蔡 岳泰 院長の独自取材記事
花野井クリニック
(柏市/柏の葉キャンパス駅)
最終更新日:2025/09/17

「花野井クリニック」は、つくばエクスプレスの柏たなか駅からバスで5分ほどの場所にある。院長の蔡岳泰(さい・たけやす)先生は、大学を卒業後、生活習慣病などの慢性疾患を含めた内科、消化器内科、救急医療を中心に研鑽を積み、2025年4月に同院を父から継承。内科・消化器内科・呼吸器内科・循環器内科診療を行い、2階に新設した内視鏡室で胃内視鏡・大腸内視鏡検査にも対応している。「地域にとって、何でも気軽に相談できるクリニックでありたいんです」と語る蔡院長の穏やかな声音には、隠しきれない誠実な思いがにじむ。そんな蔡院長に、継承の経緯や診療への思いなどについて話を聞いた。
(取材日2025年8月5日)
地域に根差し、病気の早期発見・治療をめざす
院長就任の経緯と、これまでのご経歴について教えてください。

当院はもともと父が開業したクリニックで、循環器内科を中心に長年地域医療を担ってきました。そうした環境に生まれたことと、身近な家族が病気だったことで、何か自分にもできることはないだろうかと思ったのが医師をめざしたきっかけです。杏林大学医学部を卒業後は、順天堂大学医学部附属順天堂医院や市中病院である江東病院をはじめとして、内科、消化器内科、救急医療に携わり、慢性疾患から急性疾患までさまざまな症例を経験しました。7年ほど前から当院の診療にも参加し、ゆくゆくは継承も……と視野に入れていた中で父が体調を崩したことをきっかけに、2025年4月にクリニックを継承した次第です。継承にあたり診療科目も内科と消化器内科、呼吸器内科、循環器内科に改め、自分の専門である内視鏡検査にも対応できるようになりました。地域の皆さんにとって身近で頼れる存在になれるよう、幅広い症状に対応できる体制を整えています。
先生が継承されたことで、クリニックがめざす在り方にも変化があったのでしょうか?
当院が掲げている理念は、やはり「早期発見・早期治療」の一言に尽きます。医療は進歩していて、病気を早期発見できれば、治療によって症状を軽減や寛解へ導いていけるというケースが増えてきました。しかし、がんはある程度症状が進行してしまうと治療の選択肢が限られるため、治療の手立てがなく亡くなってしまう方も多いです。また、糖尿病や高血圧といった慢性疾患も、そのままにしていると脳梗塞や心筋梗塞につながる恐れがあります。これまでたくさんの患者さんを診てきたからこそ、症状が軽かったり自覚がなかったりする段階で早期発見・早期治療に取り組むことを大切にしています。クリニックの一番の強みは、患者さんにとって身近な場所で最初に症状へアプローチできること。定期的な検査で小さな不調を予防につなげ、病気が見つかった際には早期治療へ結びつけることをめざしています。
新設された内視鏡室について、こだわったポイントはありますか?

2階に新設した内視鏡室は、患者さんが安心して検査を受けられることを第一に設計しました。なぜなら、内視鏡検査がつらい記憶になってしまうと受診が遠のき、病気の発見が遅れてしまう可能性があるからです。患者さんの不安が少しでも和らぐよう配慮することが、「また来年も受けても良い」と思っていただけることにつながるのではないかと考えています。そうした考えから、胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査のどちらにも対応しつつ、検査の前後で患者さん同士がすれ違わないよう動線を分けることでプライバシーにも配慮しています。検査後、鎮静剤を使った患者さんはリクライニングつきのベッドを備えた個室のリカバリールームで休んでいただけますので、ご安心ください。検査を受ける前から帰るまでの快適さと安心感の両立こそが、患者さんの健康を長く守るための第一歩だと考えています。
日々の研鑽と患者との対話で信頼を重ねていく
先生が日々大切にされている診療方針について教えてください。

実は、診療への向き合い方は私が継承したことで一番大きく変わった点かもしれません。父以上に、私は患者さんの症状や不安を正しく把握するためには、診察室での会話が欠かせないと考えています。そのため、日々の診療では患者さんが安心して何でも相談できる雰囲気づくりを大切にしています。雑談から病気の兆候が見つかる可能性もありますし、話をすることで患者さんの安心感にもつながります。また、診察の最後には必ず「ほかに気になることはありますか?」と声をかけるようにしています。生活背景や日常の小さな変化までくみ取った上で必要なアプローチに結びつけることが、早期発見・早期治療に直結します。診療を通じて患者さんの安心と信頼を積み重ねていくことで、地域にとって頼れる存在であり続けたいと考えています。
クリニックで受けられる内視鏡検査について教えてください。
当院では胃と大腸の内視鏡検査の両方に対応、かつ、先進の機器も導入し、日帰りで検査を受けられる体制を整えています。胃内視鏡検査では口または鼻からの挿入を選べ、大腸内視鏡検査では痛みを抑えるための挿入法や鎮静剤の使用で、できる限り負担を軽くしています。検査中に見つかった小さな大腸ポリープはその場で切除を図れ、大きなポリープやがんが疑われる場合、速やかに基幹病院へ紹介します。胃や大腸の病気は初期段階では症状がほとんどなく、知らないうちに進行してしまうことも。そのため特に不調がなくても検査を受けることが、安心して生活するための第一歩になります。家族歴がある方や便潜血検査が陽性の方はもちろん、健康診査や人間ドックの延長としての受診も歓迎しています。私自身、順天堂や江東病院で数多く内視鏡検査を経験し、先端治療であるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)も行ってきましたので、安心して検査を受けていただけます。
お話しぶりからも、先生の医療への熱意が伝わってきます。

ありがとうございます。私は医師として、患者さんに信頼される存在でありたい。そうした考えから、これまで内科、消化器内科、救急医療の現場で幅広い症例を経験してきたことに加え、現在も日々の診療を通して学びを重ねています。医療は常に進歩しており、診療ガイドラインや治療法も年々更新されます。直近のガイドラインなどを通して得た新しい知識を診療に取り入れながら、常にアップデートしていくことを忘れないよう心がけています。こうした取り組みを続けることが、地域の方々に安心して受診いただける医療環境づくりにつながると考えています。
小さなことから相談できる、身近なクリニック
他にどのような症状を診ていただけるのでしょうか。

父が主に診ていた高血圧、糖尿病、脂質異常症などの慢性疾患については、私も引き続き診療を行っております。これらの慢性疾患が大きな病気につながらないよう、しっかりとコントロールしていくことを重視しています。地域のかかりつけ医として、ちょっとした不安や体調不良でも気軽にご相談いただけるよう心がけており、採血やレントゲンに加えて、ホルター心電図、呼吸機能検査、CPAP、腹部エコーなど、さまざまな検査に対応できる体制を整えています。また、常に先進的な医療知識をアップデートしながら、患者さんのお悩みに対してできるだけ迅速かつ正確に原因を突き止められるよう努めております。
今後の展望についてお聞かせください。
まだ継承したばかりということもあり、まずは日々の診療を通じて地域の皆さんに新しい当院を知っていただくところから始めています。その上で、内科全般から内視鏡検査まで幅広く対応できる強みを生かし、健康管理の入り口として頼っていただける存在をめざしていければと。今後は、院内で病気について学べる講演会を開いてみたいですね。ホームページの医療コラムもそうですが、患者さんが日常的に健康や病気について考えたり、正しい情報にふれたりする機会を増やしたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私がこれからお越しになる患者さんに一番伝えたいのは、「どんなことでも気軽に相談してほしい」という思いです。小さな不調を見つけたとき、「これは病気かな?」と自信が持てなかったり、「気になる程度だから、相談するほどではないかも」と悩んだりする方もいらっしゃいます。ですが、患者さんがすべてを抱え込む必要はありません。まずはお話を聞かせてください。医師が必要な検査や治療をご提案します。小さな症状や、相談するほどでもないと思っていた悩みでも構いません。地域の皆さんが安心して頼れる場所として、ぜひ頼りにしていただければ幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/3万2000円~(柏市の方、胃カメラつき)、4万2500円~