、それらも歯と同じように膨張収縮すればいいのですが、一方はぜんぜん膨張せず、歯だけが膨張すると、そこに隙間ができますね。その隙間が虫歯の再発の原因になるんです。一番いいのは歯と同じだけ膨張収縮する材料ですから、治療に用いる金属などがどのくらいの膨張率かを調べ、歯の性質を調べ、治療に適した治療材とは何なのかを研究するのです。新しい材料や技術が次々と開発され、面白い学問でしたね。

研究に没頭する日々を送られたんですね。

清田俊一院長 清田歯科医院2

臨床が出遅れてはならないと、夜は歯科医師のアルバイトもしていました。埼玉と銀座で3つの病院の掛け持ちです。休日診療で人手不足になることもあったので、父の歯科医院を手伝うこともありましたね。

技工も自分の手で。入れ歯の修理にも迅速に対応

どの年齢層の患者さんが多いですか?

清田俊一院長 清田歯科医院3

比較的近所の方が多く、祖父の代からの患者さんもいらっしゃいます。あと、これは僕のキャラクターのせいか、中高年の女性の患者さんがとても多いんですよ。紹介が紹介を呼んで増えまして。当院には歯科衛生士がおらず、僕が最初から最後まで一人で診ているんです。女性の患者さんは割とお話好きですから、「おしゃべりが楽しくて」と言ってくださる患者さんは結構多いです。僕はあくまで聞き役。もちろん治療についての話はしますが。皆さん気持ち良く話して帰られますね。

こちらの歯科医院の特色を教えてください。

今は外注することが多い技工を、僕が自ら手がけていることです。とにかく、ものづくりが好きなんですね。かぶせ物でも義歯でも簡単なものは自分で作りますし、例えば入れ歯が壊れても、当院ではその場ですぐにお直しできます。物が食べられないのはかわいそうですからね。多少時間がかかったとしても、朝持って来ていただければ、昼食には間に合うようにお返しします。外注するとなると、最低でも1週間はかかるでしょう。あと、ここは自宅と一緒になっているので、僕が自宅にいれば診療時間外でもいつでも診ます。夜中に痛くて駆け込んでくる患者さんも時々いらっしゃいますね。

治療をする上で心がけていることはありますか?

清田俊一院長 清田歯科医院4

めざしているのは長持ちして、痛くない治療。ですから、治療の間、寝ている患者さんがいらっしゃると、治療がやりづらい反面、うれしかったりもします。不安や痛みがあると寝られないですからね。あと、自信があるのは、詰め物やかぶせ物をどこよりも取れないよう工夫していること。例えば、まん丸の円を書いて詰め物するよりも、十字かハート型のほうが取れにくいというように、削る形状一つで取れるものも取れなくなる。細かい手仕事の加減で結果が変わってくるんです。そして最後にもう一つ。基本的に医療の仕事をしている以上、衛生面には徹底的にこだわっています。不衛生なのは絶対にだめ。これはもう信念です。

自分の口の中に、もっと興味と関心を

休日はどのようにして過ごしていらっしゃいますか?

清田俊一院長 清田歯科医院5

最近はウォーキングをよくしています。運動不足解消と、ビールを飲んだりおいしい物を食べることが好きなのでダイエットのためですね。また、息子も成人になったので家族で美味しいお酒や食べ物に囲まれながらにぎやかに会話するのが楽しいです。

ご趣味はありますか?

指輪などのアクセサリーとか、ちまちまとものを作るのが結構好きです。これはもう学生の頃からの趣味ですね。仕事もそうですが、手を使って何かを作るのがとにかく好きなもので。指輪でも歯に詰める金属を使ったりして、けっこう簡単に作れるんですよ。ゴルフの回数も増えました。そのおかげか今までスコアがかなり悪かったのですが、最近では少しは上達しました。あとは、息子も成長してしまっていた今では、猫と遊ぶことが最近の楽しみです。

最後に、健康な歯を保つためのアドバイスをお願いします。

清田俊一院長 清田歯科医院6

まず自分のお口の中に興味を持ち、よく観察してください。そこで何か変化に気づいたら、歯科医院でチェックすることをお勧めします。例えば「今まで物が挟まらなかったのに、よく挟まるようになった」とか、「歯磨きの時に血が出たり、しみるようになった」とか、「舌触りが今までと違う」とか、「色が変わってきたな」とか。些細な変化でいいんです。それが早期の虫歯の発見につながることが多いんですよ。まず本人の自覚がないとこちらもアプローチできません。それに実は「少し黒くなっているな」と気づいてからでは、もう遅いんです。僕たちはプロですから、もっと早い段階で見つけられます。虫歯が小さいうちに治すのか、大きくなってから治すのかでは費用も違いますし、歯科医院へ足を運ぶ回数も変わります。歯の健康のためには、自分のお口に興味と関心を日頃から持ち、定期的に歯科医院へ通う習慣をつける、これが一番効果的ではないでしょうか。

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