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後藤 毅 院長の独自取材記事

後藤クリニック

(大阪市住之江区/北加賀屋駅)

最終更新日:2025/11/17

後藤毅院長 後藤クリニック main

住之江公園と住吉公園の中間、交差点の角地に立つ「後藤クリニック」。2004年の開業から21年、地域の泌尿器科医療を支えてきた後藤毅院長は、勤務医時代の豊富な臨床経験を生かし「できるだけ迅速に」を信条に診療を続けている。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医など複数の専門医資格を持つ後藤院長。「尿に関することなら何でも気軽に言ってください」と優しく患者を受け入れる。常に医療情報をアップデートし続ける向上心と、羞恥心に配慮したこまやかな心遣いで患者に寄り添うことを大切にしている先生に、排尿障害による生活の質低下に悩む人々へ向けた診療への思いと、地域医療にかける想いについて話を聞いた。

(取材日2025年10月29日)

その日のうちに不安の解消をめざす診療体制

開業20年以上になるそうですね。開業の経緯を教えてください。

後藤毅院長 後藤クリニック1

私は大阪市立住吉市民病院で勤務していました。日々泌尿器科診療に従事し、泌尿器科手術も数多く経験しておりました。40歳という節目を迎えたとき、これまで診てきた患者さまも多いこの地域で開業を決意しました。当時はちょうど腹腔鏡手術が普及し始めた時代であり、私も当時は自分なりに準備をしていましたが、迷った末に、開業医の道を選びました。当時は緩和ケアという言葉が現在ほど浸透していなかったのですが、最期は自宅で迎えたいと希望される患者さまと多く接してまいりました。その経験から、そういう患者さま方の身近な相談相手になりたいと感じたのです。

「迅速な対応」を心がけているそうですが、具体的にはどのような工夫を?

勤務医時代に泌尿器の診療を多く経験してきた中で、迅速な診断の重要性を痛感しました。例えば無症候性血尿で来院された場合、40歳以上なら男女問わず、その日のうちに内視鏡で中を見ます。実際にそこで膀胱腫瘍が見つかることも少なくありません。膀胱に異常がなければ、近隣の病院と連携してCT検査を当日中に実施します。「今日の昼からいけますか」と聞けば「なんとかします」と対応してくれる体制を整えているんです。その場合、夕方には結果が出ますので、患者さまも一日休むだけで済みますよね。血尿の原因がわからないまま何日も不安を抱えて過ごすのではなく、その日のうちに結果を伝えられる。これが患者さまの安心感につながると考えています。

診療体制や設備について教えてください。

後藤毅院長 後藤クリニック2

院内には内視鏡やウロダイナミクスといった専門性の高い検査機器を完備し、泌尿器科特有の検査にも対応しています。診察室にはエコーと顕微鏡がありますが、これらは日々の診療を支えてくれる相棒ですね。尿検査の結果も迅速に確認できるようにしており、遠心分離から尿沈渣の作成までを院内で行います。処置室には3台のベッドがあり、結石や急性腎盂腎炎で高熱が出ている患者さまが、待合室ではなくベッドで休みながら順番を待てるよう配慮しています。また、当院のスタッフは全員女性なんです。患者さまの羞恥心に配慮した対応を心がけており、診察時のカーテンの扱い方一つにも気を配っています。

「我慢しない」排尿管理でQOL向上へ

排尿障害の診療で大切にしていることは何ですか?

後藤毅院長 後藤クリニック3

「常にトイレを意識した生活は非常にストレスがかかりQOLを下げる」ということを、まず患者さまに理解してもらうことです。出にくい、近い、漏れるという三大症候は誰にでも起こりうることなんです。なので私はよく「老眼と一緒です。みんなそうなるんです」とお伝えしています。大切なのは「我慢しない」こと。排尿管理をきっちりと行い、自分で納得した上で薬を飲む、手術を受ける。そうやって症状とうまく付き合っていく術を身につけることが重要なんです。患者さまの中には「職場と自宅はトイレの位置が把握できるから気楽だけど、外出時は常にトイレを探している」という方も多いのではないでしょうか。せっかくの外出が楽しめないのはもったいないですよね。

幅広い年齢層の患者さまが来院されるそうですね。

2〜3歳のお子さんから高齢の方まで、本当に幅広い年齢層の患者さまが来院されます。お子さんでは夜尿症や包茎の相談、学校検診でタンパク尿や血尿を指摘された患者さまなどが多いですね。成人では排尿障害のほか、尿路悪性腫瘍や尿路結石、尿路感染症、そして慢性腎臓病のフォローアップなどです。手術の適応があると判断した場合は、大阪急性期・総合医療センターなどの近隣の病院を紹介しております。患者さまは男性が約7割、女性が3割という比率ですが、女性も決して少なくありません。「泌尿器科は男性の科」というイメージがあるかもしれませんが、排尿の悩みに性別は関係ありませんから。

女性の患者さまに対して配慮されていることはありますか?

後藤毅院長 後藤クリニック4

女性の場合、かかりつけ医や婦人科で頻尿の薬を処方されることがありますが、実際は排尿困難なのに頻尿治療薬を飲んでしまって、かえって悪化してしまうケースもあるんです。「効果がないと感じたら専門の医師に相談してほしい」とお伝えしたいですね。それから、採尿の仕方も重要で、中間尿がうまく取れないと、検査結果に異常が出てしまうこともあります。そのため、正しい採尿方法については丁寧に説明するようにしています。診察ではやはり羞恥心への配慮を何よりも大切にしており、内診台を使う時のカーテンの扱い方、言葉遣いなど、スタッフ全員が細かいところまで気を配っています。女性だから、恥ずかしいからと我慢せず、安心して受診していただきたいと思います。

泌尿器、腎臓、透析の3つの専門性で幅広い症状を診る

泌尿器科専門医、腎臓専門医の資格を持つことによる強みは何ですか?

後藤毅院長 後藤クリニック5

もともと血液透析への興味から泌尿器科に進んだのですが、大学では泌尿器科の一般診療に魅了されました。泌尿器科専門医、腎臓専門医という資格を生かし、排尿障害だけでなく腫瘍、結石、感染症、慢性腎臓病、そして昨今話題になっている男性更年期障害まで幅広く診療しています。男性更年期障害の諸症状は基本的にうつとEDが主症状です。血中テストステロンの測定も行い、循環器疾患との関連も考慮しながら他科と連携して対応します。開業当初から在宅医療にも力を入れていて、看取りにも対応してきました。現在は排尿管理に絞って、カテーテル交換などの在宅診療を続けています。

今後の展望についてお聞かせください。

半年以内に電子カルテを導入予定です。21年間紙カルテでやってきましたが、やはり時代に後れを取らないようにしたいという思いがあります。もちろん患者さまに迷惑をかけないよう、診療スタイルは変えずに、スムーズに移行できるよう準備を進めています。もう一つ大切にしているのは医療情報のアップデートです。50代になってから性感染症・性機能の知識を改めて専門的に学び直しましたし、講演にもできるだけ参加するようにしています。この年齢になっても学び続ける姿勢を大事にしたいと考えています。これからも地域の皆さんのニーズに応えられるよう、進化し続けたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

後藤毅院長 後藤クリニック6

「常にトイレを意識する生活」というのは、冷静に考えるとかなりのストレスですよね。常にトイレの場所を確認して、外出を心から楽しめない。それは決してあなただけではないので、我慢はしないでほしいということを繰り返しお伝えしたいと思います。排尿管理をきちんと行い、自分が納得できる治療を選択することで、生活は大きく変えられると考えています。「尿に関することなら何でも気軽に言ってください」というのが私の立ち位置であり、想いです。デリケートな部分だからこそ、羞恥心に配慮した診療を心がけています。1人で悩まず、ぜひご相談ください。一緒に「トイレを意識しない生活」をめざしましょう。

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