小平 安彦 院長の独自取材記事
おだいら矯正歯科
(宇都宮市/宇都宮駅)
最終更新日:2025/08/18

宇都宮駅から車で15分ほどに位置する「おだいら矯正歯科」は、矯正歯科専門のクリニックとして2003年の開業以来、20年以上にわたり幅広い世代への矯正を手がけてきた。院長の小平安彦先生は、技術を要する舌側矯正にも通じた、矯正歯科のエキスパート。「患者さんが喜んでくれることが一番」という言葉どおり、待合室には笑顔の患者の写真がたくさん飾られている。小平院長に、矯正を行う上で大切にしていることや初診診療の様子、矯正を受けるべきか迷っている人へのアドバイスなどを尋ねた。
(取材日2025年4月22日)
世代を問わず幅広く対応する矯正歯科専門クリニック
矯正歯科を専門的に扱われているのですね。

はい、そうです。神奈川歯科大学卒業後、神奈川歯科大学矯正学教室に在籍して基礎を学び、東京にある舌側矯正専門のイーライン矯正歯科、松戸市の竹元矯正歯科で5年半ほど勤務した後、2003年にここ宇都宮で開業しました。歯科にもいろいろな分野がある中、矯正に特化することを選んだのは、患者さんの喜ぶ姿がすぐわかります。例えば虫歯が悪化したとき、歯の根の治療はもちろん大事なものですが、見た目にはどう変わったのかはわかりにくいでしょう。その点矯正は、過程を患者さんに実感していただくことができます。私は、患者さんが喜んでくれることが一番なので、矯正を専門にしています。
どんな患者さんが多いのでしょう?
子どもの矯正と大人の矯正の両方を行っているので、患者さんの年代はさまざまです。大人の場合、歯の裏側に矯正装置を装着する目立たない舌側矯正を希望して来られる方が多いでしょうか。地理的には、やはり宇都宮市内の方が多いですが、舌側矯正希望の方の中には、那須や茨城県から来られる方もいらっしゃいます。また、この地域には学校が多いので、中学生や高校生もたくさんいらっしゃいます。
クリニックの建物は3棟構成になっていますが、なぜこのような造りなのですか?

中央が総合受付棟で、向かって右側が大人の矯正用、左側が子どもの矯正用の棟になっています。もともとは左側の建物だけですべての矯正を行っていたのですが、後に右側棟、中央棟と増築しました。今のような構成にした一番の理由は、大人の矯正と子どもの矯正は、使用する装置から矯正の内容、患者さんのニーズまでまったく違うので、しっかり診療する空間を分けたいと思ったからです。お子さんは、やっぱり不安な気持ちになりがちなので、子ども用の棟は、周りが見渡せて、アットホームな雰囲気でワイワイできるような空間になりました。一方、大人用の棟はあまり周りに知られなくない人が多いので、人目につかないように完全個室になっています。
子どもの矯正と大人の矯正はどう違うのでしょう?
子どもの矯正は、将来的に歯がきれいに並ぶための土台作りや顎の骨などの成長誘導、生え替わりが終わるまでに口内環境が悪くなるのを予防するためのものです。一方、大人の矯正は、完成した骨の中に永久歯を配列し、細かな部分までしっかりしたかみ合わせをつくるためのものです。例えば、歯列に凹凸がある場合、大人は顎の骨を広げることはできないので、歯を並べるスペースを作るのに抜歯が必要になることが多いです。しかし、お子さんなら顎の骨を広げる方法が使えます。もちろん限界もありますが、土台の改善も含めた矯正が望めるのは、骨がやわらかく、成長過程である子どもならではのメリットといえます。
患者の希望するゴールに至るベストなルートを探す
矯正を行う上で大事にしていることを教えてください。

矯正のゴールは患者さん一人ひとり違いますし、ゴールに至る道筋も一人ひとりまったく違います。同じルートをたどる人は一人もいない完全オーダーメイドですから、その患者さんにとって何がベストか、どのような装置を使い、どのような流れで矯正するのがベストかは常に考えています。また、患者さんが思い描いているゴールと、私たちの考えるゴールがずれてはいけないので、初診相談では、1時間ほどかけて詳細に話し、検査結果も1時間ぐらいかけてご説明しますね。患者さんのお話をよく聞いて、無理なゴール設定をしてはいけませんので、できないことは「それはできません」とはっきり伝えるようにもしています。矯正が始まった後も、矯正装置を外す前には患者さんが本当に満足しているかを確認するために「もっとこうしたいと思っている部分はありませんか?」と必ず伺うことにしています。やっぱり、治療が患者さんのゴールに達したのかが大切ですからね。
初診相談はどういう感じになるのでしょう?
お口の写真を5枚ほど撮影し、その写真をモニターに映しながら、写真からわかる範囲でその患者さんの矯正についてお話しします。いつもお伝えしているのは、問題点はどこなのか、どういう装置を使うのか、いつやるか、治療期間はどれぐらいかかるか、費用はどれぐらいかかるかの5つですね。経験上だいたいのことはわかるので、わかっていることはなるべくたくさん情報をお伝えするように心がけています。もちろん、質問があればお答えしますよ。以前は、矯正の不安というと資金面を挙げられる方が多かったのですが、最近は比較的低年齢のうちに来院され、いつ頃矯正を始めれば良いか、そもそも矯正が必要なのかを質問される方が多くなりました。そういう不安をお持ちの場合も、できるだけわかりやすく話をさせていただきます。
矯正期間中、患者さんがモチベーションを保てるように工夫されていることなどはありますか?

一つは、矯正の経過を確認してもらうことです。当院は毎回お口の中の写真を撮っているので、前回からの変化を見比べてもらうことができます。また、めざすゴールが見えることも、患者さんのモチベーションアップにつがるので、何ヵ月かに1度は、いつ頃装置を外せるかという話をしていますね。「あと半年ぐらいですよ」とか、長い場合も「来年の秋ぐらいですね」とか。予定より遅れている場合は、特に早めに伝えなくてはいけませんし、「いつ矯正装置を外せるのか」は一番ドクターに聞きたいところかと思うので、しっかり伝えています。また、当院が休診の日に緊急の事態が起こった場合は、電話応対などでサポートしています。
矯正を受けるべきか迷ったらまずは相談を
子どもの矯正で、特に気をつけていることなどあれば教えてください。

やっぱり不安になる子は多いので、無理して矯正を進めることはしていません。矯正は、患者さんの協力が必要ですから、どうしても大泣きしてしまうようなら、その日は歯ブラシの練習だけということもあります。子どもの治療の多くは、矯正の開始が半年ぐらいずれても、そんなに大きな問題はありませんしね。治療には長い期間通ってもらうことになるので、最初で嫌になってしまわないように気をつけています。子どもの矯正は8~9歳頃から始めるケースが多いですが、状態によっては5~6歳から始める場合もあります。来院して診せていただければ、いつ頃から矯正したほうが良いかについてもお話しできるので、検診で引っかかったり、気になることがあるというような場合は、一度ご来院ください。
今後、さらに力を入れていきたいことはありますか?
まず、「この地域に、おだいら矯正歯科がどう根づくか」と思って20年間診療を続けてきたので、よりしっかりと根づかせたいなという思いです。また、やはり矯正技術の向上には限界がないと思うので、国内外の勉強会に参加し、依頼があれば講演などもやりつつ、技術は常に磨いていきたいですね。あと、今後は矯正歯科の分野でも電子化が進み、紙媒体や模型でのシミュレーションなども電子化されていくと思うので、当院も進めていかなくては……とも思っているところです。
最後に、宇都宮や周辺地域の方々に一言メッセージをお願いします。

矯正は時間も費用もかかりますが、それだけ有用な手段でもあるので、まずはポジティブに考えてもらえると良いかなと。そして矯正が必要なのか、矯正したほうが良いのかと悩んだときは、まず一度診せに来てもらえるとうれしいですね。矯正は高いイメージがあると思いますが、初診相談は負担に配慮した金額で承っていますので、気軽に利用してみてください。矯正は治療期間が長いので、やっぱり自分に合う所に通うのが一番です。歯科医師との相性もありますから、何軒か相談に行ってみて自分に合いそうなクリニックを選んでもらうのが良いかなと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは初診相談/3300円、検査費/40万700円、診断費/1万3200円、小児矯正/23万1000~52万8000円、成人矯正/透明な装置:96万8000~118万1400円、歯の裏側の装置:140万8000~162万1400円