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野田 勝己 院長の独自取材記事

クリニック天神北

(福岡市中央区/天神駅)

最終更新日:2025/05/08

野田勝己院長 クリニック天神北 main

天神駅の東1b出口から徒歩5分というアクセスの良い場所にあるのが「クリニック天神北」だ。オフィス街の中のビルの1階にあり、オフィスワーカーも多く足を運んでいる。院内は明るいオレンジ色に統一され、受付ではスタッフの明るく丁寧な対応が光る。野田勝己院長は日本糖尿病学会糖尿病専門医で、自身で考えたレシピをホームページのブログにアップするなど、ユニークな取り組みも行っている。薬を処方することだけが治療ではないと語り、「患者さんの言葉には病気のヒントが隠されている。だからこそ対話を大切にしています」と、患者の声に耳を傾けながら、日々病気と向き合っている。食事指導も取り入れ、自身でもジョギングなどを実践しているという先生に、治療における考え方などを聞いた。

(取材日2020年9月1日)

薬を出すことだけが治療ではない。不定愁訴にも対応

地下鉄天神駅から徒歩5分ほど、西鉄福岡駅からも徒歩10分以内と、アクセスの良い立地ですね。

野田勝己院長 クリニック天神北1

この辺りはオフィス街ですから、人通りが多いですね。仕事のお昼休みや帰りがけにも通いやすいからと当院を選んでいる人も多いようです。見かけて気になって来院したという方もいれば、ホームページを見て、という方もいます。一番多いのはご紹介、つまりクチコミです。私は開院前、原三信病院に勤めていましたから、その頃から通ってくださっている方もいます。長い方だと20年以上の付き合いになりますね。

患者さんは、どういった症状を抱えて来院するのでしょうか?

私は日本糖尿病学会の糖尿病専門医ですから、やはり糖尿病に関することが最も多いですね。その中でも当院ならではの特色として、いらっしゃる方は大きく2つの種類に分けられます。まず1つ目は、「お薬をあまり飲みたくない・使いたくない方々」。まだ検診で引っかかっただけで、自覚症状などもなく、まずは相談したいという方もいますし、他院でお薬だけを出されそうになって困って来院する方もいます。健康診断で糖尿病だとわかったものの、合併症や自覚症状もないため、お薬を飲むことに抵抗があるという方も多いんですよ。そういった方にはお薬を必ずしも出すというのではなく、運動療法での経過観察をお勧めする場合もあります。

お薬を出さないという選択も可能なんですね。もう一方はどのような方なんでしょう?

野田勝己院長 クリニック天神北2

不定愁訴です。糖尿病を抱えている方には不定愁訴を訴える方は割と多く、めまいやふらつき、胃腸の不調などの相談も多いんです。そういった場合には西洋の薬では対応できないことが多く、漢方薬を処方することもあります。中国伝統医学について書かれた古典があるのですが、奥が深く、患者さんと向き合う姿勢を教えてくれる書物だと感じています。これからも勉強し続けたい分野ですね。

生活背景にあるものを読み解き、患者中心の医療を提供

先生のモットーや、大切にしていることは何でしょう?

野田勝己院長 クリニック天神北3

患者さんの声に耳を傾けることです。同じ糖尿病であっても、一人ひとり症状も違いますから、当然ながら治療の方法も変わってきます。そのためには患者さん中心の医療を行っていくことが大切だと考えています。先ほども言いましたように、症状がないから薬を飲みたくないという方もいらっしゃいます。そういった方と症状がある方に、同じ薬は処方できませんよね。当院では患者さんの意思を顧みず薬を処方するということはしませんし、血糖値の目標などを決める場合も、患者さん一人ひとりに合った数値で見ていきます。あくまで患者さん中心なんです。

そういうふうに考えるのはなぜでしょうか?

年齢や性別だけでなく、患者さんの生活様式はさまざまです。ですから、単一の治療法は難しいだろうと考えているんです。薬を飲みたくない方もいれば、逆に体調に不安が残るから薬を飲みたいという方もいます。しかしどの場合でも「あなたはこういうケースだから、薬を使わなければならない」と論理的に説明することができます。薬にしろ体重のコントロールにしろ、患者さん一人ひとりに合ったオーダーメイドの方法を提案することが大切ですよね。

一人ひとりに適した提案をする、そのために重要なポイントは何だとお考えですか?

野田勝己院長 クリニック天神北4

患者さんが抱えている言葉を引き出すことです。患者さんの中には「この先生にこんなことを相談していいのかな?」と遠慮する方も多いんです。例えば、当院は内科ですから、めまいや耳鳴りといった症状は耳鼻咽喉科で相談すべきだと思い込んでいらっしゃるんですね。ほかにも「こんなことを言うと怒られるのではないか」と思っている方もいますよ。当院であったケースでは、急に血糖値が悪化した方の話を聞いていくと、どうやら奥さんが喫茶店を始め、残った食事を2人で食べていたことが原因だとわかった、という方もいました。食べることは悪いことではありません。どう食べているのかが問題なのです。情報が足りないと診断を間違う恐れもあります。患者さんとの信頼関係を築き、会話の中から治療のヒントを得る。そのためにもしっかり対話していくことが肝要ですね。

食事も運動もまず自分がやってみる。患者第一の治療

ホームページでは、糖尿病患者さんのためのレシピを掲載していらっしゃいますね。

野田勝己院長 クリニック天神北5

糖尿病、中でも2型糖尿病の患者さんには、食事療法は欠かせません。朝食は果物などを含め十分に水分を取り、昼食は量を少なめにし、夕飯は普通の量にするのが、急激な体重の変化やリバウンドを抑え、体重を減らしていきやすい方法だと患者さんにはお伝えしています。私が所属しているアメリカの糖尿病協会でも、食事の大切さは以前から語られていました。そんな中で管理栄養士さんとやりとりしていくうちに、自分で作ることに興味を持ったんですよ。家を出る前には家族の分を含めたお昼ごはんを作り、自分の分はお弁当に詰めてここに来ています。夕飯を作ることもあります。料理はとても楽しいですね。自分でやってみることが大事ですし、実際にどのような添加物が入っているのかなどもわかりますから。

ご自身でお弁当も作っていらっしゃるんですね。運動で取り組んでいることはありますか?

早朝に40分ほど、スロージョギングを楽しんでいます。家は東区の高美台地区なので、走りやすい環境でもあるんです。山に登れば神社などもありますからそこに参拝したり、休日ならば10キロほどの距離を走ることもあります。料理にしろ運動にしろ、自分でやってみないことには患者さんにも真実味をもって提案できませんからね。甘いものを食べる時も、一気に食べすぎないよう注意しているんですよ。好きなものを食べたいのは誰でも同じ。だからこそ、どう食べると体の負担にならないのか、といったことを考えるのが、非常に大切なポイントになってくるのです。

では最後に、読者へのメッセージをお願いします。

野田勝己院長 クリニック天神北6

薬をたくさん出されて困っている、インスリン注射を勧められるけど抵抗がある……などと悩んでいる方は、ぜひ相談していただきたいですね。ほかにも、内科・耳鼻咽喉科など、あちこちの科や病院にかかっているけれど、1ヵ所で総合的に診てほしいといった声にも、当院ならば対応できるのではないかと考えています。何度も言いますが、治療で大切なのはしっかり対話し、自分の体の状態を知り、自分の意思を持つこと。そして無理をせずに病気と付き合っていくことです。そのためのお手伝いができると、私は考えています。ぜひいろんな話をしながら、一緒に人生を歩いていきましょう。

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