競技特性に応じた治療とリハビリテーションを
スポーツ専門の外来
つちや整形外科婦人科クリニック
(岐阜市/岐阜駅)
最終更新日:2025/05/26


- 保険診療
整形外科疾患の治療をするだけでなく、スポーツ活動の支援を通じて地域の健康に貢献している「つちや整形外科婦人科クリニック」。スポーツ団体や学校の部活動などに関するサポートを続ける中で2025年、新しく肩と肘に関するスポーツ専門の外来を立ち上げ、専門の医師を迎え入れた。スポーツにおけるトラブルはスポーツそれぞれに特性があり、それらに適した治療やリハビリテーションをきちんと行うことが必須。土屋昭義院長は、「スポーツにおけるトラブル再発防止のためには、トレーニングだけでなく正しいフォームや動きを身につけることも大事」と話す。患者に寄り添い、ともにゴールをめざす同院の診療姿勢についてさまざま聞いた。
(取材日2025年4月16日)
目次
成長期の子どもは特に早めの受診が重要。フォームやバランスの調整によりトラブルの再発防止をめざす
- Q新たにスポーツ専門の外来を始められたそうですね。
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A
▲肩と肘専門の外来を開設
はい、肩と肘専門の外来で、毎週月曜日16~19時に開設しています。担当は岐阜大学医学部整形外科元特任准教授の寺林伸夫先生です。私はもともとスポーツ活動のサポートを通じて地域の健康に貢献したいという強い思いがありました。また、中高生や大学生の選手の診療をしていてレベルの高い選手が増えてきていると感じていましたので、肩と肘専門の外来に力を入れていこうと開設した次第です。一般整形外科疾患の治療目的が日常動作の回復であるのに対し、スポーツ関連の疾患の治療目的は基本的には競技復帰です。スポーツそれぞれの特性に応じたトレーニングやトラブルの再発防止をめざします。
- Q患者層や主訴について教えてください。
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A
▲さまざまなスポーツを通して生じる相談が増えているという
患者さんの年齢は小学生から高齢の方まで幅広く、部活や趣味の他、選手として競技に打ち込んでいる方も来られます。スポーツの種類は、野球やテニス、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、ゲートボールなど多岐にわたります。ドッジボールや空手の方も多いです。主訴としては、膝の半月板損傷や靱帯損傷などの外傷と、オーバーユースによる障害に分けられ、現在、オーバーユースがメインでしょうか。いわゆる野球肩や野球肘、テニス肘、腱板損傷、反復性脱臼、また最近は特にマラソンランナーが増えていることからランナーズニー(腸脛靱帯炎)や脛に痛みが生じるシンスプリントも目立ちます。
- Qリハビリについてもお聞かせください。
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A
▲それぞれに合ったリハビリやトレーニングのアドバイスを実施
現在リハビリスタッフとしては、理学療法士8人、柔道整復師1人、マッサージスタッフ2人などが在籍しており、女性スタッフも多くいます。スタッフそれぞれが専門性に応じた知識・技術を有しており、各自のスポーツ経験も生かして、野球、サッカー、ドッジボール、壮年・高齢者向けのスポーツなどにグループ分けをして、患者さんに合わせたリハビリを行っています。筋力アップのためのトレーニングだけでなく、フォームのチェックや矯正も大事なことで、例えばランナーの方には着地の際の過重のかけ方をアドバイス。ランニングフォームが整うと痛みの軽減が望める他、人によってはタイムが上がることにもつながります。
- Qこちらは地域のスポーツ活動のサポートもされているのですね。
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A
▲院外の活動にも積極的に参加し治療後の様子もみている
スポーツ活動の支援には力を入れていて、岐阜県高校野球連盟や大学・社会人の野球部、サッカー部、スポーツ少年団、ドッジボールチーム、空手の団体などのサポートを続けています。チームサポートとして私やスタッフが試合に帯同するなど院外の活動にも積極的に取り組んでいます。帯同は、試合中のアクシデントに備えることはもちろんですが、復帰された方のプレー中のコンディションを確認するという意味も大きいですね。当院でのリハビリがうまくいったとしても、現場でちゃんと投げたり打ったりできているか、走っても痛みがないかどうかなどを観察する必要があるのです。また当院では、子どもの野球肘の検査にも注力しています。
- Qどのようなときに整形外科を受診すればいいですか?
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A
▲成長期では少しでも違和感があれば受診を勧めている
痛みが出たときはもちろんですが、同じ動作をしていて普段と何か違うという違和感を覚えたら受診していただきたいですね。プロフェッショナルであれば痛くなくてもどこかの筋肉に張りを感じたりしたらドクターチェックを受けますが、本来そのぐらい早く受診していいと思います。特に成長期のお子さんは注意が必要で、痛みが固定化したり骨の成長障害を起こしたりすることを予防したいですね。お子さんの検査、治療はレントゲンの被ばくを考慮し、超音波検査機器を積極的に用いておこなっています。