循環器疾患の早期発見・治療には
早めの受診と定期的な検査を
西村内科循環器内科クリニック
(目黒区/都立大学駅)
最終更新日:2025/05/15


- 保険診療
息切れ、動悸、胸の圧迫感、下肢のむくみなど、日常生活で循環器の不調を感じている人は少なくない。「西村内科循環器内科クリニック」では、豊富な検査機器を活用し、さまざまな疾患の早期発見・早期治療に尽力している。「循環器疾患は徐々に症状が出てくるものも多く、不調を当たり前のものとして受け止め、受診しないケースも見られます」と語るのは、西村文朗院長だ。同院では、循環器疾患の発症リスクを高める高血圧症や脂質異常症の治療も行っている。また、循環器の検査だけでなく、骨粗しょう症、無呼吸症候群、喘息、乳がん検診など、あらゆる疾患の早期発見に努めている点も特徴だ。言葉の端々から患者への真摯な想いが垣間見える西村院長に、受診の重要性やタイミング、同院で実施している検査などを聞いた。
(取材日2025年4月16日)
目次
症状を見逃しがちな循環器疾患。手遅れにならないためにも、少しでも違和感を感じたら受診を
- Q循環器内科で扱うことが多い高血圧症について教えてください。
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A
▲自然光が差し込み明るい待合室
高血圧症とは、血圧が正常値よりも高い状態が慢性的に続き動脈硬化を生じることを指します。高血圧症の怖い点は、末期になるまで自覚症状がほとんど現れないことです。気がつかない間にも血圧が血管にストレスを与え続け、血管が徐々に脆く・狭くなっていきます。放置するとやがて心不全・心筋梗塞などの心臓病、脳卒中、腎臓病、認知症など、さまざまな疾患の発症リスクを高める要素となります。自覚症状がなくても、40歳を過ぎたら定期健診を受けましょう。当院は待合室に血圧計があるので、来院した患者さんには毎回必ず血圧測定を勧めています。また、患者さんが70歳を過ぎたら認知症の問診を実施し、認知症の早期発見にも努めています。
- Q高血圧の原因や、治療内容はどういったものでしょうか。
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A
▲スタッフとチームワークを大切に診療にあたる西村院長
高血圧は遺伝的な要因や生活習慣が関与すると考えられます。高血圧になりやすい素質があり、そこに輪をかけてリスクを高めてしまうのが、喫煙、塩分過多や肥満、ストレス、運動不足、飲酒といった生活習慣です。また、腎臓やホルモン系の異常、睡眠時無呼吸症候群といった基礎疾患が原因となる場合もあります。治療の際は、まず基礎疾患の有無を確認し、基礎疾患が認められたらそちらの治療を優先して、基礎疾患がない場合は生活習慣の改善を行います。ただ、生活習慣をすべて改めても、血圧が下がる数値には限界があるんですね。生活習慣を改めても数値が高いときは、投薬治療を実施します。
- Q循環器内科は、どのタイミングで受診するのが良いですか?
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A
▲通院しやすさ、モチベーション維持を大事にして診療にあたる
基本的には少しでも違和感があれば受診していただきたいです。循環器の疾患で多いのは「心不全」「狭心症」「不整脈」の3つで、それぞれ症状が異なります。心不全は歩行時の息切れ、疲れやすさが起こりやすく、横になった際に息苦しさを感じるのは、心不全の特徴的な症状です。狭心症は、胸部周辺の圧迫感や違和感が挙げられます。狭心症は放置すると心筋梗塞につながる可能性が高く、早急な受診が必要です。また、脈が飛んだり速かったり、不規則だったりすると不整脈の疑いがあり、時に脳卒中や心不全を引き起こす心房細動であることもあります。いずれにせよ、症状が出ているのは疾患がかなり進んでいる合図ですので、早めに受診しましょう。
- Qこちらではどのような検査を行っているのでしょうか。
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A
▲エコー検査をはじめ、疾患を見逃さないよう幅広い検査に対応する
循環器に関する検査は一通りできるかと思います。例えば、心臓超音波(心エコー)検査では心臓内の圧や弁の状態、心筋の収縮、心機能が正常か確認可能です。また、運動負荷試験といって、ランニングマシンの上を走ってもらい、不整脈がでないか、将来、狭心症や心筋梗塞が起こる可能性がないかを調べる検査も実施しています。ほかには、ホルター心電図という携帯型心電図で24時間脈拍をチェックし、不整脈の記録をつけるという検査もありますね。
- Q急いで受診すべき症状として何がありますか?
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A
▲少しでも気になる症状があれば、気軽に検査を受けることを促す
先ほどお話しした狭心症の疑いがある胸の圧迫感は、1日でも早く受診していただきたいですね。狭心症は放置すると心筋梗塞に移行する場合があります。特に初めて狭心症を発症した早期では、心筋梗塞への移行の可能性が高く、夜間・祭日でも受診が必要です。また不整脈では、脈が1分間に120を越えていたり、完全に乱れていたりする場合は、心房細動という心不全・脳卒中を発症する不整脈の可能性があり、早急な受診をお勧めします。10回に1回など、コンスタントに脈が飛ぶ場合もなるべく早めに受診しましょう。当院では、当日中に心臓エコー検査を行い、必要に応じてホルター心電図を活用しています。