近藤 祐市 院長の独自取材記事
糖尿病・甲状腺・内科 幸田中央クリニック
(額田郡幸田町/相見駅)
最終更新日:2025/12/15
相見駅から徒歩5分。大型商業施設近くの「糖尿病・甲状腺・内科 幸田中央クリニック」。院内は木目や石目を用いた、落ち着いた雰囲気だ。近藤祐市院長は名古屋大学を卒業後、糖尿病・甲状腺・内分泌疾患を専門に研鑽を積み、2025年7月に先代・神谷文雅先生から同院を継承。「糖尿病の合併症に苦しむ人を一人でも減らすこと」に力を注ぐ。病気を悪化させないため・予防するためにも、患者の足運びや表情にまで目を配り、生活に寄り添った診療を心がけているという。また糖尿病・甲状腺疾患だけでなく、生活習慣病、風邪などの一般内科まで幅広く対応。地域のかかりつけ医、そして「糖尿病」と聞いて一番に思い出してもらえる、患者にとって頼りになる存在をめざす院長に、継承の経緯や診療への思いなどについて聞いた。
(取材日2025年11月14日)
先代の思いを継承し、糖尿病の専門家が新院長に就任
クリニックを継承された経緯を教えてください。

岡崎市民病院の内分泌・糖尿病内科で働いていた約5年前、当時の上司の紹介で、クリニックの前院長である神谷文雅先生とお会いしたのが最初です。神谷先生は糖尿病がご専門で、同じく糖尿病の専門家にクリニックを引き継いでほしいとお考えでした。私も地域医療やプライマリケアに関わりたいという思いを持って医師になったので、縁をつないでいただいたと聞いています。ただすぐに継承が決まったわけではなく、その時は将来の選択肢として話をいただいた段階でした。まずはクリニックでの診察のお手伝いから始めることになり、神谷先生と並診する形で数年間、当院で働きました。その中で神谷先生は私の診察の仕方や患者さんへの接し方を見てくださり、私も徐々に患者さんと顔なじみになって、こちらでプライマリケアに関わっていきたいという思いが強くなっていったのです。こうしてお互いの思いが合致し、2025年7月1日に継承する運びとなりました。
前院長の神谷先生からどんなことを学ばれましたか?
診察がすごく丁寧でいらして、今も当院で診療にあたられていますので、その姿勢から多くを学ばせていただいています。長年のご経験をお持ちの今も勉強熱心で、忙しい診療の中でも常に学び続けておられます。医師は何歳になっても勉強して、それを患者さんに還元するのが大事なのだ、と。神谷先生の想いや当院の歴史も受け継ぎ、大切にしながら診療にあたっています。この地域は私の地元にも近い、慣れ親しんだ土地でもあります。そんな地域の皆さんの健康に貢献できることになり、うれしいですね。
継承にあたり、設備面などで変わったことはありますか?

クリニック名に「糖尿病・甲状腺」を加えて、新たなスタートを切りました。当院は2001年の開院から現在まで、神谷先生が診療を続けてこられたクリニックですが、私と神谷先生が知り合う少し前に今の場所へ移転リニューアルしています。その建物や設備を引き継ぎましたので、長く通われている患者さんには引き続きなじみのある環境で過ごしていただけますし、新しく来られる患者さんには、きれいな院内で快適に受診していただけるのではないでしょうか。当院には診察室が3つあり、そのうち1つは発熱の外来用として、他の患者さんと分けて使用しています。トイレも車いすやベビーカーが入れるバリアフリー設計です。今後も患者さんにとってより良い環境になるように、必要に応じて設備などを整えていきたいと考えています。
合併症を防ぐための、無理のない生活指導
糖尿病と甲状腺疾患の診療に特に力を入れていると聞きました。

はい。私は糖尿病と甲状腺、内分泌疾患を専門的に学びましたので、その経験を生かした診療を行っています。前院長から引き継いだ睡眠時無呼吸症候群の診療も含め、この地域で他に対応しているところが少ない分野に力を入れています。糖尿病については、近隣の市から来院される方もいらっしゃいますので、今後も岡崎市や西尾市など周辺地域の皆さんにも当院の治療を知っていただき、安心して受診していただけるように力を入れていきたいです。甲状腺疾患では若い女性の患者さんが多い一方で、昔から通われているご高齢の患者さんも多く、幅広い年齢層の方を診ています。もちろん風邪などの一般的な内科診療にも対応し、地域のかかりつけ医としての役割も大切にしています。
糖尿病治療に関する先生のお考えや、クリニックでの対応についてをお聞かせください。
「合併症に苦しむ人を一人でも減らしたい」という思いで診療にあたっています。糖尿病になってしまっても、しっかりと治療すれば脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病性腎症といった深刻な病気に移行するのを防ぐことにつながります。当院には合併症予防の検査体制が整っており、心電図やエックス線検査、足の血管の状態を診る検査(ABI)、尿検査など、合併症のチェックに必要な検査を院内で行うことができます。私は、糖尿病の患者さんで気づかぬうちに合併症が進んでしまい、望まない結果に苦しまれるケースを多く見てきました。だからこそ今、生活習慣を変えれば、数十年後の健康状態が変わっていくということを患者さんに伝えていきたいと考えています。同時に、そもそも病気にならないのが一番ですから、治療だけでなく予防にも力を入れています。糖尿病の専門家を志した理由も、予防医療への強い思いからでした。
診療では患者さんとどのように向き合っていらっしゃいますか?

一人ひとりの生活に合わせた治療を心がけています。大切なのは、患者さんが前向きに治療に取り組める環境づくりです。「先生が言うから仕方なく」という受け身の姿勢ではなく、主体的に取り組んでもらいたいと考えています。そのためにも、まずは患者さんの意見を一回受け止めてから治療方針を提案するようにしています。糖尿病をはじめ、高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病の改善をめざすにあたっては、薬物療法だけでなく、運動療法、食事療法を通じた生活改善がとても大切です。モチベーション維持が鍵になりますから、押しつけるような指導はせず、患者さんと相談しながら無理なく続けられる方法を一緒に探していきます。合併症を防いだり、少しでも進行を抑えられたりするよう日々の診療に取り組んでおります。
地域のかかりつけ医として困ったときはいつでも相談を
診察ではどんなことに留意されていますか?

患者さんの主訴に耳を傾けるだけではなく、診察室に入ってくる時の足取りや表情も観察することです。例えばご高齢の方の場合、表情が乏しくなってくるようなことがあれば、日常生活について聞き取りをしたり、ご家族にもお話を伺ったりすることもあります。糖尿病があると認知症にもなりやすいとされていますから、お会いした時に少しでも違和感があれば詳しくお話を聞いて、早めにリスクに気づけるように努めています。スタッフからも、患者さんの言葉や様子に違和感を覚えたら報告してもらい、必要に応じて検査を受けていただくことも。ご高齢の方に限らず、どなたに対しても細かいことまで目を配ることで、病気の早期発見・早期治療につなげたいと考えています。
スタッフさんについても伺えますか?
常時複数の看護師・受付スタッフを配置し、十分な人数体制を整えています。長年働いているメンバーが多く、患者さんとの付き合いが私より長い方もいます。特に長く在籍しているスタッフは患者さんに詳しく、よく理解しているため、私自身も学ばせてもらうことが多いです。長く通院されている患者さんについては、スタッフが治療の経過や生活背景をよく把握しているので、情報を共有しながら、無理のない治療を一緒に考えています。糖尿病の治療による継続的な通院を支える上で、スタッフの視点を取り入れることはとても大切だと感じています。院内の情報共有がしやすい環境づくりを心がけ、診療時間を有効に活用しながら、今後もチーム医療で患者さんの健康をサポートしていきたいです。
今後の目標をお聞かせください。

「糖尿病・生活習慣病」と聞いて一番に思い出してもらえるような、患者さんにとって身近な存在になることをめざしています。神谷先生から受け継いだものを大切にしながら、患者さんが困ったときに頼れる場所になれればと思います。また、この辺りは若い方からご高齢の方まで幅広い年齢の方がお住まいの地域です。患者さんが若いうちから、年齢とともに変化する健康状態を長期的にサポートしていけたなら、かかりつけ医としてこれ以上うれしいことはありません。お一人お一人の生活に寄り添った治療を提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

