久永 浩靖 院長、福本 由美子 先生、岡村 直哉 先生の独自取材記事
久永婦人科クリニック
(奈良市/大和西大寺駅)
最終更新日:2026/02/09
近鉄奈良線の大和西大寺駅北口すぐ、ビルの医療モールにある「医療法人授幸会久永婦人科クリニック」は、開業以来20年以上にわたって不妊に悩む患者に寄り添うクリニックだ。現在は院長の久永浩靖先生を中心に、福本由美子先生、岡村直哉先生の3人体制で、一般不妊治療から体外受精、顕微授精といった高度生殖医療まで幅広く対応。「子どもが欲しい」という願いに真っすぐに向き合い続けている。「不妊治療は患者の人生に寄り添う治療。わが子に恵まれず悩んでいる時、体も心もそっとサポートしながら、一緒に未来へ向かって歩いていければと思っています」。そう語る久永院長の言葉には、これまで数多くの人たちの喜びと悲しみを背負ってきたからこその優しさがにじむ。今回は久永院長に加え、福本先生、岡村先生にも話を聞いた。
(取材日2025年11月18日)
20年以上の歴史を生かした不妊治療の専門クリニック
歴史のあるクリニックだそうですね。

【久永院長】当院は2003年3月に婦人科・不妊治療の専門クリニックとして開業したクリニックです。以来、「赤ちゃんが欲しい」というお気持ちに寄り添いながら、患者さんの思いを実現するためのお手伝いを続けてきました。開業当時は、不妊治療に対して今よりも「特別なもの」「周囲に相談しづらいもの」というネガティブな印象を持たれる方が多く、一人で悩みを抱え込んでしまうケースが少なくありませんでした。そうした時代を思うと、現在は治療がより一般的に理解され、国の助成を受けながら取り組める環境が整ってきたことをうれしく感じています。同時に、治療が広く知られるようになった今だからこそ、患者さん一人ひとりの状況やお気持ちに丁寧に向き合い、より安心して通っていただけるような医療を提供していかなければならないと、改めてその責任も強く感じています。
医師を志したきっかけを教えてください。
【久永院長】歯科医師の父のもとに生まれ、叔父も医師という家庭で育ったことで、医療はいつも身近にありました。そのため、医師という職業は「特別な選択」ではなく、ごく自然に自分の将来として思い描くようになったのだと思います。数ある診療科の中で産婦人科を選んだのは、検査・診断から手術、そして外来での継続的なフォローまで、一連の医療にすべて携われる点に大きな魅力を感じたからです。例えば他科では、内科で病気が見つかれば外科に移り、手術後はまた内科に戻るというように、1人の患者さんを複数の医師で診ていくことが一般的です。しかし私は、疾患だけでなく、その背景にある生活や心の動きまで含めて“人をまるごと診たい”という思いが強くありました。産婦人科であれば、検査から治療、そしてその後の人生にまで寄り添うことができると感じたことが、この道を選んだ一番の理由です。
不妊治療に注力するようになったのはなぜですか?

【久永院長】産婦人科の医師として働き始めてからは、外来診療だけでなく、婦人科疾患に対する腹腔鏡手術を数多く担当し、臨床経験を積むことができました。手術を通して患者さんに貢献し、笑顔で退院されるのを見るのは大きなやりがいでしたが、その一方で、病気や治療をきっかけに「将来、子どもを授かれるのだろうか」と妊孕性に不安を抱える方が非常に多いことに気づいたのです。病気を治療するだけでは、不安のすべてを取り除くことはできません。患者さんにはその先の人生があり、「妊娠・出産」という大切な未来を諦めずに進めるよう支える医療が必要だと強く感じるようになり、自分がその支えになろうと不妊治療専門クリニックの開業を決意した次第です。
医師3人体制で診療もスムーズに
現在の診療体制について教えてください。

【久永院長】開業当時は私一人で診療を行っていましたが、患者さんをお待たせすることが増えてしまったため、現在は3人の医師が連携しながら診療にあたっています。私が信頼する2人に協力してもらえたことで、より安心して治療を受けていただける体制が強化できたと思っています。
【福本先生】私は産婦人科以外にも女性泌尿器科について学んできましたので、不妊治療だけでなく、女性特有の泌尿器トラブルについてもご相談いただけます。また、セックスカウンセラーとして、性交渉に関する悩みを抱える方々のカウンセリングも担当しています。
【岡村先生】私は不妊治療を中心に研鑽を積み、現在は別の不妊治療専門クリニックでの勤務と兼任しながら、週に2回診療を担当しています。高度生殖医療も数多く経験していますので、体外受精や顕微授精についても遠慮なくご相談ください。
診療で心がけていることは何ですか。
【岡村先生】不妊治療は不安が多い治療だと思いますので、治療に取り組むお二人の理解と納得が何よりも大切だと考えています。そのため、まずお二人のお気持ちをしっかりとお聞きすることを心がけています。基本的なことですが、傾聴する姿勢を大切にしています。
【福本先生】妊娠はお一人でするものではなく、相手がいてこそのものです。しかしその分、話しにくいことや悩みも多いと感じています。特に性交渉に関する悩みは人に話すことに抵抗がある方も多いですが、それが妊娠に至らない原因になっていることもあります。だからこそ、スタッフと一緒に話しやすい雰囲気をつくることを大切にしています。
【久永院長】医学がいくら進歩しても、妊娠は奇跡のような出来事です。だからこそ大切なのは、医学的なサポートだけでなく、お二人に寄り添い、心理的な支えをも提供すること。お二人と一緒に歩んでいく姿勢をこれからも大切にしていきたいです。
安心して受診してもらうために、工夫されていることを教えてください。

【久永院長】当院では、土日も診療を行い、通いやすい環境を整えています。不妊治療はどうしても女性の来院回数が増えますが、治療開始前や節目のタイミングでは、男性にも受診いただき、お二人で治療に取り組めるようにしています。また、体外受精の専門知識を持つスタッフや不妊治療相談員も在籍しており、医学的な情報提供に加えて心理的なサポートも丁寧に行っています。私も予約制でセックスカウンセリングを担当しており、診察室ではカバーできない不安や疑問にも対応し、安心して受診していただけるよう努めています。
まだ見ぬ新しい命と出会えるように、患者に寄り添う
不妊治療で悩む方にアドバイスはありますか?

【久永院長】不妊治療で悩んでいる方には、まず一人で抱え込まずに、気軽に受診してほしいと思います。担当医に自分の思いや考えを話すことで、生殖医療の専門家から適切なアドバイスを受けることができますし、自分の体の状態を細かく知ることができます。必要な情報を得た上で悩むことが、新しい命と出会うための近道になりますよ。もちろん、治療の具体的なプランを考えていない状態での受診も歓迎します。妊娠のチャンスは限られていますので、時間を大切にする意味でも「まずは相談してみる」一歩が、とても大切です。
不妊治療の前に知っておいたほうが良いことはありますか?
【久永院長】現代は価値観が多様化し、人生の選択肢も広がっていますが、女性の年齢と妊娠しやすさにはどうしても相関があります。妊娠・出産に適した環境が整う前から「自分はどう生きていくか」を考えるのは簡単なことではありません。だからこそ、私たちのような病院や生殖医療の存在が意味を持つのだと思います。100%とはいえないかもしれませんが、できるだけ後悔の少ない選択ができるよう、当院では若いうちから妊娠について考える「プレコンセプションケア」を重視しており、今後もさらに力を入れていきたいと考えています。生殖医療の進歩によりさまざまな方法がありますので、妊娠や出産について考えることは、自分の体や健康について向き合うことにもつながっていますからね。
読者へメッセージをお願いします。

【久永院長】私たちは開業以来、「もう一人の自分に出会うために」という想いを大切に診療してきました。妊娠した自分、出産して母親になった自分、そして生まれた子ども……それらはすべて、今の自分にとって「もう一人の自分」です。その新しい自分に出会えるよう、私たちは全力でサポートしてまいります。一方で、残念ながら失意のままに治療を終了される方もいらっしゃいます。不妊治療は進歩していますが、それでもすべての人が妊娠・出産できるわけではありません。当院での不妊治療が、患者さんにとって納得のいく選択となり、未来への一歩となることを心から願い、努力を続けていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはブライダルチェック/2万2000円~

