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吉井信哉 副院長の独自取材記事

吉井クリニック

(目黒区/池尻大橋駅)

最終更新日:2019/08/28

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東急田園都市線池尻大橋駅から徒歩3分ほどの場所にある「吉井クリニック」は、全国でも数少ないといわれる頭痛の専門医がいるクリニックだ。そんなクリニックには、近隣だけではなく、広く首都圏から患者が訪れている。副院長の吉井信哉先生は「頭痛というのはその仕組みがすべてわかっているわけではありません。頭痛の種類は多くあり、どんな頭痛で患者さんが悩まれているか診断し、私どもと一緒に治療を行ってまいります。時に頭痛の誘因や共存する病気があるならば他の科と連携して診療を行い、頭痛をやっつけることを目標にしています」と話す。吉井副院長に頭痛との正しい向き合い方やクリニックのことについてじっくりとお話を伺った。
(取材日2014年9月9日)

欧米諸国に比べ遅れていた日本での慢性頭痛に対する治療の取り組み

現在のクリニックの診療科目を教えていただけますか?

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脳神経外科を担当しています。その中で一般的に物忘れ外来と言われている、予備軍を含む初期認知症対応を専門とする診療なども行っていますが、診療のメインとなっているのは慢性頭痛に対する取り組みです。現在、8〜94歳の患者さんが通院されていますが、一番多いのは20〜50代の女性でしょうか。近隣からだけではなく、埼玉、神奈川県、千葉、遠くは伊豆などから通院されている方もいらっしゃいます。

頭痛の治療を専門的に行っている病院は数少ないのでしょうか?

頭痛には大きく分けて一般的に慢性頭痛と称され、片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(群発頭痛)などが含まれる一次性頭痛と、脳腫瘍・脳血管障害や感染症などの疾患が原因となって起こる二次性頭痛があります。当院を受診する患者さんの約9割が一次性頭痛ですが、当クリニックを含め、頭痛の治療を専門的に行っている病院が治療の対象としているのは一般的に一次性頭痛です。日本は、欧米諸国に比べてこの慢性頭痛の治療に対する取り組みが遅れていました。しかし2005年に京都で開催された第12回国際頭痛学会で、認定頭痛専門医制度の充実などを柱とする『京都頭痛宣言』が出され、ようやく本格的な取り組みが始められました。現在、学会が認定している専門医は約770人ですから、まだまだ患者さんの数の多さと比較すると、頭痛治療を専門とする医師、病院は少ないのが現状です。私自身はなるべく学会主催の頭痛治療セミナーや講習会など積極的に参加し少しでも頭痛治療に貢献できるよう心がけております。

クリニックを開業されたのはいつ頃ですか?

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1996年に、脳神経外科医である現院長の父が現在の場所で開業しました。私がクリニックの診療に参加したのは2006年からになります。医師をめざすそうと思った頃は、歯科医にも興味があったのですが、やはり患者さんの全身を診ることができることが魅力で脳神経外科の道を選びました。また、頭痛というのは毎日の生活の中でずっと苦痛を伴うものであるだけに、患者さんは症状が改善されると本当に喜んでくださいます。そんな喜び、そして患者さんに感謝される父の姿を見ていたことも、この道を選んだ理由の一つかもしれません。

頭痛の原因を探り当てることが治療の始まり

慢性頭痛の場合、市販の鎮痛剤でやり過ごしている方も多いようですが。

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そうですね。まだまだそういう方が多いかもしれません。でも現在、慢性頭痛に関しては、どんな原因で頭痛が起こっているのかを診断、その頭痛に沿った治療(頭痛予防薬・治療薬など)を用いて頭痛をコントロールし出来れば頭痛をなくなす努力いたします。あまり知られていないかもしれませんが市販の鎮痛剤を多用すると、むしろそれが原因となって起きる薬剤使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)と呼ばれる頭痛も存在します。また、いつもの頭痛だとやり過ごしていると、実はくも膜下出血などの命の危険に関わる疾患の前兆だったということもあります。日頃頭痛に悩まされているなら、一度しっかりと専門医の診察を受けることが大切だと思います。

診療の流れや内容を教えてください。

当クリニックの場合、初診時にはまず30分ほど時間をかけて問診を行います。頭痛の原因を探るためにはこの問診が極めて重要で、じっくりと問診を行い、そして症状や治療方針を詳しくご説明させていただくので、当クリニックでは基本的に、予約制にしています。その後提携病院でMRIやCT検査を行っていただきますが、もし、すでにこれらの検査がお済みの場合には、その画像をお持ちいただいてもかまいません。その後必要に応じてうつ病のスクリーニングや採血などを行います。この検査の目的は、大きく分けて2つあります。1つ目は、その頭痛が悪玉なのか善玉なのか、つまり命に関わる危険な頭痛なのか否かを見極める点です。ここでもし頭痛の原因に重篤な疾患が関わっているようであれば、手術にも対応できる総合病院をご紹介することになります。そしてもう1つの目的は、頭痛の原因の究明です。実は国際頭痛学会の最新の分類によれば、頭痛はその原因などによって350種類にも分類できるとされています。ですから頭痛の原因を探り、それがある程度わかればその原因に沿った予防薬と治療薬を組み合わせて処方するほか、高血圧、高脂血症といった疾患が遠因となっている場合にはその治療薬も処方し、さらに環境改善のための生活指導・運動療法なども行います。治療期間や回数については、患者さんごとに異なります。

初診の時に、持参すると良い物はありますか?

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可能であれば、1ヵ月程度記録を付けた頭痛ダイアリーを持参いただけると助かりますね。頭痛ダイアリーとは、頭痛が起きた日時、痛みのタイプ、痛みの程度、服薬の有無などを記録するもので、インターネットなどからもダウンロードして利用していただけますし、現在はスマートフォンのアプリにもなっています。以前、お料理の先生をされている患者さんがいらしたのですが、記録をとってみると頭痛が起きる曜日がいつも一定なんです。実はその日はイタリア料理を教室で教える日で、頭痛を引き起こす可能性があるポリフェノールやチラミンを多く含んだ食品、チーズやワイン、オリーブオイルなどを多量に摂取していることがわかりました。これらの食品は必ずしも頭痛を起こすわけではありませんが、もし頭痛が引き起こされるようであれば次回から気を付けなければなりません。また別の例では、どうもご主人が海外出張でご自宅に帰られると頭痛が起きる傾向があることがわかった方もいらっしゃいました。これは海外では「週末頭痛」と呼ばれるもので、おそらく緊張から解放されて血管が拡張することによって引き起こされた頭痛と考えられ、旦那様が帰られホッとして血管が拡張して頭痛が生じたようで、旦那様が嫌いではなくホッとしたことがわかりました。このように頭痛ダイアリーを付けることは、頭痛の原因究明に大きな一助となります。そのほかには既往歴、もし服薬している薬があればお薬手帳、また体質遺伝の傾向もあるので、ご家族の既往歴などをメモにまとめておくと便利だと思います。

目標は頭痛を“やっつける”こと

先生ご自身、治療の中で心がけていることはありますか?

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現在、慢性頭痛である片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛に関しては予防薬と治療薬を上手に使うことで多くの場合コントールできるようになってきていると申し上げましたが、私がめざしているのは頭痛をやっつけることです。痛みをコントロールしながら上手に付き合っていきましょうなどと言われますが、痛みはないにこしたことはないわけで、めざすのはあくまで頭痛をやっつけることです。そのためには患者さんと医師は、頭痛をやっつけるためにともに手をとりあって戦うパートナーだと思って日々の診療にあたっています。

もし、頭痛予防に役立つ方法があれば教えていただきたいのですが。

頭痛外来において約8割を占める片頭痛の場合でいえばその誘因にはストレスや精神的緊張、疲れ、睡眠不足、睡眠過多といった精神的因子、月経周期などホルモンに影響を受ける内因性因子、天候の変化、温度差、気圧、人混み、光、音といった環境因子、そして食事性因子があります。食事性因子について、頭痛の予防としてビタミンB2が多く含まれた緑黄色野菜やマグネシウムが多く含まれる海草類を摂取し続けることで片頭痛を軽減するとも言われております。反対にグルタミンを多く摂取すると頭痛を来すこともありジャンクフードなどはうまみ成分であるグルタミン酸が多く含まれていることもあり、成人病の観点からも多く摂取することはなるべく避けるようにしていただきたいですね。ほかに先程申し上げたポリフェノール、チラミンのほか、過剰なカフェイン摂取も頭痛を誘発する場合がありますから、それらが含まれる人工甘味料を使った食品や飲料水の大量摂取に注意してください。また、精神的因子については、生活面でオンとオフをしっかりと取り、時間や心に余裕を持ち、月曜から日曜までいつも同じようなベースで生活することが大切です。休日だからといって寝だめをするといった生活は避けるようにします。頭痛の誘因はいつも同じではないのですが、同時に 2つ以上の誘発因子に暴露されると片頭痛発作を起こすことが多いので注意が必要です。例えば,月経時に赤ワインを飲んだりすると発作が誘発されやすいです。これだけですべての頭痛を予防できるわけではありませんが、一定の効果はあります。

最後に、頭痛で悩む多くの方にメッセージをお願いします。

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頭痛には多くの種類があり、その中には命に関わる重篤な疾患が隠れている場合もあります。また、このくらいの頭痛なら病院に行かなくてもと考え市販薬でごまかしてたり、頭痛の頻度が多いのにそのつど市販薬で対処する対処療法ではなく、ご自分の頭痛を頭痛診断に精通した先生に診断してもらい、医師と共に一緒になって頭痛の治療をしていくことが必要と考えます。当クリニックでも、何十年もの間頭痛に悩まされていた方が、予防薬と治療薬を使うことで頭痛から解放される方もいらっしゃいます。もし、真剣に頭痛の治療をして、痛みから解放されたいと考えているならば、まずは一度気軽に、頭痛に精通した医師の診察を受けていただきたいですね。

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