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土居 孝至 院長の独自取材記事

どい心療内科

(松山市/大街道駅)

最終更新日:2023/03/17

土居孝至院長 どい心療内科 main

松山市中心市街地にある一番町通り。目の前に路面電車の走る大通り沿いのビル3階に「どい心療内科」はある。院内は、心療内科クリニックには珍しく、小さな子どもが遊べるようなおもちゃが置かれている。「お子さん連れの診療も大歓迎です」と土居孝至院長が話すように、同院には育児中の母親から、会社員、学生、高齢者まで、実に多様な人々が日々抱える心の疲れや悩みの相談に訪れているという。そんな診療の合間を縫って、高齢者施設での訪問診療や、さまざまな理由で学校や仕事に行けない人たちの社会復帰支援活動で県内あちこちを駆け巡る土居院長。日々の診療や社会支援活動にかける思いについて、にこやかに語ってくれた。

(取材日2023年2月7日)

幼児から高齢者まで気兼ねなく足を運べるクリニックに

院内の空間全体がとても温かい雰囲気で、開放的な造りになっている点が印象的です。

土居孝至院長 どい心療内科1

皆さんが思っている心療内科とはずいぶん印象が違うのではないかと思います(笑)。まだまだハードルの高いイメージを持たれがちな心療内科という場所ですが、心が疲れてしまうことは誰にでもあり、決して特別なことではありません。学生さんや高齢の方、普段はお仕事をしている会社員の方から子育てをしているお母さんまで、どんな方でも足を運びやすく、かつ院内で快適に過ごしてもらえるような空間を意識しました。待合室を広く作っているので、閉鎖感をなるべく軽減させているのもこだわりの一つですね。

季節を感じるレイアウトや、たくさんのおもちゃが目を引きますね。

当院では受診の際に「子どもを連れていってもいいですか?」とお問い合わせをいただくことが多いんです。もちろん、お子さん連れの診療も大歓迎です。待合室でお子さんがおもちゃを使って遊んでいると、それをほほ笑ましく見ている患者さんもとても多いです。そんな一幕も、院内の雰囲気を和らげてくれる一つの要因だと考えていますね。私自身も当院に来たお子さんたちが快適に過ごせるようなクリニックにするために、おもちゃインストラクターの資格も取得しました。子ども連れでも気兼ねなく受診できる環境ですので、子育て中のお父さんやお母さんにもぜひ気軽に当院を利用していただきたいですね。

診療を行う際に気をつけていること、大切にしていることはありますか?

土居孝至院長 どい心療内科2

当院では初めてクリニックを訪れた方に、簡単な性格診断のようなテストを行っています。そのテストによって、主に患者さんがどのようなコミュニケーションの取り方を快適と感じるかを探っていきます。端的に結論を述べたテンポ感の良い会話が楽なのか、数字などの根拠をはっきりさせて話すことを好むのか、あるいは感情に共感して寄り添い傾聴してもらったほうが安心するのか、人によって快適なコミュニケーションの方法はさまざまです。一人ひとりに適した方法や形式で対話できると、初めて当院に足を運んだ患者さんも安心するのではないでしょうか。患者さん自身の苦手なことではなく、得意なことや楽なこと、やりやすい方法で問題を解決し、悩みを少しずつ軽減していくことを当院では大切にしています。

学生時代からのフットワークの良さを今に生かして

先生のご経歴についてお聞きします。

土居孝至院長 どい心療内科3

出身は岡山になるのですが、私の父が松山出身なんです。そういった縁もあり、大学は愛媛大学医学部へと進学を決めました。学生時代は、さまざまな人と関わって社会活動・課外活動をすることが好きで、当時は同じ学内の友人より、学外の知人や自分よりずっと年上の知り合いのほうが多かったかもしれません。卒業後は愛媛大学医学部附属病院に3年間、松山記念病院に9年間ほど勤務した後、現在の場所で心療内科として開業しました。おかげさまで2022年で開業20周年を迎えました。

高齢者施設での訪問診療なども行っているそうですね。

当院の休診日を利用して、県内の特別養護老人ホームや福祉施設の利用者の方の診察を行っています。以前は久万高原町で保健師さんと一緒に在宅訪問診療や、公民館でその地域に住む高齢者の方々の相談事業のようなフィールドワークも行っていました。今でも時間が空きそうな時は、相談業務のスケジュールを調整してしまいますね(笑)。

そもそも先生が医師を志したきっかけは何だったのでしょう。

土居孝至院長 どい心療内科4

外科医師をしていた親戚の影響が大きいですね。医師としても人としてもとても優しく、今まで知らなかったいろんな世界を教えてくれた人でした。障害のある娘さんを溺愛していて「この子が苦労しないよう私の全財産を残したい」と話していたのが印象に残っています。その方の息子さんも医師の道へと進んだのですが、親戚の私から見てもとてもいい家族だな、いいお父さんだなというイメージを持っていました。その親戚への憧れが、医師の道を志した原点になっている気がします。

人と人との対話こそが、心の悩みに向き合う本質

クリニックでの診療以外にも、さまざまな社会活動を行っていると伺いました。

土居孝至院長 どい心療内科5

知人のカウンセラーさんや、支援団体の方と一緒に、不登校のお子さんや働くことができないでいる引きこもりの方のための社会支援活動にも参加しています。皆で一緒に畑仕事をしたり公共施設の掃除に従事したりすることで、なかなか外に出られない方々や、人と上手に関われない方々の社会復帰の一助になれればと思い、活動を続けています。それ以外にも、障害者アスリートを支援するNPO法人にも参加していて、就労支援や自立支援、物資や環境整備の支援を募る活動を行っています。

そうした活動の基盤となっているのは、どのような思いなのでしょう。

心療内科の医師として患者さんの診療を行うというよりは、一人の人間として目の前の方のお話に耳を傾けて対話したい、という思いでしょうか。「医師と患者」として診察室で向かい合うよりも、仲間として同じ作業をしたり、活動したりしているシチュエーションのほうが、人は心に抱えている悩みや自分の気持ちを正直に話してくれるような気がします。医師としてクリニックで診療を行うことももちろん大事ではありますが、それとはまた異なるアプローチでいろんな方を直接的に支援できれば、と日々考えていますね。加えて私自身も、やはり多くの方との出会いが自分の人生の糧になると考えています。医師として私ができることは、本当に微々たることですから。たくさんの方と出会って専門的な力を貸していただけていることは、自分の大きな財産だと感じていますね。

今後の抱負や、将来のクリニックとしての目標があれば教えてください。

土居孝至院長 どい心療内科6

引き続き、就労支援活動にも注力し社会復帰のサポートを行っていきます。更に今年より訪問看護や訪問リハビリなどの在宅支援、また不登校者へのシステム作りにも着手していきたいと考えています。今の時代さまざまな社会情勢の影響もあり、やりたいことがあるのに一歩を踏み出せず、モヤモヤとした閉塞感があるのが現状です。すべてを一人で変えることは難しいので、専門性を持った人たちと連携を取り、そのチームで途切れのない継続した支援をしていくこと。それが個々のストーリーに寄り添っていく形となればうれしいです。この方針を大切にして、できることから徐々に取り組み結果を残していきたいです。

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