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有沢 祥子 院長の独自取材記事

星ヶ丘皮フ科

(名古屋市千種区/星ヶ丘駅)

最終更新日:2021/10/12

有沢祥子院長 星ヶ丘皮フ科 main

星ヶ丘駅から徒歩約1分。大通りに面したビルの2階に「星ヶ丘皮フ科」がある。正面入り口とは別に、ビルの裏手に7台分の駐車場が用意されて、そちらからの入り口はスロープになっている。クリニック内部は全体が円形になっているような造りで、待合室は優しい気持ちになれるようなピンク、診察室は落ち着けるようにとブルーのインテリアで統一されている。大学では現代医学の手法を学びながら、癒しの医療を実現するためには環境・ 食物・心の成長が不可欠として、トータル的な治療をめざす有沢祥子院長の元には、遠方から来院する患者も多いという。和やかに話す笑顔の奥に、医療にかけた熱い思いと旺盛な知的好奇心を潜ませた有沢先生に、いろいろと話を聞いてみた。

(取材日2016年8月9日)

内面からの美しさを引き出す治療をめざす

まず、医師になられた経緯を教えてください。

有沢祥子院長 星ヶ丘皮フ科1

子どもの頃はすごく元気で正義感が強く、無医村のことを作文に書いたりしていました。医師になる道を選んだ根底には、そういった気持ちがあったのかも知れません。大学卒業後は、名古屋大学の皮膚科の医局に入り、そこでは膠原病の臨床を数多く経験しましたが、ちょうどアトピー性皮膚炎がすごく増えた時期で、興味を持つようになりました。アトピー性皮膚炎は、日本で特に多い病気で、海外に行くと症状が出なかったり、帰国するとまた発症したりします。そういった謎を解くための20年間でした。でも複合的な謎がひとつひとつ解けていき、現在の私にとって、アトピー性皮膚炎の治療は難しいものではなくなっています。大学にいたときから亜鉛を取り入れた治療も研究していましたが、大学の方針もあって新しい治療法を独自に実践するのは難しく、そういった理由もあって、こちらで開業することにしました。

こちらとは別に「七つ星皮フ科」も経営されていますが。

開業した後、亜鉛に関する著作を出版した頃、患者さんがすごく増えてしまい、大変だったんです。それで患者さん一人ひとりの診察に十分な時間を取れるように、「七つ星皮フ科」を開設しました。こちらは一般皮膚科、そちらは美容皮膚科をメインにしていますが、私としてはどちらも差はありません。当院でも美容皮膚科の診療も行っていて、男性の患者さんもいらっしゃいます。どちらも病気を治療しながらさらに美しくなるという、内面からの美しさを引き出す治療をめざしていて、それにはふだんの食事も深く関わっています。その上で一般的な治療があり、さらに美容皮膚科もある。欲張りな性格なので、いいものは全部取り入れたいと思っています。でも皮膚って本当にだいじで、皮膚の治療をすると、例えばリウマチの症状が変化することもあるんです。そういったことも、患者さんとコミュニケーションを取りながら、こまかく説明していきます。

患者さんはどういった症状の方が多いんですか?

有沢祥子院長 星ヶ丘皮フ科2

やはりアトピー性皮膚炎、にきび、湿疹といった症状の方が多いですね。アトピー性皮膚炎の方は、いろんな病院を転々とされてきた方も多いです。当院では、アレルギーよりも栄養のバランスに重きを置いて、ビタミンやミネラルの量、エネルギー代謝といったことも検査しています。アトピー性皮膚炎の患者さんは、ミネラルが不足していることが多いんです。さらに、日本では食品添加物や農薬が多く使われていることも問題です。虫がつかない、腐らない食品が多すぎると感じますね。また、皮膚には40種類の肌フローラ(皮膚常在菌)が存在しています。いい細菌が常在している人は皮膚の状態もいいんですが、アトピー性皮膚炎の人は常在菌も違ってしまっています。いい菌を常在させるには、添加物や農薬を使用した食品を摂らないことが大切なんです。

患者の望みを考え、誠心誠意診療にあたる

アトピー性皮膚炎の患者さんの年齢層も幅広いのでしょうか?

有沢祥子院長 星ヶ丘皮フ科3

お子さんのほうが多いですが、お子さんは治療が終わるのも速いですね。その一方で、80歳でアトピー性皮膚炎になってしまう人もいます。そういった方の話を聞くと、自分で食事を作らず、できたものを購入することが多いんですね。日本でも30年ほど前までは、成人でアトピー性皮膚炎の患者さんはいませんでした。もともと「アトピー」の語源は「奇妙な」というような意味で、子どもやアレルギーのある人がなるものだとは限らないんです。外国の方で、日本に住むようになって症状が現われたという人もいます。やはり日本の環境に問題があるということだと思います。添加物や農薬のことを勉強すると、海外との違いにびっくりすることもありますよ。

皮膚科以外のことも勉強されているんですね。

そうですね。美容外科の治療なども含め、新しいものを積極的に取り入れるようにしています。とにかく困っている患者さんに対して、何かできる方法はないかと、日々勉強しています。サプリメントに関しても、昨年末から新たにMSM(メチルサルフォニルメタン)というイオウのサプリメントに着目しています。日本では論文を探してもなかなか見つけづらいサプリメントですが、アメリカではすでに膨大なデータが公開されています。亜鉛もそうでしたが、私が気になるのは「はしり」のものが多いですね。

診療にあたって大事にしていること、心がけていることを教えてください。

有沢祥子院長 星ヶ丘皮フ科4

やはり患者さんへの説明や指導をいかに上手にしていくか、ということですね。患者さんが何を望んでいるかをよく考え、誠心誠意診療にあたることがだいじだと思っています。でも患者さんの望んでいることが、病気が悪くなるほうに向いていては何にもなりませんから、そういうときはよくなる方向に変えていかなくてはいけません。特にアトピー性皮膚炎などの場合、治療の結果が出るまで時間がかかることも多く、何か一つ見えてくるまで半年ぐらいかかることもあるんです。その間不安になる患者さんもいらっしゃいますが、患者さん本来の姿を取り戻すことが使命だと考え、できるだけ丁寧に細かく説明することで、理解してもらえるように心がけています。

スタッフと共に常に全力で患者と接する

どのようなスタッフの方が多いですか?

有沢祥子院長 星ヶ丘皮フ科5

スタッフは家族と同じだと思っています。いつも「来られる患者さんとスタッフにとって素晴らしい時間を過ごせることに感謝します」という言葉で朝礼を始めているんですが、うわべだけでなく心からそう思えるようにと、いつも願っています。患者さんみんなが幸せになれるようにしたい、という気持ちが強いんです。長く一緒にやっているスタッフは、そういった私の気持ちを理解してくれているはずです。一緒に処置などをしていても感じますが、余計なことは言わなくても、必要なことは伝わっていると思います。

今後の展望をお願いします。

常に全力投球のつもりでやっているんですが、知らないことはまだたくさんあります。先ほどのMSMもそうでしたが、毎年何かしら新しい発見があり、今後もそうだろうと思っています。また、そういった探究心は常に持ち続けたいと考えています。それは誰かが教えてくれるものではないんです。教えてもらえることは、すでに他の人がやっています。それでも治らない患者さんがいるから困っている。その答えは自分で探さないといけないのだと思います。そのためのアンテナはいつも立てていたいですね。

読者に向けてメッセージをお願いします。

有沢祥子院長 星ヶ丘皮フ科6

皮膚の症状についてはもちろんですが、それ以外でも「体調がちょっと今までと違う」とか「体質を改善したい」とか「でも薬はあまり飲みたくない」という希望のある人がいたら、相談してほしいと思います。もちろん必要な薬は出しますが、薬を上手に使うのはなかなか難しいんです。絶対に副作用もありますから。ですが、ステロイドは本来身体の中にある物質なので、怖がる必要はありません。もちろん使いたくないという人には出しませんが、それよりも添加物や農薬のほうが、怖いんです。そういった点では、一般的な皮膚科の先生とはちょっと考え方が違かも知れません。興味を持たれた方は、ぜひご相談ください。

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