齊藤 典充 院長、齊藤 和美 副院長、米元 康蔵 先生の独自取材記事
なごみ皮ふ科
(海老名市/海老名駅)
最終更新日:2024/02/27

海老名駅から徒歩4分ほど、商業ビルや高層マンションが立ち並ぶ好立地にある「なごみ皮ふ科」。水色を基調とした爽やかで清潔感ある院内は、リラックスして過ごせる空間だ。2020年、前身の「米元皮膚科医院」を継承した齊藤典充院長とその妻である齊藤和美副院長、そして前院長の米元康蔵先生の3人の医師が「どんな患者でも気兼ねなく通えるクリニック」をめざし、患者の声にじっくり耳を傾け丁寧な診察を行っている。米元先生が開業した1999年から長年愛され、今もなお多くの患者が絶え間なく訪れるクリニック。その理由を探るべく、齊藤院長、和美副院長、米元先生に、同院のこれまでの道のりや診療内容について語ってもらった。
(取材日2022年4月6日/更新日2024年2月19日)
地域に根づき長年、多くの患者から愛されるクリニック
前院長の米元先生から開業から現在までの経緯をお伺いします。

【米元先生】このクリニックは1999年に「米元皮膚科医院」として開業しました。当初は、ここから500メートル程離れた場所で行っていましたが、患者さんが増え手狭になってしまい、2007年にこちらに移転したんです。海老名は当初、静かでゆっくりした空気があって、自分のペースで診療ができると思ってこの場所を選びました。齊藤先生と和美先生は、私が大学病院の医局長をしていた頃から付き合いがあり、以前から週1回ほど手伝いに来てもらっていました。そんな中、体調を崩しそろそろきつくなってきたのを感じ、齊藤先生に「このクリニックを継いでほしい」と声をかけバトンタッチしました。
齊藤院長はどのようなきっかけで医院を継承されたのでしょう。
【齊藤院長】これまで大学病院や総合病院に勤務し、外来診療や手術、回診、後輩の育成などを行ってきて、医師として充実した日々を送ってきました。しかし大きな病院はどうしても急性期の患者さんの診療が中心となりますので、じっくり一人の患者さんを見ていくということがないんですね。この先も同じことを繰り返すことに迷いを感じていたそんな矢先、週1回診療のお手伝いをさせていただいていた米元先生が、医院の後継者を探していると聞き、じっくり患者さんとお付き合いしていけるクリニックの診療に魅力を感じ始めました。米元先生からも「お前だったら任せられる」というお言葉をいただき、引き継ぐことを決断しました。
医院を継承するにあたって気をつけたことは何ですか? また、どんな医院にしていきたいと思いましたか?

【齊藤院長】まずは、米元先生の患者さんをスムーズに引き継くことを第一に考えました。また最近は、美容皮膚科を取り入れているところが多く、若い患者さんばかりだと高齢の方が気後れしてしまうと思うんです。「何か雰囲気が違って行きづらい」と言われる方を、とにかく取り残さないで全部引き受けたい。どの年齢の方が来院されても入りやすいクリニックをめざしています。
待ち時間に対しての工夫を教えてください。
【齊藤院長】時期によってはたくさんの患者さんが来院されますので、二診制もしくは三診制で対応しています。しかし、それでも待ち時間は発生してしまいますので、ウェブや電話で予約をしていただける受付システムや、メールでの通知機能を導入しました。当院は、「急いで数をこなす」のではなく、多少時間がかかってもきちんと話すべきことは話すことを重視しています。お待たせしてしまうのは申し訳ないのですが、自宅で何かしながらお待ちいただき、順番のお知らせメールがきたらお越しいただけるとありがたいですね。
経験豊富な複数の医師が患者に寄り添い丁寧に向き合う
皮膚科の医師をめざしたきっかけを教えてください。

【齊藤院長】医師になろうと思ったのは、大学病院で皮膚科医をしていた父の影響が大きいですね。小学1年生の文集には、「大きくなったら北里大学病院の医師になる」と書いていました(笑)。最初は小児科に進もうと思っていましたが、治療の経過や成果が目に見える皮膚疾患の診療に面白みを感じ、皮膚科を選択しました。
【和美副院長】学生時代、教授から「皮膚科の診療は皮膚を診て、内臓の疾患を考える」という教えを受けたのがきっかけです。皮膚の様子や検査の結果だけで判断するのではなく、患者さん本人を診ながら判断していくことに興味を持ち、皮膚科に進みました。
複数の医師がいることのメリットは何でしょうか?
【齊藤院長】医師それぞれの方針が違うと患者さんは戸惑ってしまいますが、米元先生、和美副院長とは長年ともに診療をしてきた歴史があり、気心が知れていますから、だいたい何を考えているのかわかります。多少表現が違っていても大もとの診療方針は同じですので、医院内で統一感がとれているところは強みですね。
【米元先生】あと、和美副院長は結婚、出産、子育ての経験がありますので、女性のライフステージに合わせて患者さんに寄り添った診療ができるのではないかと思っています。
【和美副院長】特に女性の場合は、デリケートな部分は私が代わりに診たりすることができ、安心して診察を受けていただけると思います。患者さんの希望があれば、受付で言っていただければ医師を選んでいただくことが可能です。
診療の際に心がけていることは何ですか?

【齊藤院長】皮膚病は日常生活の癖が原因で発症することが多く、病名が同じでも人によって症状がまったく違うので、それを早いタイミングで見極めることを重視しています。患者さん一人ひとりに、日頃の生活習慣や自宅でのケアについてしっかりとお話を聞き、そこに原因となっているものがないかを探るようにしています。
【和美副院長】お薬を出す際に、ただ出すだけではなく、その薬をどう利用していただけるかを考えながら、一人ひとりの症状や性格などに合わせてしっかりと説明するように心がけています。
【米元先生】患者さんの相談したいことをきちんと聞いて、診察をして必要であれば適切な処置をする。患者さんの悩みや困っていることを受け止められるようにするのが基本中の基本です。その中で自分のできることを最大限に提供することを大切にしています。
誰もが気兼ねなく入りやすい皮膚科をめざす
齊藤院長は脱毛症治療がご専門だと伺いました。

【齊藤院長】医師になって自分の専門を決める時、たまたま私の先輩が脱毛症を専門に診る外来を担当していて、その先輩に誘われのがきっかけです。最初の数年は「脱毛症というのは治りにくい疾患なんだな」と思いながら、先輩から言われた治療だけをしていたのが、そのうち一人ひとりの症状に合わせて「こういった治療をやってみよう」と方針を立てながら工夫していくうちに、どういうふうに診療したら良いのかが少しずつわかってくるようになりました。人間というのは成果が出ると励みになるしうれしいものなんですよね。研究の成果を発表した勉強会で、アメリカ人の教授にアメリカ留学に誘われたりしたこともありました。かれこれ30年以上にわたり脱毛症の研究・臨床に打ち込んでいます。
今後の展望を教えてください。
【齊藤院長】当院は、とにかく身近な、入りやすい地域の方々のための皮膚科医院です。「なごみ皮ふ科」という医院名も、患者さんがここに来るとほっとして和んでいただけるような場所にしたいと、和美副院長と一緒に決めた名前です。「患者さんが納得するまでお話をして治療を受けていただく」という診療方針をこれからも貫いていきたいと思っています。一般的な皮膚疾患をはじめ、ほくろ切除のような日帰り手術にも対応していますから、お肌のできもので悩んでいる患者さんは気軽に相談していただけたらと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【米元先生】何か、皮膚や粘膜のことでお困りになっていることがあったら、どうぞいらしてください。
【和美副院長】皮膚疾患は発症する部位によって相談しにくいものもあると思うんです。また「こんなこと聞いていいのかな。こんなこと聞いたら怒られるかな」という不安も皆さんそれなりに持っていらっしゃるのではないでしょうか。そこを遠慮なく相談していただきたいと思います。
【齊藤院長】患者さんそれぞれのお悩みをしっかり受け止め、適切な診断をし、丁寧に説明をしていくことを心がけています。来院いただいた方全員に、安心して帰っていただけるように努めてまいりますので、気軽にお越しください。