脱毛症の悩みは皮膚科へ
専門家が提案する適切な治療で早期改善を
なごみ皮ふ科
(海老名市/海老名駅)
最終更新日:2022/09/08


- 保険診療
抜け毛やふけ、痒みなど、頭皮や頭髪のトラブルを抱える人は意外と少なくない。女性・男性に関わらず早く治したいと思うものだろう。しかしこういった悩みをどこへ相談したらいいのかかわからない人も多いはず。中でも円形脱毛症など脱毛症を専門としている医師は全国的にも少ないという。海老名駅近くにある「なごみ皮ふ科」は老若男女が絶え間なく訪れる地域に根づいたクリニック。院長の齊藤典充先生は、脱毛症治療のスペシャリストだ。アメリカへの留学経験もあり、長年脱毛に関する研究や臨床を重ねながら、論文発表や講演、後輩の育成、薬剤の研究にも力を注いでいる。そこで、日本皮膚科学会皮膚科専門医でもある齊藤院長から、専門家から治療を受けるメリットや脱毛症の原因などについて、詳しく教えてもらった。
(取材日2022年4月6日)
目次
脱毛症のほか薄毛、ふけや痒みなど頭皮・頭髪のトラブルに対応。脱毛症を専門とする医師が悩みに向き合う
- Q円形脱毛症の原因はどのような事柄が考えられますか?
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A
▲円形脱毛症になる要因は、ストレス以外にもさまざまだという
ストレスが原因だと思われがちですが、実はまだよくわかっていません。ストレスはきっかけの一つと思っていただいたほうがいいいでしょう。一説には円形脱毛症は、自己免疫疾患といって、体が勘違いして自らをいじめてしまう現象ともいわれます。例えば、ばい菌やウイルスから身を守ってくれるのが免疫で、それらが体の中に入ってしまっても何とか撃退しようと戦ってくれます。それが何らかのバランスの崩れで自分の髪の毛を敵だと思って、攻撃をしかけてしまう。インフルエンザも円形脱毛症のきっかけの一つといわれ、治った後に発症してしまう人も数多くいます。このように円形脱毛症の発症には、いろいろな要因が考えられます。
- Q脱毛症は何科に相談するのが良いのでしょうか?
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A
▲髪の悩みは皮膚科に相談しよう
髪の悩みを皮膚科に相談するというイメージが、まだ世間では定着していないのか、どこに受診すればいいのかわからなくて迷われる方も多いのではないでしょうか。髪も爪も皮膚の一部で、タンパク質の一種のケラチンといってほとんど同じ成分でできています。つまり、髪は固い皮膚といった感じでしょうか。髪のトラブルといっても脱毛だけでなく、傷みや白髪、変形などさまざまです。きっかけも患者さんによって違いますし、中には、髪の問題ではなくて地肌のトラブルだったという方もいらっしゃいます。適切な診断を行った上での処置が可能ですから、髪の毛や頭皮の悩みは、ぜひ皮膚科にご相談ください。
- Q男性と女性の薄毛の違いは何ですか?
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A
▲円形脱毛症とは仕組みが異なる薄毛のトラブル
男性の薄毛は男性ホルモンが関係しています。実は、先に申し上げた円形脱毛症とは仕組みが違うんですね。女性の薄毛の場合は、閉経を迎えると女性ホルモンが減って男性ホルモンが増えるため、男性と同じ仕組みで起こります。中には生理痛や頭痛で飲んでいた痛み止めがきっかけで薄毛になったり、貧血が関わっていたという方も。ですが、それだけでは説明がつかないこともあるように、若い頃から薄毛で悩んでいる方や、病気やストレスなどいろいろ要因を調べても何もあてはまらない方も多くいらっしゃいます。一方で、生活の中に何か理由があり髪が傷んで薄くなっている方は、まずは生活面を改善していくことが大切です。
- Q専門家のいるクリニックを受診するメリットを教えてください。
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A
▲専門家による綿密な治療が可能な同院
円形脱毛症の治療では、まずは炎症を抑えることが重要です。次は、攻撃を受け眠っている状態の髪をどう起こしていくのかを考えていく流れになります。それに対しての手段が飲み薬や塗り薬、紫外線の照射などいくつかの方法がありますが、どのタイミングでどの人に使っていくのかが大切。そういった綿密な治療が専門家だからできると思います。一般のクリニックでできる治療は、ある程度決まっていますので、どうしても治りにくい場合は当院にご紹介いただくことが多いですね。他の疾患であれば重症の場合は大規模病院に紹介するのが通常でしょうが、残念ながら脱毛については専門にしている先生が少ないのが現状なんです。
- Q治っても再発し繰り返してしまうことも多いそうですね。
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A
▲再発する円形脱毛症や髪の悩みは一度相談してほしいと話す
脱毛症は、100人に1人は生涯のうちになるともいわれています。ただ、丸く1ヵ所だけ抜けて、放っておいたら自然に生えて治ったため、診療に来られない方がほとんどです。中には1箇所のところから広がってしまったり、数ヵ所に増えていったり。このように程度はいろいろですが、治っては再発を繰り返している方は多いですね。先ほどお伝えしたとおり、何かあったら体が髪の毛を攻撃するというように、免疫が覚えているのでしょう。再発する例も多い疾患ですから、症状が落ち着いている方に関しては、治療をいったん止めて慎重に様子を見ていくなど、その時々に適したアプローチを提案していきます。