全国のドクター8,924人の想いを取材
クリニック・病院 160,830件の情報を掲載(2021年6月19日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 世田谷区
  4. 祖師ヶ谷大蔵駅
  5. 野崎医院
  6. 野崎久充 理事長

野崎久充 理事長の独自取材記事

野崎医院

(世田谷区/祖師ヶ谷大蔵駅)

最終更新日:2020/04/01

13100

ほどよく自然の残る静かな千歳台の住宅地で、長く地域医療を支えてきた「野崎医院」。父の代から続く伝統のクリニックを運営する野崎久充理事長は、朗らかで明るい口調と大きな笑い声が印象的な先生だ。南欧風のインテリアとボサノヴァのBGM。診察室には精巧なジオラマが飾られるなど、患者が少しでもリラックスできるような配慮が随所に感じられる。外科医としての経験を長く持つ野崎理事長は、大学病院時代に千例もの手術を行った消化器疾患のスペシャリストだが、現在では地域のプライマリーケアを担う内科クリニックの充実に心を砕いている。最近は院内を電子化しカルテや検査結果をファイリング、緊急疾患に対し血液検査装置を導入するなど、新しい技術を積極的に取り入れる一方で、患者と心を通わせる親身な診療にも定評がある。そんな野崎理事長に、地域医療にかける思いを語っていただいた。
(取材日2015年8月6日)

消化器外科医としての長い経験を毎日の診療に生かしたい

「野崎医院」は半世紀近い歴史を持っているのですね。

13100 df 1 1 1441179402

父がこの地に開業したのが昭和44年のことですから、もう46年になりますね。当時の千歳台はまだ住んでいる人も少なく、医師の先輩や友人から「こんな場所に開業して大丈夫なのか?」と心配されたらしいです。そんな父が診療する姿を、私は物心ついた頃から日常的に見てきました。患者さんが元気になって帰っていく姿を身近に見ながら、医師という職業が人の役に立つということを子どもの頃から実感していたわけです。そんなわけで、私も医学の道に進んだのですが、2003年に父から医院を引き継いで、現在は私が理事長として運営しています。父は、今でも毎日午前中診療をしています。もう何十年もかかりつけにしてくださっていて、父の診療を希望される患者さんも多いんです。これは私にとってもとても励みになり、またそうなろうと日々努力してます。

先生は、胃腸・消化器系の疾患を得意とされていると伺いました。

大学を卒業後、大学病院等の勤務医として長い間消化器外科を専門にやっていました。数々の手術を経験し、緊張感のある毎日を送っていましたが、当院を引き継いだのを契機に消化器内科へとシフトしました。当院のようなクリニックは、体調がすぐれない時や健康不安がある時に最初に受診するプライマリーケアの医療機関ですから、どんな症状にも対応して、的確に診断をつけられるように幅広く患者さんを診ていくことが役目です。外科医の経験を生かして、内科と外科の観点から総合的に診断ができればと思っています。

外科から内科への移行は、スムーズに行きましたか?

13100 df 1 2 1441179402

正直に言えば、まったく抵抗がなかったわけではありません。外科医として手術で執刀するのは得意とする所でしたし、急患や緊急手術のさいの緊張感にも大きなやりがいを感じていましたから。内科にシフトした現在では、そういうことは少なくなりました。ただ外科を経験したことで得たものは、非常に大きいですね。長年、患者さんのお腹の中を診てきているわけですから、こういう所見の時にはお腹の中はこういう状態だろうというのは、だいたい想像がつくんです。お腹を触診したり、レントゲンや血液検査などを行って、緊急性があるのかどうか、すぐに手術などの処置が必要なのかどうかなどを正確に診断して適切に対応することができます。その辺は私の強みだと自負しています。

早めの内視鏡検査で病気の早期発見に努めたい

クリニックでは内視鏡検査に力を入れているそうですね。

13100 df 1 3 1441179402

はい、胃と大腸の内視鏡検査には特に力を入れています。特に大腸がんは、これから先も増えていくだろうと予測されています。進行がんを防ぐためには、一にも二にも早期発見につきるので、自覚症状がある患者さんはもとより、健康な方でも一定の年齢であれば一度は検査を受けていただきたいと思います。また、当院の上部内視鏡検査(胃カメラ)では、一般的な経口だけでなく、鼻からカメラを入れる経鼻内視鏡もあるので、どちらで検査するかは患者さんに選択していただきます。

経口内視鏡に比べて経鼻内視鏡は負担が軽いと言われますが、医師としてどちらをおすすめしますか?

受ける方の好みでいいと思いますけど、最近は経鼻を選ぶ患者さんが増えていますね。経鼻内視鏡では鎮静剤を使わないので、モニターを患者さんと一緒に見ながら、ここはこうですよと説明できるのが特徴です。ですから検査結果だけでなく、その内容を納得したい人にはお勧めです。一方、経口内視鏡検査では鎮静剤を使うので、眠っている間に検査が終了します。結果だけ後で教えて欲しいので楽に検査したいという人には経口が向いています。

患者の立場で言うと、内視鏡検査はどうしても大げさに考えてしまい、敬遠しがちです。

たしかにそうかもしれませんね。ただ、当院では大腸の内視鏡検査も鎮静剤を使うので、辛いとか大変だとかいうことはほとんどありません。ですから、何かお腹の症状があって気になっているのであれば、年齢に限らず一回検査したほうがいいですね。がんに限らず潰瘍性の胃炎や大腸炎の可能性もあるので、胃のもたれや下痢が続いたり、便が黒っぽかったり赤っぽかったりと気になることがあれば、早めに検査するべきだと思います。どんな病気でも早期発見が一番。今は内視鏡の技術や精度も進歩していますし、早期がんであれば内視鏡手術で切除し完全に治癒することも可能な時代になってきています。 

がんは早期発見が大切なのですね。

13100 df 1 4 1441179402

仮にがんが発見され手術の必要があるケースでは、信頼できる医師をご紹介致しますので、安心して検査を受けていただきたいですね。検査を怖がったり、面倒だからと後回しにして、手遅れになってしまってはいけませんから。がんは治せる病気になりつつあり、発見が早く早期のがんであればほとんどのケースで完治します。当院をかかりつけにしてくださる患者さんには、がんで命を落とすような事にはなって欲しくないんです。ですから、できるだけ検査を受けていただくようにし、万が一病気があっても早期で見つかるようにと願い、早めに検査を受けましょうと患者さんにはお話ししています。患者さんも私も、もっと早く検査をすればよかった、もっと強く説得しておけばよかったとお互いに後悔だけはしたくないですから。

体に関する不安は自分だけで抱えないことが重要

医院を引き継いでから12年。その間にはいろいろな経験をされたと思いますが、患者さんとのエピソードで何か印象的なものがあったら聞かせてください。

13100 df 1 5 1441179402

父の代からの患者さんの多くは、もう80代から90代。通院していただくというのも、体力的になかなか大変です。そこで、古くから来てくださる患者さんに限っては在宅診療を始めたんです。もう3年目に入るでしょうか。在宅での診療を続けていると医者と患者というだけではない独特の関係が生まれ、それまでわからなかったその方の本当の人となりを理解できたりします。そして、いよいよもうこれで最期だというときに、ご本人から何もしないでくれという希望があれば、その方やまわりの方の精神的なケアーに尽力をそそぎます。そんなふうにして何人かを看取りましたけど、最期に私の手をとって握りしめてくれた方もいました。そんなとき、ああ、嬉しかったんだな、自分の家で最期を迎えたいという希望をかなえることができたんだなと感じました。幸せな最期を迎える瞬間に立ち会える。これは大学病院ではありえないことで、開業医ならではの貴重な経験だと思います。

院内の雰囲気がとても素敵ですね。静かにボサノヴァが流れていたり、まるで自宅のリビングルームのようにくつろげます。

父から引き継ぐにあたって院内を改修したのですが、その点はかなり意識しました。心地よい雰囲気を作ることが患者さんのためでもあり、自分のためでありますから。抗癌剤治療など、辛い思いをしながら通ってくる患者さんもいますし、そういう患者さんにとって院内が少しでも癒やしの空間になってくれればと思っています。

お忙しい毎日だと思いますが、オフの日にはどんなことをして過ごされますか?

なかなか時間がとれないのですが、一番の楽しみは車で走ることです。昔からモータースポーツが好きでときにはサーキットでのレースにも出場します。乗っているのはロータスというライトウェイトの車です。エンジンのパワーはありませんが、シャーシがとてもしっかりしていて、コーナリング性能がとても優れた車です。ときには整備工場で、一日中車をいじったりすることもあります。車関係の友だちは、医療とはまったく異なる世界の仲間たちなので、彼らとのさまざまな話はとても興味深いですね。車というのは、手をかければかけるほど走りで応えてくれる。人馬一体というのでしょうか、レースでも乗り手が頑張って、車が頑張って、それぞれの波長があった時に良い走りができる。そうしてストレスを解消しながら、オンとオフのバランスを保っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

13100 df 1 6 1441179402

健康に不安があったりして、医師に話を聞いてみたいということがあれば、たとえ私の専門外でもできる限り相談に乗ります。もちろん専門の先生をご紹介することもできるので、とにかく1回相談に来ていただければと思います。自分だけで悩みや不安を抱えてはいけないと、これは強く思いますね。何科を受診すればいいか迷って、結局どこにも行かないというケースも多いのですが、がんに限らずあらゆる病気は早期発見が一番大事。どのような患者さんがいらしても、それを適切に振り分けるのが地域の内科クリニックの役目ですし、当院では関連の医療機関とのパイプも豊富にあるので、安心して来院していただければと思います。

Access