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田中 理香 院長の独自取材記事

スタジオリカクリニック

(筑紫野市/原田駅)

最終更新日:2022/07/08

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2002年の開院から約20年。多くの心の不調と向き合ってきた「スタジオリカクリニック」は、JR鹿児島本線の原田駅より徒歩1分の場所にある。うつ病をはじめ、適応障害、発達障害などに西洋薬だけでなく漢方も取り入れながら診療を行う田中理香院長。心の在り方、性格、環境などが絡み合って起きている現在の状況を改善できれば、薬物療法だけに頼る必要はなくなると考えているのだそう。とはいえ精神科、心療内科というとハードルが高いと感じる人も多いかもしれない。「ここは気づきを得て、自分自身を受け入れるための場所。ただそれだけなんです」とほほ笑む田中院長に、その診療スタンスを中心に話を聞いた。

(取材日2021年6月10日)

女性や子どもが受診しやすいクリニックをつくりたい

まずはこれまでの歩みからお聞かせください。

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私は正真正銘の江戸っ子。生まれも育ちも東京です。1961年生まれなので、まさに高度成長期とともに成長する中、幼稚園くらいの頃だったと思うのですが、最初になりたいと思ったのはお姫さま、その次がいきなり医者だったんですよ(笑)。小学生の時に道徳の番組で取り上げられた医師や本に出てくる医師の姿に影響を受けたのがきっかけとなり、それから自分は医者になるんだと思い込み、杏林大学の医学部へ進学しました。大学時代はまさにバブル。といっても、遊びより勉強に必死でしたね。そして、実際に自分が医学のどの方向に進みたいのか真剣に考え出したのは大学を卒業してからなんです。

大学病院に入局されてから方向性が明確に?

ええ、東京医科大学の精神神経科に入局したものの、当時は専門医教育が今のように確立されていなかったため、2年後にイギリスへ行き、精神分析、力動精神療法のトレーニングシステムがしっかりと確立されたダビストッククリニックの児童・思春期部門の精神科で経験をさせてもらいました。そこは家族歴や既往歴、生育歴の取り方ですとか、かなり詳細に情報を得て、そこからどう組み立てて治療に生かしていくかについて、一人の精神科の医師が考えるのではなく、チームでたくさんのディスカッションを重ねていくんです。本当のチーム医療、そこに引き込まれまして当初は2年の予定だったところ結局6年いました。

では、帰国後どのような経緯で福岡での開院に至ったのですか?

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帰国前に日本のどこに帰ろうかということで、夫が大阪出身、私は東京だったので、それ以外でということになり、札幌、名古屋、福岡に絞った結果、福岡を選んだのです。その後7年ほど勤務医をし、2002年に当院を開院しました。当初は隣にあったマンションの1階にありましたが、数年後にこちらに移転しました。開院をしようと決めたきっかけは、周産期の精神科に携わりたかったからなんです。出産後に気持ちが落ち込んでいたとしても精神科の病院へ来る方はかなり少なかったものですから、それならば自分で女性や子どもが受診しやすい雰囲気のクリニックをつくろうと思ったんです。

さまざまな症状に漢方を用いてアプローチしていく

こちらは、クリニックに来ている感覚がなく、安らげる場所という印象を受けました。

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いかにも医療機関らしい雰囲気ですと患者さんもその枠組みの中の行動になってしまい、行動変容をうまく促せないと考えたんです。そういったことから、患者さんが安らげる場所というのは一番に考えました。この周辺は精神科の病院も多くありますので、うつ病、双極性障害、パニック障害などの患者さんも多いですし、最近は、新型コロナウイルス感染症の流行で心の不調を訴えられる方が増えた印象です。当院の患者層は6割から7割が女性ですが、土曜はお仕事をされている男性の予約で埋まることも。平日の夕方は学校帰りのお子さんたちなど、年齢層も幅広いですね。

お子さんたちはどのような理由で来院されているのですか?

周産期も含めた発達検査のご相談や不登校などが多いですね。ただ私の場合、発達障害に関しては診断ありきではなく、まずは困っていることをサポートするというスタンスです。子どもって皆、何かしらの特徴があるのが当たり前だと思うんです。その子の特徴を問題視するよりも、どう生かしていくことができるかが大事だと思っています。そのようなスタンスでやっているため、診断だけほしい、あるいは学校から診断をもらってきてほしいと言われて来院されるような場合、グレーゾーンという診断になる場合もあるかもしれませんと初めにお伝えしています。まずお子さんやご家族、そして学校でのお困り事などを伺いながら、環境としてのアセスメントをさせていただいた上で、やはり検査が必要だと判断した場合のみ実施しています。

困り事で悩まれているお子さんの受診も多いのですね。

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問い合わせも多いです。ただ、昔も同じ特徴を持つ子はたくさんいたはずです。以前、ある先生が自閉症スペクトラム障害について書かれた本を読んだ時に感動しましてね。なぜかというと、そこに書かれていた内容は自分に当てはまることばかりだったんです。特に幼稚園くらいの頃、畳の上でくるくる走り回って目が回ると仰向けに寝て、天井がまたぐるぐる回るのが楽しくて、それを繰り返していたんですよ。だからといって、今そんなことをしているかというとしませんしね(笑)。大事なのは、その子が今、何に困っているかなんです。それを改善するためにお薬を処方しないと難しい場合はそうしますが、最初からお薬が必要とは考えていませんので、早く結論が欲しい方にとっては時間がかかると思われてしまうかもしれないですね。

ここは気づきを得て、自分自身を受け入れていく場所

ちなみにお薬は漢方でのアプローチもされているとお聞きしました。

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神経症やうつ病、双極性障害の方たちは随伴症状として自律神経症状をお持ちなんです。「漢方?」と思われる方もいると思いますが、患者さんにとっては頭が痛いことが一番の困り事だったりするんですね。頭が痛いから朝起きられない、動悸がするから会社に行けないとなると、そこを取り除かないとその方の生活が楽になりません。そういったことから漢方を勉強し始め、これまでの経験で非常に有用であると感じています。特に女性は更年期も含め、月経にまつわることがきっかけとなってさまざまな症状が出てくることが多いのですが、お薬に抵抗がある方も少なくありません。そんな時に漢方だと受け入れてくださるケースも多いんです。ただ、状況によっては西洋薬を処方する場合もありますよ。

こちらは治療後のサポートも行っているそうですね。

なぜこのクリニック名にしたかというと、写真スタジオって記念写真を撮ったり、撮影する時はすごく集中して臨みますが、それが終われば足しげく通うことはありませんよね。ここもクリニックとしては同じなんです。人生のある一時期において、自分自身を振り返ったりリセットしたりする必要がある時はおいでいただく。困った時のガイド役みたいな感じですね。その一つとして休職中の方などがスムーズな復職をめざしていくためのリワークデイケアも行っています。仕事に復帰するにあたり、多くの方がコミュニケーション上の課題を抱えておられます。心理士たちとのチームでディスカッションを重ねながら全力でサポートしています。

最後に心の不調で悩まれている方々へメッセージをお願いします。

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ご自身が良くなりたいという気持ちがあれば状態は良くなります。ここは患者さんが気づきを得て、自分自身を受け入れていく場所だと思ってください。私たちはあくまでもルートマップをナビゲーションする役目。歩くのは患者さんご自身です。うつ病になった自分は人として駄目だと思っている方が多くおられますが、決してそんなことはありません。誰もがなり得ますし、どこかに、ご自分に合った医療機関があるはずですので、諦めないでください。あと産休明けの復職など周産期に関するメンタルヘルスの不調も少なくありません。当院にはキャリアカウンセラーもいますので、キャリアプランを含めた女性の周産期に関する総合的なサポートを強化していきたいと思っています。一人で抱え込んでいる方がいたら、躊躇せずにいらしてください。

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