姫野 良祐 院長、姫野 翔子 副院長の独自取材記事
ひめの矯正歯科
(福岡市中央区/西鉄福岡(天神)駅)
最終更新日:2025/02/14

西鉄福岡(天神)駅から徒歩約10分。「ひめの矯正歯科」は、九州最大の繁華街である天神に位置するクリニックだ。院長の姫野良祐先生、妻で副院長の姫野翔子先生は、歯列矯正のスペシャリストとして勉強と臨床を重ねてきた。診療の特徴は、小児の咬合誘導を取り入れていること。子どもを対象に、呼吸の仕方や舌の筋肉の使い方などをトレーニングして口腔機能の改善を図り、整った歯並びにつなげていく方法だ。大人の矯正に関しても、なるべく歯を抜かない矯正法を提案するなど、患者の未来を見据えた診療方針を一緒に考える。「矯正治療は患者さんの協力が必要だからこそ、しっかりコミュニケーションを取って治療を進める必要があります」と語る2人。クリニックの強みや患者への対応で配慮している点などを中心に、詳しく聞いた。
(取材日2024年12月11日)
「矯正一筋」で患者の未来を変えるサポートに注力
先生方のご経歴をお伺いします。

【良祐院長】福岡歯科大学1期生として卒業し、そのまま医局に11年いました。大学時代から矯正治療に興味があり、実際に治療をしていく中で患者さんの人生を変えるお手伝いができることにやりがいを感じていました。その気持ちは今でも変わりません。最初に福岡市で開業したのは1990年で、1999年にこの場所に移転して25年になります。
【翔子副院長】私も同じく福岡歯科大学出身で、8期生です。私自身、学生の頃に矯正治療を経験したこともあり、迷わず矯正の道に進みました。大学卒業後は医局に7年残り、アルバイトも含めて矯正一筋で研鑽を積みました。開業してからは一層患者さんの要望に柔軟に対応できるよう、診療と同時並行で国内外の勉強会に積極的に参加しています。仕事と勉強の両立は大変ではありますが、学ぶことがとても楽しいです。患者さんに良質な知識と医療を提供するために、今後も多くのことを吸収したいですね。
院内が明るく過ごしやすい印象です。こだわっているポイントはありますか?
【翔子副院長】特徴的なところといえば、イラストが描かれた壁紙でしょうか。トレーニングルームでは、専門知識を持ったスタッフが子どもたちに、呼吸や飲み込み方などのトレーニングを行っています。また院内は南フランスのような空間になるようデザインしました。全体に光が入るようにしたりお花を飾ったり、自然による和みと温かみを感じることで、患者さんの緊張が少しでもほぐれるようにこだわりました。
【良祐院長】全体的にカーブにこだわり、仕切りがなくても患者さん同士が見えづらく、プライバシーを守れるような造りにしました。開放感もあり、窮屈にならない空間なのではないかと思っています。
患者層と、それぞれの年齢層に応じた治療方法、配慮している点を教えてください。

【翔子副院長】子どもと大人が半々くらいです。子どもの矯正治療は、骨の成長を考えてできるだけ早い対応をお勧めします。例えば、受け口は上顎の成長を止めてしまうんですね。上顎の成長のピークは5歳、10歳でほぼ成長が止まります。ですから受け口の子は5歳までに治療を始め、上顎骨の正しい成長を促す必要があります。当院にも3歳から来ている子もいますよ。小さい子は負担がかからないように、お母さんと遊ぶ感覚で治療をします。大人に関してはもう骨の成長がないため、別の器具を使って骨を広げます。できるだけ抜歯をしない方法を考えますね。ただし抜かなければならないケースもあるため、きちんと話し合った上で納得してもらって決めています。患者さんが一番解決したいことをヒアリングすることが重要です。
機能性と審美性の両軸で診る。小児の咬合誘導が強み
診療において重視していることは何ですか?

【良祐院長】当院では、患者さんが長期的に心身ともに健康で過ごせることをめざして、機能性と審美性の両軸で診療に取り組んでいます。機能性については、まず健康的な生活の大前提として、しっかり噛めることが大切ですので、噛み合わせを重視しています。加えて、頬杖や就寝時の姿勢といった習癖も歯並びや顎のずれにつながるため、生活習慣のアドバイスも行いますよ。審美性については、「歯だけでなく、フェイスラインも整える」ことに重きを置いています。顎の位置や状態は顔貌の4分の3に影響するといわれることも。歯列矯正によってフェイスラインがすっきりすることが望めたり、非対称の解消が見込めたりしますので、いわゆる出っ歯やガミースマイルで悩まれている方にもご相談いただきたいと思います。
小児の咬合誘導に力を入れているそうですね。
【翔子副院長】1年半かけて呼吸の仕方や舌の筋肉の使い方などのトレーニングを行うことで、将来的な不正咬合の予防をめざします。定型のやり方だと鼻の悪い子が使えないため、独自の方法で鼻の悪い子でも無理なくトレーニングできるようにしています。先ほど院長が話したとおり、顔貌の4分の3が顎の成長で左右されるといわれており、子どもの頃の口腔育成や矯正が将来の顔貌に影響を与えるといっても過言ではありません。上顎の成長のピークは5歳とされているので、気になる方は5歳になる前に一度受診するのがお勧めです。4歳以下のお子さんの歯並びや顎の成長が気になる場合、早期に咬合誘導をすればローリスクで機能面・審美面ともに正常な顎や歯の位置に導くことが望めるものの、対応が遅れると、中には手術のリスクがあるような状態にまでなってしまうケースも。矯正専門の歯科医師に早めに相談し、正しい知識を身につけることが重要だと考えます。
患者さんの不安を軽減するための工夫はありますか?

【良祐院長】当院では、装置を着けて2~3日後に患者さんへお電話することを徹底しています。装置の使用感がある程度わかり、疑問が生まれやすい頃だからです。また緊急の場合には私用携帯につながるようにしていますので、何かあったときにもご安心いただきたいですね。それから、矯正治療は継続して行う必要があるため、転勤される方には転居先の地域の矯正専門クリニックを紹介しています。
【翔子副院長】患者さんのお話をしっかり聞き、ご本人の希望を可能な限り取り入れて、悩みの解決をめざします。初診のカウンセリングは私が担当していて、約1時間かけてじっくり行います。そして、良い治療を提案するためには、常に勉強していなければなりません。正しい知識、情報量にこだわり、患者さんに最良の選択をしていただくために日々勉強しています。矯正は患者さんの協力が必要だからこそ、きちんと話して納得のいく治療を一緒に進めたいですね。
日々勉強を重ね患者により良い医療を提供する
スタッフさんたちの丁寧な対応も印象的ですね。

【翔子副院長】全スタッフが、患者さん一人ひとりのことを考えてくれていますね。患者さんが私たちと接する前に、スタッフがヒアリングしてくれていて、非常に助かりますし、私たちに言いにくいこともスタッフになら言いやすい人もいるのではないでしょうか。クリニック全体で患者さんを丁寧にお迎えする雰囲気が伝わっているとうれしいです。また、私たちが患者さんに説明することをスタッフがしっかり聞いて、内容を把握してくれています。そういった点も含めて勉強熱心なスタッフが多いですね。
今後の展望についてお伺いします。
【良祐院長】私は新しいことを始めるというよりも、歯並びをきれいにするだけにとどまらない治療を、さらに質の高いものにしていきたいですね。当院の矯正にご満足していただける患者さんを1人でも多く増やすべく、引き続き技術を磨いていきたいです。
【翔子副院長】将来的に、漢方を取り入れたいなと思っています。漢方は非常に奥が深く、今後の歯科医療に取り入れることがスタンダードになるのではないでしょうか。あとは今、歯科と脳の関係にも着目し、勉強しているところです。お口の健康は体全体に関わるものですから、これからさらに勉強を進めて知識を深め、全身健康になるようなアプローチをしたいですね。
読者へのメッセージをお願いします。

【良祐院長】口の筋肉をうまく使うことで、きれいな歯並びの維持やフェイスラインを整えることにもつながることが期待できます。ですから、皆さんが持っている筋肉をぜひ活用させてほしいと思います。
【翔子副院長】適切な医療を受けるには、クリニック選びが重要だと思います。特に歯列矯正は高いお金を払いますから、検討している人は複数のクリニックでお話を聞いてみてください。その中で一番合点がいくクリニックを選んでほしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/21万7800円~、成人矯正/87万7800円~、咬合誘導/22万~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。