正武 孝規 院長の独自取材記事
林産婦人科 五位堂医院
(香芝市/五位堂駅)
最終更新日:2021/10/29
出産は一生に数度あるかないかの、女性にとってのビッグイベントだ。不安を抱えながらも新しい命のために命をかける母親、そしてその家族を守り、サポートしていくクリニックが奈良県下に3院を展開する医療法人白鳳会のうちの一つ、「林産婦人科 五位堂医院」だ。五位堂駅から徒歩10分の場所にあり、ラグジュアリーな空間や栄養満点の食事なども大いに支持されているクリニックだ。「お産はお母さまの命をもかけた、人生においてのビッグイベントです。笑顔で赤ちゃんとご帰宅されるよう、スタッフ一同力を尽くしています」と語るのは院長の正武孝規先生。分娩だけではなく生理痛や更年期障害など婦人科の悩みにも応えていきたいと語る正武院長に、クリニックの特徴や今後の展望などを聞いた。
(取材日2021年7月6日)
地域密着型、患者ファーストの医療を提供していく
先生が医師をめざしたきっかけなどからお聞かせください。
本格的に医師をめざし始めたのは、高校の進路決定の頃です。私自身も小さな頃から、大きな病気こそしなかったんですが、よく病院にかかっているような子でした。つらい時に助けてもらった、ありがたいなという印象も大きくて、漠然と自分も人の病気を治す医師をやってみたい、という思いを持っていました。家族や親族に医師がいたわけではないのですが、昔、母方の親族に医師をめざしたものの残念ながら志半ばで結核で亡くなった方もおられたという話も聞いていたので、そういった「思い」を引き継ぐというところもあったのかもしれませんね。縁あって奈良県立医科大学に進学し医師になりました。
産婦人科を選ばれたのはどういった理由からでしょうか?
かなりいろんな科とも迷ったのですが、内科的、外科的なことを含め、総合的に診ていけるのが産婦人科なのではないかという思いで選びました。またテレビのニュース番組だったでしょうか、ちょうど産婦人科の医師が奮闘している姿のドキュメンタリーを見て、それもあと押しになりましたね。その後は大学の産婦人科教室に入局し、奈良社会保険病院に勤め、済生会御所病院では医長も経験しました。その後、林先生からお誘いをいただき、林産婦人科で勤務することになりました。最初に来てから来年でもう20年になります。五位堂医院の院長になったのは2018年のことです。
先生が診療に際し、心がけている点などは何でしょうか?
当院は産科中心ではありますが、もちろん婦人科のご相談も多く聞かれます。思春期から更年期、老年期までさまざまなニーズがありますので、それらに応えていけるよう、日々研鑽を重ねていくことを大切にしていますね。特にお産というのは女性の方にとって一生に一度あるかどうか、現代は多くても数回というビッグイベントです。患者さまお一人お一人に対し、丁寧に、満足していただける医療を提供できるようにと常に考えています。また、もし当院では管理が難しいと判断した場合は、奈良県立医科大学や奈良県総合医療センターなどの高次医療機関とも連携を取りながら、安全に配慮して素早く、患者さまを搬送できるように体制を整えています。あくまで患者さまファーストの医療を地元の方々に提供していく、という点は非常に大切にしております。
“新しい命”を守る場所として地域からの信頼を感じる
地域の特色などは感じておられますか?
この香芝市は人口が増加しているエリアでもあり、若い方の流入も多いです。周辺は住宅街ですし、若いファミリー層が増えていると感じています。その分、出産の機会も多いのではないでしょうか。この五位堂院を理事長が開業された時は、駅前のビルの一角でした。当時はこの五位堂付近は、産婦人科の空白地帯だったということで、その地域患者さまのニーズに応えたいという思いがあったと伺っています。しかしビルではとてもお産の需要に追いつかないということで、この場所に2003年に移転しました。毎日のようにお産があり、それに対応すべく多くの病床を用意しているので、クリニック自体の規模が大きいのが当院の特徴の一つでしょう。
地域の方も安心ではないでしょうか。
そうですね。五位堂エリアからは大阪方面へ通勤されている方も多いと聞きますから。理事長が最初にクリニックを開業されたのは1987年のことです。林産婦人科としての歴史はとても長く、中には親子で通っておられる方もいらっしゃいますし、林産婦人科で生まれた方が成長され、ご自身もご結婚し母親になり、今度はご自分の出産をまた林産婦人科で迎える、という方もおられます。地域に長く根づいた医療を行っているからこその信頼があるのだろうと思います。お母さまの命、そして生まれてくる新しい命を預かる身として、とてもありがたく、光栄に思います。
それこそ出産はいつになるかわからないものです。他の先生たちとの連携はいかがでしょうか。
本当に毎日のようにお産があり、先月では分娩のない日は1日か2日、あったかないかくらいです。先生方を含め、みんな本当に24時間、常に気を張っているものです。先生方をはじめ、多くのスタッフの助けを借りながら、日々の診療を行えていると感じています。一人ではないことが本当に心強いですね。また分娩が多い分、出産を控えた患者さまに迷惑をおかけしないように、という点も非常に気を配っています。特にお部屋が重ならないように、という部分はとても重要だと考えております。
子どもを笑顔で抱いて帰ってもらえるよう力を尽くす
患者さんに対し、こちらならではの取り組みなどはありますか?
入院中のお食事はしっかりご用意しております。出産後はお母さまの体の回復を十分に行うためにも、栄養たっぷりのお食事は必須です。当院では、旬の食材を生かしたお祝い膳をご用意しております。手作り料理で家庭的な味わいを、そして心のこもったおもてなしをしたいという思いがお母さまに届くといいなと思っていて、アンケートでもご好評頂いております。おうちに帰宅されれば、今度はお母さま自身が、お子さんのお食事や子育てに奔走する番。入院中の一時だけでも、ゆっくりとお食事を楽しんでほしいですね。もちろん食物アレルギーのある方にも十分配慮しておりますから、遠慮なく仰っていただければと思っています。
お忙しい毎日だとは思いますが、休日はどのように過ごしておられますか?
最近はありがたいことに本当に忙しいこともあり、また新型コロナウイルスの流行もあって、あまり外出することはなくなりましたね。やはり出産を控えた方にご迷惑をおかけすることはあってはなりませんから。ですから、家でゆっくりと過ごすことが多いですね。あとは、週末はたまにゴルフに出かけることもあります。また、仕事にもつながってきますから、十分な睡眠を取ることは大切にしています。散歩もできる限りしていますね。自身が健康でないと、患者さんをサポートすることはできませんから。
では最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。
引き続き、地元の皆さまに信頼されるクリニックであるよう努めていきたいと考えています。もちろんお産だけではなく、婦人科の疾患のご相談にも積極的にお伺いしていくつもりです。お若い方でも生理痛に悩まされる方は多いですし、ある程度の年齢の方であれば更年期障害などの症状も出てくるでしょう。一例一例が、私やスタッフを成長させてくれる大切な機会であると感じております。私一人ではできないことでも、スタッフ全員で助け合いながら、患者さまの不安などを払拭していければと思っております。常に研鑽を重ねながら、患者さまへと治療を通じて還元できるように努めていきたいですね。ですから、お困り事があればいつでもご相談ください。特にお産をされるお母さま方には、笑顔で赤ちゃんを抱いて帰っていただけるように、これからも力を尽くしてまいります。