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田貫 浩之 院長の独自取材記事

たつらクリニック

(日進市/長久手古戦場駅)

最終更新日:2021/10/12

田貫浩之院長 たつらクリニック main

住宅街の一角にある「たつらクリニック」は、2004年の開業から、地域に根差した医療を実践してきたクリニックだ。新しい住宅地で自然も多くのどかな一帯に、淡いオレンジの外壁が明るいコテージのような同クリニックがたたずんでいる。14台の駐車場を備え自家用車でのアクセスも便利だ。院内も温かいオレンジ色を基調としており、待合室や通路も広く、バリアフリーに対応している。田貫浩之院長は、笑顔が優しく、気さくで親しみやすい。泌尿器科の分野では専門性の高い症例にも応じるとともに、その他の専門科目でも、幅広くさまざまな症状の相談を受けている。患者一人ひとりと真摯に向き合う姿は、患者からの信頼の厚さを感じさせる。

(取材日2017年4月4日)

対等な目線で患者の話をじっくり聞く

医師をめざしたきっかけと、開業までの経緯を教えてください。

田貫浩之院長 たつらクリニック1

高校の時に生徒会の委員をしていたのですが、憧れていた生徒会長の先輩が筑波大学の医学部に進まれました。それがきっかけで、医学部に進むことを考え始めました。最初は薬学部や歯学部で考えていたのですが、最終的には医学部をめざしました。大学では不妊症治療の研究をしていたので、研究者の道に進もうかと思っていました。しかし、患者さんとお話をするのが好きなので、病院で管理職になって患者さんと接する時間が少なくなるより、目の前の患者さんと向き合える開業医がいいなと思い開業を決意しました。また、祖母を熱中症で亡くしていて、気楽に往診で点滴してもらえていたら、もう少し長生きできていただろうにと悔しく思っていました。くしくも、クリニックの開院日は祖母の命日なのです。

専門に泌尿器科を選ばれた理由はなぜですか。

泌尿器科に進んだのは、高齢化で需要が増えていくだろうということと、選択する人の少ない科で目立ってみたいという理由からです。人数が少ないので、早くから手術をさせてもらったり、どんどん経験を積ませてもらえました。その分、最初から先輩方のご指導は厳しかったです。研修医になってすぐに、「とにかく患者さん全員に聴診器を当ててこい」と先輩に言われて、「どうしてですか」と聞いたら、「正常を知らないと異常がわからないからだ」と。今、学校健診の中でちょっとおかしいな、即座に思うのは場数を踏んできた賜物ですね。外科の先輩にも、採血やCTだけで判断せずに必ずお腹を触診するように、など教わったことは大きいです。

先生が診察にあたって大事にしていることは何ですか?

田貫浩之院長 たつらクリニック2

患者さんの話を聞くことですね。忙しくなければ最初の1、2分はできるだけこちらが口を挟まず話を聞くように心がけています。予め問診票に書いてある細かなことから、その患者さんが今日は何で悩んできたかということを引き出せるように心がけています。周りのお友達やご家族にも相談できずに精神的に大きな負担を抱えていらっしゃる方も実は多いです。ここで悩んでいることを吐き出していってね、と言うと、安心して涙ぐむ患者さんもいらっしゃいます。そういう時は看護師も気を遣って席を外してくれます。また、上から目線でなく対等な目線で聞く姿勢が大事だと思っています。お子さんだったら自分がしゃがみ込んで同じ目線になると、怖がらずに安心してくれます。

患者の希望に寄り添い訪問診療も

他に心がけていることがあったら教えてください。

田貫浩之院長 たつらクリニック3

膀胱炎で来られた方でも、必ず聴診器を当てて、お腹もなるべく触って診察するようにしています。それで別の病気が見つかることもありますから、触れることは本当に大事なのです。患者さんにとっても、お話を聞いて薬を出しても、お腹を触っていない、聴診器を当てていないとなると、ちゃんと診察してもらっているのか不安になると思います。患者さんのちょっとしたサインを見落としてはいけないのです。声の調子の変化や、歩き方の変化でも、気付いたことがあれば声をかける。病気ではないけれどちょっと調子が悪くて悩んでいるという時に、僕のほうから話を聞いて、漢方薬を使うなどして、改善したら患者さんとの信頼関係も築けますからね。

クリニックの建物はどのようなことを意識して設計されたのでしょうか。

この地域は古い部落に加え若い世代の人口が増えてきている地域です。お子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで、家族みんなを診させていただいていることも多いです。また、私がイタリア語を習うほどイタリアが好きなので、院内や外観は地中海を思わせる明るい雰囲気で統一しています。クールな雰囲気よりもファミリー層の患者さんにもなじみやすいですし、泌尿器科は医師に相談することに抵抗がある方が多いのですが、他の科目も標榜してあり、気軽に入ってきていただけますし、なるべく温かいイメージにしたかったのです。通路は車いすが通れるように少し広めにとって、できるだけバリアフリーになるようにしました。

訪問診療も行っているそうですね。

田貫浩之院長 たつらクリニック4

訪問診療は開業当初から始めました。ご本人が最期は自宅でと決めていても、容態が悪くなった時にご家族が対応できるか不安だったりすると、結局入院になってしまうことも多いですよね。できるだけ患者さん自身の希望に寄り添える体制を整えられたらと思い、積極的に往診しています。当院で診ている患者さんがそのまま訪問に移行する場合もありますし、別の病院を退院したけど家族が病院へ連れていくのも難しく行き場所がないという場合もあります。そういう場合はご家族との関係を築いて、連携して、患者さんが一番苦しくないように診ていきましょう、というところから始めます。家族関係に深く介入することもあり考えさせられます。でも、最期は一日でも家で過ごしたいという方が多いと思うので、時間がある限り、体力の許す限り続けていきたいですね。

「ちょっとした相談」ができる存在でありたい

他の病院との連携についてはいかがですか。

田貫浩之院長 たつらクリニック5

地域のクリニックなので、病院の総合受付のような役割もしないといけないと思っています。ちょっと悩んでいることでもご相談いただければ、できるかぎり答えたいと思います。患者さんの希望や状況に応じて他の病院やクリニックをご紹介することもできます。仕事の都合で夜しか行けないという方、土曜日の診察をしているところがいいという方もいらっしゃいます。ご高齢だったらご家族が連れて行けるかどうか、交通手段があるかどうかという事情もあります。優しい先生がいいとか、ちょっと厳しいけれど腕の良い先生の方がいいとか、噂や患者さんの抱くイメージもありますよね。そういうことを汲み取れる医師でありたいです。

プライベートでの趣味やスポーツなどは何かされていますか?

自分も健康でいないといけないと思い、最近ではジョギングしたり、ゴルフをやったりと体を動かすようにしています。病院勤務だった時は、夜の10時や11時に仕事が終わって、帰ってご飯を食べたら寝るだけの生活でしたので、今より太っていて体力もありませんでした。ところが、開業してすぐの頃に骨折してしまったのです。病院の頃の不摂生も引きずっていましたし、大きな病院の中を走り回っていた頃に比べると運動量も減っていて、これでは病気になるなと思って、慌てて体力づくりをするようになりました。

最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

田貫浩之院長 たつらクリニック6

当院は予約制ではないので、気軽にいつでも飛び込みで来てもらえますし、皆さんが「こんなこと聞いていいの?」と思うようなちょっとした心配事や気になることも、聞いてもらえればと思います。たとえば風邪で来院したついでに、高齢のお母さんをどこの病院に連れて行ったらいいか相談してもらえたりするのも、私としてはうれしいですね。あそこで聞けば情報が得られると思って、ちょっと話を聞きに来てくれるような場所でありたいと思います。

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