舌下免疫療法やCPAP療法、健診後相談も
呼吸器内科で対応可能
医療法人あさい内科 鶴橋なんばクリニック
(大阪市東成区/鶴橋駅)
最終更新日:2025/08/01


- 保険診療
咳や息切れなどの症状が現れたとき、多くの人が呼吸器内科の受診を考えるだろう。だが、呼吸器内科の診療範囲はそれだけにとどまらない。例えば、睡眠時無呼吸症候群治療や舌下免疫療法、また健康診断で肺や気管支に関する異常を指摘された際の再検査や相談も、呼吸器内科の重要な役割の一つである。特に呼吸器疾患は高血圧症などの生活習慣病と関連が深く、生活改善のアドバイスや予防指導が行われることも少なくない。「呼吸器内科は、急性期の感染症から慢性の呼吸器疾患まで、幅広く対応しています」と話すのは、「鶴橋なんばクリニック」院長の灘波良信先生。日本呼吸器学会呼吸器専門医として、あらゆる呼吸器疾患に対応する。今回は灘波院長に、呼吸器内科で受けられる治療について詳しく話を聞いた。
(取材日2025年7月10日)
目次
舌下免疫療法やCPAP療法、健康診断後の相談のほか、多様な悩みに呼吸器専門医が対応
- Q健診で呼吸器以外に異常があった場合にも診療されているとか。
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A
▲高血圧症などの生活習慣病が隠れていることもある
はい。呼吸器疾患の背景には、高血圧症などの生活習慣病が隠れていることもあり、複合疾患の患者さんも数多くいます。当院では内科診療に対応していることもあり、胸部エックス線の影のほか、血圧やコレステロール値の異常など、基本的にはほとんどの項目に対応しています。健康診断で引っかかっていても「何か指摘されるのが怖い」「治療が大変そう」と先延ばしにしている人は多いですが、大半の人は軽度で、食事や運動などの生活指導だけで済むことも少なくありません。また当院で診療できない場合は、専門の医療機関への紹介も行っています。まずは受診することで、安心につながることも多いですよ。
- Q睡眠時無呼吸症候群の検査はどんな人が受けるべきですか?
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A
▲まずは受診し、気軽に相談してほしいと話す
家族やパートナーに「いびきが大きい」「寝ている間に息が止まっている」と言われたら、一度ご相談いただきたいですね。また、昼間に強い眠気を感じる方や、居眠りしやすい方も要注意です。飲酒によって気道が狭くなり、一時的に症状が強く出ていることもありますが、この病気は特に中年以降の男性、小太り体形の方、顎が小さい方などに多く見られます。当院では、ご自宅で行える簡易検査をご用意しています。鼻にセンサーをつけて、一晩寝ていただくだけで、呼吸の状態や体内の酸素の変化がわかります。最近はアプリで睡眠をチェックする方法もありますが、医療用の検査のほうが精度が高く、正確な計測が期待できます。
- Q睡眠時無呼吸症候群に対してはどのような治療を行っていますか?
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A
▲患者一人ひとりに合った治療を行い、症状の改善に注力
重症度に応じて、いくつかの治療方法をご提案しています。まず軽症の方には、就寝時にマウスピースを装着する治療をお勧めしています。歯科医院で作製するものですが、かかりつけの歯科医院がない場合はこちらで紹介も行っています。中等度以上の方には、CPAP(シーパップ)療法といって機器を使った治療を行います。ご自宅に専用の装置を設置し、就寝中に気道がふさがらないように空気を送り続ける方法で、症状の改善が期待できます。また肥満が原因となっている方には、生活習慣の見直しや減量のサポートも行います。定期的な通院が必要ですが、当院ではオンライン診療にも対応していますので、ご自宅や職場からの受診も可能です。
- Q呼吸器疾患に対して幅広く、専門的な治療を行えるそうですね。
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A
▲治療はもちろん、禁煙指導や生活改善も行っている
はい、当院では呼吸器疾患全般に対応しており、専門的な診断と治療が可能です。特に喘息、咳喘息、COPD、肺気腫、間質性肺炎、抗酸菌症、気胸など、さまざまな呼吸器の病気を診ています。咳一つとっても、原因はさまざまですから、エックス線検査や呼気中の一酸化窒素測定、肺機能検査などを組み合わせ、診断を行います。治療は主に吸入薬や内服薬ですが、症状の重い方には在宅酸素療法を提案することもあります。また、禁煙指導や生活改善も行っています。間質性肺炎の服薬管理、がん治療後の経過観察や副作用対応などもしており、「大きな病院に行くのが大変」「今は安定しているけれど不安がある」といった方もご相談ください。
- Qアレルギーをお持ちの方に対し、舌下免疫療法をされているとか。
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A
▲アレルギーの症状を抑制し、根本的な改善をめざす
スギに対する花粉症やダニアレルギーの方に対して、舌下免疫療法を行っています。これはアレルギーの原因物質をごく少量ずつ体に取り込むことで体を慣らし、症状の根本的な改善をめざす治療法です。最低1年、できれば3年程度の継続が望ましく、当院では12歳以上の方を対象としています。花粉症などのアレルギー性鼻炎の方の中には、咳が長引いている方や、喘息を併発している方も少なくありません。花粉症やダニアレルギーが、咳や喘息を誘発することもあるため、舌下免疫療法によって花粉症やダニアレルギーの症状を抑制できれば、咳や喘息の薬を減らせる可能性も期待できます。このほか生物学的製剤による注射治療にも対応しています。