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津田 正彦 院長の独自取材記事

つだ小児科クリニック

(世田谷区/松陰神社前駅)

最終更新日:2025/06/13

津田正彦院長 つだ小児科クリニック main

東急世田谷線・松陰神社前駅から徒歩で約2分。津田正彦院長が1999年に開業した「つだ小児科クリニック」は、一般小児科のほか、アレルギー科、乳幼児健診、予防接種などに対応する。開放感にあふれた待合室にはキッズスペースを設け、知育玩具などを数多く取りそろえている。診療室には、月ごとにオブジェや絵画を飾り、診療の緊張が和らぐような温かい空間づくりを意識している。長年の病院勤務で培った知識と経験を生かした「正しい診療」に努め、ガイドラインに沿った診療を行っているという津田院長に、同院の診療の特徴や、近年の子どもたちが抱える課題などについて深掘りしてもらった。

(取材日2025年4月30日)

「正しい治療」を追求し、子どもの心身をサポート

1999年の開業以来、地域のお子さんがたくさん来られているのですね。

津田正彦院長 つだ小児科クリニック1

地域のさまざまな年齢のお子さんたちが来られますが、病気を早い段階で見つけられるよう一生懸命取り組んでいます。私は日本大学医学部、日本大学大学院を経て、長年病院に勤務していたのですが、世田谷にいる先輩が声をかけてくださり、1999年にこの地に開業しました。この地域には、東邦大学医療センター大橋病院や東京医療センター、関東中央病院、国立成育医療研究センターなど大きな病院が複数あり、当院で対応しかねる疾患の治療やより詳しい検査が必要になった時は、迅速にご紹介できるところが、患者さんにとっても安心だと思います。一般小児科のほか、アレルギー科、乳幼児健診、予防接種に加え、近年では子どもの心の診療にも対応しています。私自身、一人の親としても子育てを経験し、その楽しさも大変さもわかります。保護者の方に対しても、その方に即したアドバイスをしたり、必要な情報を提供したりしています。

先生が診療で大切にしていることを教えてください。

「正しい治療」をモットーとしています。その実現のため、常に新しい医学的知見に基づいた診療を心がけております。医療における「正しさ」は一義的に定義することが難しい側面もありますが、現時点での臨床ガイドラインは、診療における大切な指針となります。熱があるから抗生剤を、傷があるから消毒を、吐いているから吐き気止めや点滴を希望されるかもしれませんが、現在は必ずしもそれらは正しくはないとされています。患者さんへの説明においては、ガイドラインの内容をよりかみ砕いて丁寧にお話しし、理解を得られるよう努めております。時には、お伝えした内容の十分なご理解を得られていないと感じる場面もありますが、1人でも多くのお子さんの、1つでも多くの疾患に対して、適切な診断と治療を提供したいと願っています。

乳幼児健診で大切にしていることを教えてください。

津田正彦院長 つだ小児科クリニック2

ただ単に体をチェックするだけでなく、保護者の方に向け、その時期の赤ちゃんやお子さんに気をつけてほしいこと、例えば起こりやすい事故のことや発達のことなどについてしっかり説明するようにしています。以前は、健診で異常がない場合「何も問題ないですよ」というだけで終わることが多かったと思いますが、近年は「バイオ・サイコ・ソーシャル」という考え方で子どもを診ていくことが推奨されつつあります。これは、「体のことだけではなく、心のことや子どもを取り巻く周りの環境など、いろいろな面から子どもの成長を見ていきましょう」という考え方です。アメリカで以前から推奨されていたのですが、日本にも広まってきており、当院でもこの考えに倣っています。当院のホームページに「子育てアドバイス」というコーナーがあるのですが、そこに「〇ヵ月健診が終わったら」「〇ヵ月健診でよく聞かれる質問」などのコラムも載せています。

子どもの心の健康への取り組みにも注力

小児の眼科疾患の早期発見につながるビジョンスクリーニングを行っているそうですね。

津田正彦院長 つだ小児科クリニック3

当院では、木曜日を除く2時〜3時の生後6ヵ月以降の乳幼児健診の際、ビジョンスクリーナーによる弱視などのスクリーニングを行っています。部屋を暗くして、スポットビジョンスクリーナーという機器を使用し、数秒間カメラのような機器を見つめてもらうだけで検査できます。この検査で弱視などの疑いがある場合は、専門の眼科に紹介することになります。ただ、3歳未満の検査は精度が高くはないため、すぐに眼科に紹介するわけではなく、次の健診で再検査したりするなど状況に応じ対応しています。もう一つ、赤ちゃんの目の病気を見つけるため、ペンライトなどを使って瞳孔に光を当て、赤色の反射(レッドリフレックス)を確認しています。白内障・緑内障・網膜剥離・網膜芽細胞腫などの目の病気は、生後2ヵ月くらいまでに見つけることが大切です。6ヵ月健診でも診ることがありますが、生後2ヵ月で予防接種に来た赤ちゃんは、必ず診るようにしています。

最近の患者さんで気になることはありますか?

お子さんの心の病気、例えば発達障害やうつ病などの相談に来られる方が、ここ15年くらいで増えてきたように感じています。これは、心の病気に対する社会的な認知度が高まってきたことが大きいのではないかと思っています。また、保育園や幼稚園の先生方から「一度専門機関に相談してみてはいかがですか?」と声をかけられたことをきっかけに受診するケースもあるようです。当院でも、臨床心理士の先生によるカウンセリングに加え、私も対応しています。主に不登校のお子さんの話を聞くことが多いですね。新規の方のご予約はなかなか難しい状況ですが、以前から継続して通院されているお子さんで、最近様子がおかしいとか、何か気になることを話してくれる、などといった場合には、時間をかけて話を聞くようにしています。

子どものうつ病も増えているそうですね。

津田正彦院長 つだ小児科クリニック4

うつ病は、最初は見た目ではわかりにくいことが多いんです。おなかが痛いとか、頭が痛いとか、学校に行きたがらなくなるといった症状で気づくことがあります。うつ病は、最悪の場合命に関わることもあるので、早期発見が非常に大切です。うつ病の原因はさまざまですが、発達障害のあるお子さんは、うつ病になりやすいといわれています。患者さんの心のケアで大切なのは、教科書的ではありますが、「傾聴と共感」だと考えています。じっくりと話を聞いて、その気持ちに寄り添うこと。そして、彼らの言うことを否定しないように心がけています。すぐに心を開いてくれるわけではありませんが、そうしているうちに、少しずつでも「ここに来ても良いんだ」と思ってもらえればと思っています。何も特別なことができるわけではありませんが、「話を聞いてくれる人がいる」という希望を持ってもらうことが、改善への第一歩だと信じています。

研修医を受け入れ、地域医療の現場を見せる

診療以外に取り組んでいらっしゃることはありますか?

津田正彦院長 つだ小児科クリニック5

都内の大学病院で学ぶ研修医を受け入れ、当院で私が実際に患者さんと接する様子を見せることで、地域の小児科クリニックの医療を体感してもらっています。大学病院では重い病気の患者さんが多い中、予防接種や健診、一般的な風邪の診療など、地域に根差した医療の第一線の現場を若手医師たちに見せることは、将来彼らが小児科医療を担う上で、非常に重要な経験になると考えています。

お忙しい日々とは思いますが、リフレッシュ法を教えてください。

以前は愛犬の散歩を日課にしていたのですが、昨年、2匹の愛犬が亡くなってしまいました。しかし、散歩そのものは健康のために続けようと決意し、今でも毎朝1時間ほど、亡くなった愛犬たちと一緒に歩いているような気持ちで散歩を続けています。また、スポーツも好きで、特にゴルフを楽しんでいます。ゴルフは自然の中で体を動かすことができ、気分転換にもなりますね。

最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

津田正彦院長 つだ小児科クリニック6

今後も「正しい治療」をめざし、患者さんたちに貢献していきたいと思います。また、子どもがいるのですが、大きくなり私と同じ小児科医となりました。現在は都内の病院に勤務していますが、ゆくゆくは後継者とするべく当院の未来を考えていきたいと思っています。もちろん、私自身はできる限り臨床の場に立ち続け、時代に応じた医療を展開するためにきちんと勉強し、知識を更新し続けていきたいと思います。お子さんの心身の様子について、子育てについて、何でも相談しにいらしてください。

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