小林 照明 院長の独自取材記事
小林皮フ科クリニック
(大阪市淀川区/三国駅)
最終更新日:2026/03/12
取材中も少し冗談を言うこともあるほど、にこやかで親しみやすい印象の「小林皮フ科クリニック」院長の小林照明先生。「三兄弟の末っ子だから、慎重で人の後ろを歩くタイプなんです」とのことだが、薬学部を卒業後、医学部に入学して医師になったことから、意志が強く、努力家であることがうかがえる。大阪大学大学院、アメリカ、メイヨークリニックで長年研究も行いながらも、診察した患者は数多く、臨床経験も豊富で、知識、経験ともに頼りになる医師だ。ゆったりくつろげるクリニックで、開業までの経緯や、専門の乾癬治療、力を入れている紫外線治療について聞いた。
(取材日2017年6月5日)
薬学部から医学部に入学し、ビタミンD研究に携わる
薬学部を卒業後、医学部に入学され、皮膚科の医師を選ばれた経緯を教えてください。

実は兄が医師で、姉が薬剤師なんです。僕は末っ子で、先頭に立たず、人の後ろを歩くようなタイプだったので、きょうだいの後について、まず薬学部で薬剤師の免許を取って、次に医学部に入りました。2人の背中を見ながら育って、後を追うことで両方の免許を取れて、パワーアップできたかなという感じですね。僕のように他の学部を卒業後、医学部に入る方はけっこういます。でも、前の学部のライセンスが医学部で役に立った人は少ないのではないでしょうか。僕の場合は大学で研究に携わったこともあり、かなり役立てられたと思います。皮膚科を選んだのは、治療の結果が目で見えるので、患者さんのお役に立てたと達成感を感じられるからです。検査の数値でしか結果がわからないと、そういう喜びが湧かないんじゃないかなと思ったんです。
大阪大学でのビタミン研究について教えてください。
大阪大学でお世話になった教授が乾癬に力を入れている方で、美容ではなく、治療目的のビタミンD外用剤の研究をされていました。ちょうど細胞などのデータを積み重ねて、薬として売り出そうとしている途中段階で研究チームに入れてもらったんです。僕は薬学部出身で研究にも慣れており、教授がそのことを評価してくれたので、良いタイミングで研究に参加できました。その研究が役立ち、現在ではビタミンDが外用剤として乾癬治療のファーストチョイスとして使われるようになり、健康保険の適用になりました。その教授が、「さらに発展性のあるテーマが見つかるのではないか」と、ビタミンだけではなく、皮膚細胞の研究をしているアメリカへの留学にも推薦してくれました。
大学時代に恩師との出会いがあったとか。

まず最初に挙げたいのは、薬学部の教授です。薬学部を卒業後、そのまま薬学部の大学院に進むことも考えていたのですが、その教授に「あなたの希望どおり医学部を受けていいですよ」と認めていただきました。それがなければ、医学部を受けることなく、そのまま薬学部に骨を埋めたかもしれません。この薬学部の教授がいらっしゃらなかったら、医師にはなれなかったので、とても感謝していますね。それが僕にとって大きな転機だったんです。次に挙げたいのは医学部の教授で、その方がビタミン研究をされているタイミングで、そこに引っ張ってもらえて、さらに留学先も紹介していただけました。恩師には本当に恵まれていて、そのおかげで、現在までキャリアをうまく積めたと感謝しています。
リスクを踏まない、安全性に配慮した、紫外線療法
大学病院を経て開業までの経緯を教えてください。

大学では教授が代わるタイミングで人事異動があることが多く、僕がお世話になった教授が定年になる頃に大学を辞めて、開業しようと思っていました。教授の下で研究もしましたし、ちょうど留学から戻ってきて何年かたったところで、達成感もあり、一区切りついたような感じでした。なので、これからは開業して、患者さんとマンツーマンで話し合うような環境に身を置きたいと思ったんです。場所は何箇所か候補があったんですが、高齢の方も通いやすいように駅前で、大阪市内がいいと思っていました。タイミング良く三国駅前にビルが建つところで募集をかけようとしていたので、ここしかないと思い、ビルができたのと同時に開業したんです。
クリニックではどのような治療を行っていますか?
乾癬の患者さんが多いですね。それから、アトピー性皮膚炎や白斑、掌蹠膿疱症などの患者さんも多く来られます。当クリニックでは、リスクを考えて、強い塗り薬や飲み薬の処方は慎重に行っています。積極的に取り入れているのは、ビタミンD外用剤の処方と、紫外線療法です。紫外線療法は、乾癬、アトピー性皮膚炎、白斑、掌蹠膿疱症などの治療で保険適用になっています。紫外線療法を受けたいと思われて、当院のホームページをご自分で見つけて来院される方もけっこう多いですよ。紫外線療法は、軽症であれば、2~3週に1回くらいと外用薬で対処できますが、ある程度症状がひどい場合は、少なくとも週に1回くらいの来院が必要だと説明させていただいています。
紫外線療法とはどのような治療なのでしょうか。

まず紫外線療法は、安全性に配慮しており、さらに飲み薬や塗り薬などの治療と組み合わせることが可能ですし、それによって早い効果も期待できます。紫外線照射治療器には種類があって、当クリニックでは一度に全身を照射できるもの、部分的に照射するものなど大学病院レベルの台数をそろえています。よって、患者さんの症状に合わせた診察、治療を、短時間で丁寧に行うことができます。なるべく低いリスクで、安全性に配慮した治療を迅速、的確に行うことを当院のポリシーとしております。
「患者さんに合わせたベストな治療」を
治療する際、何か気をつけていることはありますか?

開業してから多くの患者さんを診てきました。最近ではご自分でネットを使って調べて来られる患者さんが多いですが、その反面、ネットの情報が誤っている場合があったりなど、実際の治療と患者さんの思い描いていた治療に差があり、治療に踏み出せない方もいます。なので当クリニックでは、患者さんに合わせたベストな治療法を話し合って、患者さん一人ひとりに合った治療の方向性を決めています。また、患者さんが紫外線療法を受ける際に、紫外線照射器のスタートボタンは私が確認して押すようにしています。設定が間違えていないかの確認と、照射器の中で待っている患者さんの、不安な気持ちを考えてのことです。なので、診察の際に中座をしてしまうこともありますが、ご理解いただきたいと思っております。
治療の際に感じることはどんなことですか?
当院では紫外線治療器をそろえているので、他病院から治療を受けるために紹介されて、来院される患者さんが多いですね。特に、乾癬は難治性のためになかなか治療法がない病気ですという説明を受けて、ご自分で当クリニックのホームページを見て来られる患者さんが目立ちます。そういった患者さんに対して、紫外線療法を中心に、ある程度の効果は期待できますよという説明を行っています。しかし、まだまだ紫外線療法についてご存じない方が多いというのが現状です。なので、より多くの困っておられる患者さんに、有用な治療法があって、その治療を受けることによって、症状の軽減をめざせるということを知っていただく必要があると感じています。そのために私たちもできる限りの努力はしようとしています。
これから来院される方にメッセージをお願いします。
残念ながら、紫外線療法をいまだにご存じない方も多いです。ですから、紫外線療法は、副作用が少なく、保険適用の治療法だということを皆さんに知っていただきたいです。大学病院など大規模病院での紫外線療法だと待ち時間がとても長いことが多いですが、当クリニックのような開業医でも同等の治療が可能ですし、短時間で治療ができるということも知っていただけたらと思います。また、皮膚科では原因がはっきりと解明されていない病気も多いですが、治療の選択肢もさまざまにありますので、一度来院して相談していただければ良いと思います。

