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松本 昌和 先生の独自取材記事

みらいメディカルクリニック磐田

(磐田市/豊田町駅)

最終更新日:2023/01/20

松本昌和先生 みらいメディカルクリニック磐田 main

金洗西バス停から徒歩約2分の場所にある「みらいメディカルクリニック磐田」。長年にわたり地域住民の健康を守ってきた「森下医院」を、東京・埼玉・愛知でクリニックを展開する「みらいメディカルグループ」の代表である松本昌和先生が2022年10月に継承。これまで同様に循環器内科を中心とした内科全般を幅広く診療するとともに、今後は訪問診療にも取り組み、外来通院から在宅医療による終末期ケアや最期の看取りまで、地域住民をワンストップで支える体制づくりをめざすという。「森下医院と患者さんが築いてきた信頼関係を大切に守りながら、患者さんの人生に寄り添う診療をしていきたいと思っています」と語る松本先生に、同院の診療内容や今後の展望などを聞いた。

(取材日2022年11月27日)

何でも相談できる健康の門番として、人生に寄り添う

まずは、クリニック継承の経緯をお聞かせください。

松本昌和先生 みらいメディカルクリニック磐田1

この度、ご縁があって地域の患者さんに長く愛され続けてきた「森下医院」を継承させていただくこととなりました。このエリアは医療過疎地でもあり、森下医院がなくなることで不便な思いをされる患者さんも多くいらっしゃると思います。それでは患者さんやそのご家族が困ってしまうでしょうから、私が代表を務める「みらいメディカルグループ」で引き継がせていただくことになったのです。これまで森下医院の森下先生やスタッフの皆さんを信頼して通院していらっしゃった患者さんのために、誠心誠意、診療させていただきたいと考えています。

クリニックの特徴を教えてください。

内科外来診療については、森下医院の森下先生が注力していらっしゃった循環器内科を中心に、消化器内科、呼吸器内科、糖尿病内科、腎臓内科、アレルギー科など内科全般に対応します。また、今後は訪問診療をもう一つの柱としていきたいと考えています。自力で通院できなくなった患者さんや、人生の最期の時間をご自宅等で過ごしたいと希望なさる患者さんをサポートをしていきたいですね。医療のことに限らず、介護のことなどで困ったときも気軽に相談していただけるような、「何でも相談できる健康の門番」としてまい進していきたいと思っています。

同院のほかにもクリニックを運営されているそうですね。

はい。文京区の「みらいメディカルクリニック茗荷谷」、大田区の「みらいメディカルクリニック西六郷」、川口市の「みらいメディカルクリニック川口中央」、愛知県の「みらいメディカルグループ 寺田クリニック」があり、当院を合わせて5院を運営しています。

先生が大切にしている理念を聞かせてください。

松本昌和先生 みらいメディカルクリニック磐田2

当院に限らず、みらいメディカルグループすべてのクリニックに共通する理念が、「みらい永劫持続可能な地域医療の実践」です。世代が変わっても、未来永劫、地域の患者さんに寄り添って守っていけるようなかたちで診療をしていくことです。そして、前身である医院の先生方と患者さんが築いてきた関係性を大切にすることも、常に心がけていきたいと思っています。

外来通院から在宅での看取りまで対応することが目標

今後、力を入れていきたい領域はありますか?

松本昌和先生 みらいメディカルクリニック磐田3

現在は外来診療のみですが、今後は西六郷院で培ったノウハウを生かして、訪問診療も含めた最期のお看取りまで対応していきたいと考えていますので、これから必要な設備を整えていく予定です。ご高齢の患者さんは年齢を重ねるにつれ、通院が難しくなることもあると思います。通院ができなくなればほかの医療機関を探す必要があり、主治医も変わることになりますから、患者さんにもご家族にも大きなストレスがかかります。ですから、外来通院から訪問診療、在宅でのお看取りまで対応可能なクリニックが身近にあれば、地域の皆さんの安心材料になるのではないかと思ったのです。医療機関によっては外来と訪問で診察する医師が異なるところもあるようですが、当院では外来担当の医師が訪問診療も担当するスタイルを取り、患者さんとご家族の人生に寄り添う診療をめざしています。

訪問診療のやりがいについてお聞かせください。

患者さんのご自宅に出向いて診察することで、生活面に踏み込んだ診療を提供できる点にやりがいを感じています。また、自分の専門領域だけでなく、全身を診る医療が求められますから医師も鍛えられますし、患者さん、ご家族から教えられることも多く、訪問診療での経験は医師として成長していくための大きな糧になっていると感じています。

循環器内科はもちろん、総合的に診療していらっしゃるのですね。

松本昌和先生 みらいメディカルクリニック磐田4

当院のような町のクリニックの役割は、まず病気の適切な診断をすることです。専門的な治療が必要な場合は大学病院や専門病院をご紹介し、当院での治療が可能ならば引き続き診させていただきます。そういった振り分けをするのが、患者さんの生活背景をよく知るわれわれの仕事です。いきなり大学病院を訪ねるのではなく、まずはあそこに相談しようと思っていただくために、入り口を広くしておきたいのです。特に慢性疾患の方は、気になる症状や数値があれば放置せずに受診していただきたいですね。慢性疾患は早期発見・治療が非常に重要です。例えば糖尿病から腎臓疾患になり透析が必要になる患者さんの中には、糖尿病の段階でコントロールができていれば、透析まで至らずに済んだであろうケースは少なくありません。そういった意味で、生活習慣病の最初の病態を悪化させず、次の段階に進めないことが大事です。

地域のニーズに沿って、より進化させていきたい

松本先生のご経歴についても教えてください。

松本昌和先生 みらいメディカルクリニック磐田5

大学卒業後、順天堂大学附属順天堂医院で腎疾患と透析医療を専門に診療にあたり、大学院では主に糖尿病合併症、糖尿病性腎症を研究しました。大学院修了後は静岡県御殿場市の中核病院に出向し、専門領域だけでなく総合的な内科の医師として経験を積み、その後、都内の透析専門クリニックで院長を8年務めました。2015年に「みらいメディカルグループ」を立ち上げたのは、さまざまなエリアや医療機関で診療する中で、地域医療のニーズとバランスの悪さを感じ、何とか是正できないかという思いからです。私自身、都市部と比べて患者さんとの信頼関係が築きやすい地方での診療にやりがいを感じていましたから、電子カルテの導入など診療環境を整えれば、地方で診療する医師も増えるのではと考えています。ローテーションを組んで地方の病院に医師を派遣する仕組みをつくるなど、グループとして医師の地域偏在解消にも取り組んでいきたいと思っています。

地域医療に関心を持つようになったきっかけは?

医師である父の背中を見て育ったからだと思います。実は茗荷谷院の前身は、私の父が1977年に開業した内科医院なのです。茗荷谷駅周辺の診療所の中でも歴史が古く、父が自転車に乗って往診に出かける姿は地域の方々の目に焼きついているようで、今も患者さんから「昔、先生がこの辺りを自転車で走り回っておられたのを覚えています」と言われることもあるほどです。私自身も、電話で呼ばれれば休日でも診療に出かけていく父の生き生きとした姿を間近で見る中で、医師という仕事のやりがいや地域医療の大切さを感じていたのだと思います。

最後に、クリニックの今後の展望をお聞かせください。

松本昌和先生 みらいメディカルクリニック磐田6

クリニックとしての機能をより拡充させていきたいですね。例えば、訪問診療と併せて居宅介護支援事業所や訪問看護ステーションなど福祉・介護施設の立ち上げのほか、内視鏡検査システムや私の専門である透析の設備の導入です。これらが実現できれば、遠方の病院や施設に通わずとも住み慣れた地域で必要な医療や介護を受けられ、近隣の皆さんに喜んでいただけるのではないかと考えています。森下先生が築き上げてこられた診療を受け継ぐとともに、地域のニーズを把握しながら、人生の最期まで患者さんの人生に寄り添う診療をめざして頑張っていきたいですね。

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