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森岡 壯充 院長の独自取材記事

森岡神経内科

(広島市安佐北区/可部駅)

最終更新日:2021/10/12

森岡壯充院長 森岡神経内科 main

可部駅から徒歩10分、ホームセンターや飲食店が立ち並ぶ可部街道沿いにある「森岡神経内科」。院長の森岡壯充(しょうじ)先生は、長年精神医学と神経内科学を専門に学び、基幹病院で重度の症状や複数の疾患を合併する患者も診療してきた豊富な経験を持つ。医師からの信頼も厚く、他院からの紹介による受診も多い。2002年に開業したという院内は温かな雰囲気で、心が和むような風景画が多数飾られており、森岡院長の患者を優しく思いやる気持ちがうかがえた。「その人らしい生き方のサポートをしたい」と語る森岡院長に、開業したきっかけや診療方針、精神科受診を迷う人へのアドバイスなど、じっくりと話を聞いた。

(取材日2020年8月8日)

精神科・神経内科を分け隔てなく総合的に診療

地域の方が多く来院されているようにお見受けしますが、先生も広島ご出身ですか?

森岡壯充院長 森岡神経内科1

はい、高校まで広島で育ちましたので、今も地元のサッカーと野球チームを熱心に応援しています。実家は自営業でしたが、父が昔は医師になりたかったようで、戦争などでその夢がかなわなかったという話を子どもの頃から聞いていました。私自身も脳に興味を持って医師を志すようになり、東京医科大学に進学しました。精神科や神経内科の道に進んだのは、臨床実習で進行麻痺の患者さんとご家族に出会ったことがきっかけです。脳の病気は、言語や記憶のみならず身体面を含めさまざまなところに影響を及ぼすため、何とかその人らしさや心と体の健康を保てるように力を尽くしたいと強く思いました。そして、広島大学病院、広島市立広島市民病院、広島市立安佐市民病院の勤務を経て、開業に至りました。

開業にはどのような思いがあったのですか?

森岡壯充院長 森岡神経内科2

病院に勤務する中で、精神科受診に対する心理的ハードルの高さを感じていました。当時は患者さんだけではなく、院内の他の科の医師や看護師といった医療スタッフでさえ、偏見が強いようでした。そこで、15年半勤務した安佐市民病院では、他の身体科に精神科のケアを必要としている患者さんがいないか病棟に出向いて診療する活動に特に力を入れて行っていました。体の病気で入院していても心の病気を抱えている方は少なくないのです。こうしてまずは院内の啓発から始め、他の身体科に精神医療の重要性を認めてもらい、精神科に患者さんを紹介しやすい環境を整えていきました。それから、今度は地域の皆さんの中に入っていって、気軽に受診できるような身近な存在になりたいと考えるようになり、開業しました。

病院勤務のご経験はクリニックでも生かされていますか?

広島市民病院や安佐市民病院では、精神科と神経内科を分けずに診療する方針で、当院もそれを踏襲しています。神経内科は主に、運動・感覚や認知機能の障害の診察を行い、疾患としては認知症やパーキンソン病といった変性疾患、脳血管障害“てんかん”頭痛などを対象にしています。精神科はいわゆる心の病気で、うつ病や神経症、統合失調症、発達障害、人格障害、依存症などを診療します。精神科と神経内科は密接に関わり、精神症状と神経症状の両方が現れる病気も多数あります。私は脳全体を診療できる医師をめざして研鑽を積んできましたので、科の違いに悩まずに受診していただければと思います。また、当院では総合病院勤務時と同様にCTや脳波測定のための機器も備え、それらを活用して診療しています。

解決志向型の治療で患者個人個人の問題の解決を

どのような患者さんが多く来院されていますか?

森岡壯充院長 森岡神経内科3

うつ病の患者さんが一番多いでしょうか。他に、神経症、統合失調症、てんかん、認知症やパーキンソン病の診療にも力を入れています。認知症でうつを合併しているケースも少なくありませんので、まずは詳細な問診などによる的確な診断が大切です。また、副院長の佐藤美紀子先生は、児童・思春期の精神科が専門で、発達障害などに対応しています。当院では、臨床心理士2人も非常勤で在籍しており、必要に応じてカウンセリングを行っています。なお、安佐市民病院の頃の患者さんも継続的に通えるように、すぐ近くのこの地に開業したのですが、当時の患者さんにもご来院していただいています。

診療において心がけていることがあれば教えてください。

森岡壯充院長 森岡神経内科4

デリケートなお悩みやご相談が多いですから、対応には配慮が必要だと感じています。1回1回の診療において、しっかりと向き合い、その時点でできることを誠実に行って、満足していただくことが大切ではないでしょうか。精神科・神経内科の病気は一度治療して治るということは残念ながら少なく、多くは継続的に通院していただき、改善や再発予防をめざすことになります。ですから、受診するたびに「来てよかった」と思っていただくことができれば、それが「また来よう」という気持ちにつながり、結果として治療のモチベーションを長く保ち、状態の改善や安定・維持につながるのではないかと考えています。

治療はどのように進められますか?

薬物療法や精神療法を中心に行っていますが、病気や症状で画一的な治療を行うのではなく、その人に合わせた「テーラーメイド型の治療」をめざしています。例えば、薬を選ぶならその人の年齢、体質や生活習慣、他に内服している薬まで考慮して、患者さんと話し合いながら処方を行い、心の病の治療なら就労・就学を含めた生活状況や家族や他者との関係などバックグラウンドまで気を配る必要があります。患者さんによって目標は異なりますし、それによってアプローチの仕方も変わってきます。患者さん一人ひとりの思い、考えを尊重して手助けすることこそが私たちの願いであり、患者さんの改善による笑顔が仕事をする上での原動力です。

心の悩みを気軽に相談できる社会をめざして奔走

院外でも幅広くご活躍のようですが、特に力を入れている活動はありますか?

森岡壯充院長 森岡神経内科5

私は広島県精神神経科診療所協会の会長および、日本精神神経科診療所協会の理事を務めています。特に私はそれらの会員の診療レベルを向上していただくための活動を行っています。精神科の開業医がともに学び、診療のレベルアップを図っていくという形になればよいのではないかと思っています。また、広島県、広島市の精神医療に関する会議の委員を多数兼任しており、精神医療の質の向上に力を尽くしています。もちろん私自身が日々勉強して新しい医学情報も身につけなければなりません。多くの講演会に参加して、まとめのノートを作り、何回も読み返し、最新の学会誌や医学書も熟読します。医師は一生勉強するものだと考えており、勉強できなくなったら辞める時だと思っています。

お忙しい日々の中で、趣味などはありますか?

森岡壯充院長 森岡神経内科6

中学・高校の頃は陸上部、大学時代はラグビー部に入っていましたし、卒業後はテニスにランニング、と常に何らかのスポーツに関わってきました。フルマラソンの大会にも何度か出場しました。スポーツをしているからこそ心と体の健康を保ち、仕事も続けられると思っています。さらに、体の健康と心の健康は互いに関係しあっており、心の健康を保つ意味でも体を動かすことはお勧めです。忙しくてなかなか運動できないという方も多いと思いますが、少しの時間でもいいので工夫して習慣づけることができればと思います。私は純粋にスポーツが好きな気持ちと、心身の健康を保つ目的で、これからもスポーツを続けていきたいと思っています。

最後に読者にメッセージをお願いします。

以前に比べ、精神科に対する偏見ははるかに減り、軽度の心身不調で来院される方も増えています。精神医療受診の心理的なハードルは下がっていると思います。もし、心の不調がありながらも受診をためらっていらっしゃるようでしたら、一度受診してみることをお勧めします。専門家に相談することで、安心できることもあります。私にとって、患者さんが改善され、より良い状態で日常生活を送られていく姿を見るのは一番の喜びです。どうか一人で悩まず、楽な気持ちでご相談ください。

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