椎原 秀樹 院長、椎原 紗圭 副院長の独自取材記事
椎原眼科医院
(霧島市/隼人駅)
最終更新日:2025/12/11
隼人駅から車で約3分の場所に位置する「医療法人ひとみ会 椎原眼科医院」は、1986年の開業以来、40年近く診療を続けてきた。椎原秀樹院長は、2024年10月に父の椎原芳郎前院長から同院を継承した。秀樹院長は緑内障を専門とし、鹿児島大学医学部・歯学部附属病院で緑内障専門の外来の責任者として長年勤務した経験を生かし、緑内障の急性期の治療だけでなく、ロービジョンケアを含めた生涯にわたる患者のサポート体制を整えている。副院長を務める妻の椎原紗圭先生は、涙道や目の周りを専門とし、開業後も専門性を磨き続けている。また、美容に関する相談にも対応しており、しみやしわに対する美容施術も提供している。秀樹院長と紗圭副院長にそれぞれの専門性やクリニックの方針について話を聞いた。
(取材日2025年11月14日)
父の背中を追って医師の道へ
眼科医をめざしたきっかけをお聞かせください。

【秀樹院長】父が眼科医でしたので、小さい頃から「後を継ぎなさい」と言われていて、物心ついた頃から自然と眼科医をめざすようになりましたね。父は責任感がとても強く、必死に病院を守っている姿を見ていました。父が体調を崩して倒れたことがあり、私が支えなければという思いが強くなりました。
【紗圭副院長】父が麻酔科医だったので、医師という職業が身近な存在でした。自宅で勉強している姿を見て、医師は家に帰ってもやることが多く、たくさん勉強しなければいけない職業だと感じていました。眼科を選んだのは、目はすごく小さな臓器なのに人にとっての意味合いはとても大きいからです。そこに携われたらと思い眼科医を選びました。
どのように専門性を磨いてこられたのでしょうか?
【秀樹院長】鹿児島大学病院に入局して、ほとんど大学病院で過ごしました。緑内障をメインに診てきて、緑内障を専門とする外来の責任者を務めていました。専門性を磨く上で一番大きかったのは、尊敬する3人の先輩に恵まれたことです。1人目は教授で、研究だけでなく患者さんとどう向き合うのかを指導していただきました。2人目は同じく開業医の息子さんの医局員で、開業医としての患者さんへの対応をたくさん学ばせてもらいました。そして3人目の手術の師匠からは、手術への向き合い方を教わりました。やはり人が一番で、いい師匠に恵まれたことが何よりも良かったです。
【紗圭副院長】大学病院で目の周りや涙道を専門に、臨床畑でずっと学んできました。開業してからも県外に学びに行くなど、今も専門性を磨き続けています。子どもを育てながらですが、勉強する時間を作るようにしています。
院長のご専門である緑内障について、患者さんに知っておいてほしいことはありますか?

【秀樹院長】緑内障は症状が出てからでは遅い病気です。自覚症状がなくても受診しなければいけない病気なんですね。学会でも推奨されていますが、40歳を超えたら年に1回は健診のつもりで眼科を受診してほしいと思います。一番大事なのは早期発見と、治療を継続していくことです。ずっと通い続けるのは大変ですし、実際には継続が難しい患者さんもたくさんいらっしゃいますが、定期的にメンテナンスをしていくことが大事だと考えています。
涙道疾患の治療にも力を入れているとお聞きしました。副院長から伝えたいことはありますか?
【紗圭副院長】涙で困っている方はすごく多いんです。涙が出る症状は年齢を重ねると皆さんある程度出てくるのですが、見えなくなるわけではないので、患者さんもそれほど強く訴えるわけではないんですよね。でも、実は涙が出る症状に対する治療があるので、そのことを啓発したいと思っています。諦めている方が多いのですが、できることはここでも対応しますし、できないことであれば専門施設に紹介して対応します。
コンタクトから美容まで、多様なニーズに応える
副院長は美容の施術も担当されているそうですね。

【紗圭副院長】美容については、ボツリヌス毒素製剤を用いたしわのケアやしみに対する施術などを行っており、目の周りの美容に注力しています。眼科への受診をきっかけにご自身のお顔を見て、しみがあることにびっくりされる方も多いと思います。美容医療は受診のハードルが高いイメージがありますが、いつも通っているクリニックでニーズにお応えできればという思いで施術を提供しています。20~30代の若い方から80代の方まで、幅広い年齢層の方に来ていただいています。
現在の患者層について教えてください。
【秀樹院長】患者層は幅広いですね。父の代からコンタクトレンズ処方の患者さんが多く、10代の頃に当院に来院し、40代になってもずっと通ってくださっている方がいらっしゃいます。ただ、緑内障や涙道の症状は高齢の方に多い病気なので、最近はご高齢の患者さんもたくさん来られています。また、複数の学校で学校検診を担当していますので、健診で再検査になり来られるお子さんも多いです。
診療において特に意識していることはありますか?

【秀樹院長】せっかく来院していただいたので、何か一つでもいいことを伝えたいと思っています。些細なことでも、症状に対してちゃんとケアや治療法があることを説明するようにしています。遠方から2時間くらいかけて来てくださる方もいらっしゃいます。わざわざ時間をかけて来てくださった気持ちに応えたいという思いが一番です。
【紗圭副院長】患者さんの話をできるだけ丁寧に聞くようにしています。薬を出して終わりにならないように、しっかり話を聞いて、納得できるようわかりやすく説明することを心がけています。特にロービジョンケアにおいては、生活の中の困っていることに対して一つでも多く力になれるように、しっかりと時間を確保してお話ししています。
地域に根差して40年。幅広い世代が来院
長く信頼関係を築くためにどのようなことを大切にされていますか?

【秀樹院長】父から「来てくれる患者さんは最後までしっかり診なさい」と言われました。それが印象に残っています。診療していると、さまざまな患者さんとふれあうことがあります。来てくれている患者さんに対してはとにかく真摯に向き合って、決して見捨てないという気持ちで診療しています。
プライベートはどのようにお過ごしですか?
【秀樹院長】子どもがまだ小さいので、2人とも趣味らしい趣味はないのですが、毎週子どもと出かけるのが一番リラックスできる時間ですね。ショッピングモールで遊んだり、公園でサイクリングをしたり、温泉に行ったり。家族でのお出かけが休日の過ごし方です。
今後の展望をお聞かせください。

【秀樹院長】緑内障はありふれた病気ですが、専門的に治療することが難しい面もあります。大きな病院で手術をしたとしても、一生診続けなければいけない病気です。開業医ですが、専門的なこともしっかり行いながら、緑内障を一生診ていける病院にしたいと思っています。特に力を入れているのがロービジョンケアです。緑内障は見えにくくなってしまう病気ですが、手術後に見えない人がどう生活していくかを支えるのがロービジョンケアで、副院長が専門家として担当しています。緑内障患者さんの一生を、急性期症状の治療から生涯にわたってしっかり支えられるクリニックとして、地域で一番の緑内障専門家でありたいというのが私の思いです。
最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。
【秀樹院長】どんな些細な症状でも構いませんので、気軽に相談してください。眼科で検査をすることで別の病気が見つかることもあります。まずは気軽に来ていただくことが一番大事だと思います。
【紗圭副院長】涙や目の周りのできものなど、どこに相談していいかわからない患者さんもいらっしゃると思います。まずは相談してみてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはボツリヌス毒素製剤を用いたしわのケア ¥1万3200~、しみのケア ¥1万5400~、たるみのケア ¥6万6000~

