土屋 昭義 院長、土屋 緑 副院長の独自取材記事
つちや整形外科婦人科クリニック
(岐阜市/岐阜駅)
最終更新日:2025/04/07

岐阜市六条の国道1号線沿いに、総合病院のようなたたずまいを見せるメディカルモールがある。2002年のメディカルモールオープンに合わせて、1階に「つちや整形外科」は開院した。玄関を入ると広大な待合室があり、1階はほぼ整形外科のスペースで、婦人科は2023年8月に2階へ移設してリニューアルオープン。併せてクリニック名も現在の「つちや整形外科婦人科クリニック」に名称変更した。土屋昭義院長はスポーツ医療に注力する整形外科の医師で、妻の土屋緑副院長は産婦人科の分娩や外科手術を経験してきた婦人科の医師。専門領域は異なるが、女性患者への対応で、両医師が連携する場面もあるそうだ。今回は、リニューアルに伴い、婦人科診療への思いと検診の大切さを伝えたいという緑副院長と、それを温かく見守る昭義院長に話を聞いた。
(取材日2023年11月15日)
メディカルモール内で、整形外科と婦人科の医療に貢献
1つの建物内に複数のクリニックがあり、まるで総合病院のようですね。

【昭義院長】2002年にこのメディカルモールを建て、その1階フロアに開院いたしました。私はここ六条で生まれ育って、実家が所有していた土地に加えて周囲の土地を買い足し、こちらを建設したという経緯があります。1階は整形外科とリハビリテーション科の施設で、8人の理学療法士のほか、柔道整復師、マッサージ師などが勤務していますし、規模の大きい運動リハビリテーション設備をそろえているのが特徴です。また、2階には、今年8月には妻の副院長が婦人科スペースを1階から独立させて、リニューアルオープンをしました。
整形外科では、どのような患者さんが多いですか?
【昭義院長】患者さんは、お子さんからご高齢者の方まで、幅広くいらっしゃいます。当院はスポーツ関連分野に注力していますので、スポーツをする方も通院していますし、私がチームの試合の遠征に帯同することもあります。スポーツの選手だけでなく、学校の部活でケガの予防教育をしたり、検査をしたりすることもあります。また高齢の患者さんでは関節の疾患が多いのですが、先進的なリウマチ治療にも取り組んでいます。整形外科では、病気を診るというよりは、普段の生活に即した健康・スポーツ・楽しみなどをサポートできればと考えています。
今回、婦人科をリニューアルされたのはなぜですか?

【緑副院長】私は長年、別の医療機関の産婦人科に勤務して、分娩や手術にも携わってきました。その勤務を続けながら、当院で週に2日の数時間だけ、1階の整形外科フロアで婦人科診療を続けてきました。しかし、婦人科をもっと受診したいという患者さんの要望があると聞き、勤務先を退職して、こちらで外来診療に専心することにしたのです。ちょうど2階の医院が移転することになったので、そのスペースを婦人科専門にさせていただきました。
【昭義院長】婦人科は実は整形外科と無関係ではなく、女性アスリートは生理周期や貧血の悩みを持っていることがあります。また年代が上になると閉経による骨粗しょう症や疲労骨折などが関わってきます。妊婦さんや授乳婦さんでは腰痛を訴える方も多いので、どのような薬や注射をすると良いのかを副院長に相談することもあります。院内でそのような連携ができるので助かりますね。
女性スタッフだけの婦人科で、検診や相談を気軽に
リニューアルされた婦人科の診療について教えてください。

【緑副院長】婦人科の診療にはまだまだ抵抗感をお持ちの方も多いので、なるべく来院しやすいクリニックにしたいという思いで、リニューアルにあたっては気軽にかかっていただける雰囲気づくりを意識しました。私を含めて婦人科のスペースにいるスタッフは全員女性ですから、どの年代の女性も来院しやすいのではないかと思います。診療は完全予約制なので、お待たせすることなく、落ち着いて受診していただけますし、お子さん連れでも一緒に診療室に入室していただけます。患者さんの主訴としては、若い世代だと生理不順や月経困難症、年齢層が高くなると更年期に関する症状が多いですね。あとは子宮筋腫や卵巣腫瘍などの手術治療をした方のフォローなども行っています。何か症状がなくても気軽に検診に来ていただけたらと思います。
婦人科の検診をもっと受けていただきたいという思いがあおりなのですね。
【緑副院長】そうです。当院では、一般的な子宮頸がん検診で異常が見つかった人への精密検査「コルポスコピー検査」まで行っています。特殊な拡大鏡による子宮の入口の観察と、肉片をちょっとつまんで細胞診をする検査で、よりきちんと診断をつけることができるのです。デジタル検査機器を利用して、患者さんに検査画像をお見せしながら説明もするので、より理解していただけると思います。また検診では、経腟の超音波(エコー)検査も併せて行っています。細胞診だけではわからない子宮筋腫や卵巣嚢腫などの病気の発見にも尽力していますので、ぜひお気軽に受けていただきたいですね。
一度の検診で、いろいろな病気がわかるというのはうれしいですね。

【緑副院長】はい。がんでなくても、前がん病変のようなものの診断もつけられます。もちろんその後、どうしたらいいかのご相談までさせていただきます。子宮がん検診では、原則として麻酔はしないので痛みを気にされる方もいらっしゃいますが、組織の採取自体は早い方だとほんの数秒で済んでしまいますので、思うより大変ではないかと思います。婦人科の病気だけではなく、生理周期のコントロール、ピルやホルモン剤の使用や治療に悩んでいる方は、そのご相談もしていただきたいですね。何か症状がなくても、ふらっと気軽に立ち寄っていただけるような婦人科にできればと思っています。
地域に根差し、長く通ってもらえる医院をめざす
お二人はどうして医師になられたのですか?

【昭義院長】私は子どもの頃にサッカーをしていて、何度もケガをしていました。その度に整形外科の先生のお世話になっていて、その経験からいつしかスポーツ医学や整形外科の医師になりたいと思うようになりました。当時、親類に医療従事者者はいなかったのですけれどね。ですから現在もアスリートと交流を持つなど、スポーツ分野に関わる医療に力を入れています。
【緑院長】私も身内に医療従事者はいなかったのですが、人の役に立つ医療分野にとても興味がありました。医療の中でも産婦人科を専門に選んだのは、外来診療だけではなく、分娩や外科的手術などを含めて、人間の体をトータルで診療できる分野だったからです。それにほかの診療科は病気を治療しますが、産婦人科は赤ちゃんが産まれておめでたいですよね。実際、産科の勤務は大変でしたが、そのようなところにも心を惹かれました。
診療する上で、心がけていることをお聞かせください。
【緑副院長】婦人科は怖いというイメージをなるべくなくしたいと思っています。特に10代のような若い女性は、自分の生理のことについてうまく話せないので、そういうこともきちんとお話しできる環境づくりを意識していますね。できるだけ患者さんが話しやすいようにやわらかい雰囲気で「お話を聞きますよ」という姿勢を大切にしています。
【昭義院長】私は、なるべく患者さんの目線になって、患者さんが何を求めているかのニーズを感じながら、それにお応えできるような診療や治療を心がけています。医院としては地域に根差してやらせていただいていると日々、実感していますから、地域の皆さんの健康とスポーツを含めた楽しい生活をサポートできればと思っています。
今後の取り組みと、読者へのメッセージをお願いします。

【昭義院長】現在も高校野球・ドッジボール・空手協会などの依頼でスポーツ活動を支援していますが、これからも院外にも出ていってトレーニング指導など地域のサポートをしていきたいと思っています。そして、女性スタッフだけの独立したスペースで診療を受けられる当院の婦人科をぜひ多くの方に知っていただきたいです。
【緑副院長】婦人科というと、出産したらもう用がないと思われている方もいらっしゃいますが、決してそうではありません。私は中学校で性教育の講話を依頼されることもありますが、若い年代から出産後も閉経後もずっと関係がある科なので、皆さんには婦人科の重要性を知っていただきたいです。そして、患者さんが元気に外来に通えるうちは、ずっとかかって来ていただけるような医院になれたらと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはピル処方(薬剤料のみ)/2750円~