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山下 博士 院長の独自取材記事

やましたクリニック

(岩国市/南岩国駅)

最終更新日:2022/03/31

山下博士院長 やましたクリニック main

南岩国駅からバスで5分、戸建て2軒分はあろうかという大きな建物が「やましたクリニック」だ。消化器外科の医師として実績を積んだ山下博士院長が、同院を開業してから20年以上。消化器疾患を中心に生活習慣病、甲状腺疾患、肛門のトラブルなど幅広く対応してきた。得意の内視鏡検査では、鎮静剤を用いて「苦痛の少ない検査」を追求。カメラを挿入する技術にも熟練の技が光る。自身の休みを返上してまで土日、祝日に診療を行っているのも、患者の不安や苦痛を早く取り除いてあげたいという思いからだ。そんな山下院長の素顔を知るべく、開業のきっかけや医師としてのポリシー、そして普段語られることのない患者への思いを聞いた。

(取材日2021年3月16日)

消化器と外科の専門性を生かした診療を土日祝日も提供

まずは、診療内容について教えてください。

山下博士院長 やましたクリニック1

風邪やインフルエンザなどの身近な症状に加え、私が専門とする消化器の分野では、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性胃炎、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、過敏性腸症候群(IBS)をカバーしています。また、腹部症状のある方や、胃がん検診、大腸がん検診などで異常を指摘された方には、内視鏡検査を積極的に実施しています。その他、地域のニーズに合わせて、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病、女性に多い甲状腺疾患などの内科全般、肛門外科にも対応しています。土日祝日は午前中の診療を行っていますので、「いつでも気軽に受診できるクリニック」として利用していただきたいですね。

肛門外科ではどのような治療を行っていますか?

私はもともと外科の医師ですので、痔核や痔ろうなどの肛門のトラブルに対する外科的な応急処置も行うことができます。痔核はいわゆる「イボ痔」のことで、腫れ上がっている部分を切除します。痔ろうは男性に多く、肛門の周囲に膿がたまって痛みが出るため、腫れている部分を切開して膿を取り除きます。どちらも根治させるためには手術などの専門的な治療が必要な場合がありますが、今すぐ痛みを取り除いてほしいという患者さんの希望にお応えするために、肛門外科を掲げています。意外なことに肛門の悩みは20代、30代の比較的若い層の方も多いですね。インターネットで検索して、当院を訪ねてくださっているようです。

クリニックではあまり見ないCT装置など、検査機器が充実していますね。

山下博士院長 やましたクリニック2

CTやエコー、エックス線、内視鏡などの画像診断装置のほか、心電計、全自動血球計数器、血糖測定器などの検査機器をそろえて、病気の診断に生かしています。エコーは腹部症状の原因を調べるほか、甲状腺疾患のスクリーニングにも活用しています。甲状腺疾患には、橋本病に代表される甲状腺機能低下症と、バセドウ病で知られる甲状腺機能亢進症があり、どちらも当院で検査から診断、一部治療まで行います。甲状腺機能低下症は症状がなければ基本的に治療は不要ですが、体のだるさ、全身のむくみ、体重増加などの症状があれば、甲状腺ホルモン製剤による治療を開始します。一方、甲状腺機能亢進症は抗甲状腺薬による治療を基本としますが、副作用のリスクもあるため難易度が高く、必要に応じて専門病院にご紹介します。

治る可能性のある病気で手遅れになる人を減らしたい

特に力を入れている診療について教えてください。

山下博士院長 やましたクリニック3

内視鏡検査による消化器疾患の早期発見です。胃カメラは、鼻からカメラを挿入する経鼻内視鏡が登場し、ずいぶん楽になりました。しかし、鼻の構造に異常がある方やアレルギー性鼻炎の方などは、鼻からの挿入が難しいことがあります。そこで当院では口から挿入する経口内視鏡を採用し、代わりに鎮静剤の点滴注射を行うことで、患者さんの苦痛を減らしています。大腸カメラにも鎮静剤を使用しますが、検査中の患者さんは半分眠ったような状態ですので、痛みや苦しさを感じることはほとんどありません。気がついたらすべて終わっているイメージですね。患者さんがゆったりとした状態で検査を受けられるので、こちらも隅々まで細かく観察できるのもメリットです。

患者の負担軽減にこだわっておられるのですね。

がんの発見が遅れて手の施しようがなくなった方を、これまでたくさん見てきました。大腸がんは放置すると腸管が腫瘍で詰まり、食べたものやガスがたまって激しい腹痛と嘔吐、下血に襲われます。また、肝臓に転移しやすく、肛門のそばに直腸がんができると、多くの場合人工肛門は避けられません。しかし、胃がん、大腸がんは決して怖い病気ではなく、早期に見つけて適切な治療を行えば、十分に根治をめざせます。それなのに命を落とす人が多いのは、内視鏡検査のハードルが高いからだと考えたのです。私自身、健康管理のために胃カメラ、大腸カメラを受けたことがありますが、鎮静剤なしではかなりの苦痛を感じました。その上、大腸カメラは事前に大量の下剤を服用する必要があります。だからせめて、検査自体は楽に受けられるようにしたい一心です。

診療において大切にしていることは何ですか?

山下博士院長 やましたクリニック4

安全性を最優先することです。当院ではこれまで20年以上、鎮静剤を用いた内視鏡検査を行ってきましたが、意識障害や呼吸抑制などのトラブルが起きたことは一度もありません。検査後に鎮静状態から覚醒した後も、極端なふらつきが出ないよう、患者さん一人ひとりに合った量の鎮静剤を投与することを厳守しています。特に高齢者は、鎮静作用が強く出る方がまれにいますので、半分眠った状態を維持すると同時に、検査中は呼吸状態などに注意を払うことを忘れません。カメラを挿入する際も、腸管を破ったり、出血したりすれば大変ですから、スピードよりも安全性を重視して慎重に進めていきます。ポリープの切除も当院で行いますが、自分には手に負えないと判断したら、速やかに提携先の病院に紹介するようにしています。

患者に満足してもらえる医療サービスをめざして

先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

山下博士院長 やましたクリニック5

大学受験で1年浪人し、予備校に通いながら東京大学法学部をめざしていました。ところが受験直前になって、母から「医師になってくれないか」と言われたんです。その一言で進路を変更し、岡山大学医学部に合格しました。大学を出てからは、ダイナミックさに憧れのあった外科を専門に選び、先輩たちの誘いもあって消化器外科の医局に入りました。お恥ずかしながら、医師になったことも、消化器外科を選んだことも、ほとんど自分の意志ではありません。しかし私は負けず嫌いなので、この道に進んだからには手術がうまくなりたい、一人前になりたいという気持ちで、胃がん、大腸がん、虫垂炎の手術などを数多く手がけ、技術を磨きました。

これまで心に残っている患者さんはいますか?

一人は、開業当時から通ってくださっている89歳の男性患者さんです。定期的に通院されて、検査もちゃんと受けて、薬も欠かさず服用されます。ご高齢のため自動車を運転できなくなってからは、30分かけて歩いて来ているんですよ。水墨画家でもあり、今でも現役で描いておられます。そのバイタリティーには感心させられますね。もう一人は、99歳の女性患者さんです。ある時、体調が悪化して病院に入院されました。ご年齢を考えると、もうお顔を見ることは難しいだろうか、と考えたのが正直なところですが、無事に退院されて、今でも車いすに乗って通院されています。お二人とも良い意味で負けず嫌いですね。人に迷惑をかけたくないという気持ちを強く持たれていて、そのために健康に気をつけておられます。私も負けていられないなと気が引き締まります。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

山下博士院長 やましたクリニック6

私はいつも全力投球で、患者さんのことを思うとつい力が入り過ぎることがあります。しかし、患者さんの気持ちや満足度を高めるためにできることは何かを常に考え、実践してきました。例えば、生意気な態度や失礼な言動はしない、限りなく無駄を省いてスムーズに診療を行う、どんなに忙しくても丁寧に対応する、といった当たり前のことですが、スタッフとともに意識するようにしています。誤解を恐れずに言うと、患者さんはお客さまです。わざわざお越しいただき、私たちが提供した医療サービスに対してお金を出していただくわけですから、必ず満足していただきたいと考えています。そしてその評判が伝わり、より多くの患者さんに頼りにしていただけるよう、これからも精進してまいります。

自由診療費用の目安

自由診療とは

内視鏡検査/胃カメラ健診:1万5560円、大腸カメラ健診:2万1790円、胃・大腸カメラ同時健診:3万4160円

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