子どもの長引く咳は要注意
早期受診と適切な治療で重症化予防へ
永覚Kidsクリニック
(豊田市/末野原駅)
最終更新日:2026/01/20
- 保険診療
咳が長引く、眠れないほど夜中に咳き込む、といった子どもの症状に悩む親は少なくない。咳の原因は風邪をはじめとする感染症が多いが、成長とともにアレルギー性疾患が関与するケースも増えてくる。まれではあるものの、先天性異常が隠れている場合もある。子どもの長引く咳について「重症化を防ぐには、早めに原因を見極めて適切な治療を始めることが大事です」と語るのは、豊田市「永覚Kidsクリニック」の成田敦院長。名古屋大学医学部附属病院で小児血液腫瘍の専門家として、骨髄移植後の肺合併症など、管理が難しい呼吸器症状の診療にも携わってきた経験が、「早期診断・早期治療」という診療方針の原点となっている。今回は成田院長に、子どもの長引く咳の原因や検査・治療法、受診の目安について話を聞いた。
(取材日2025年12月20日)
目次
丁寧な問診・検査で、環境要因を含めて咳の原因を見極め改善をめざす
- Q咳が長引く場合、どのような病気の可能性がありますか?
-
A
▲長引く咳は早期受診が重症化予防へつながる
主な原因は感染症とアレルギー性疾患ですが、まれな先天性異常も念頭に置いて診察します。感染症は、年齢によって注意すべき病原体が異なります。乳幼児はウイルス性が中心ですが、学童期以降はマイコプラズマなどの感染にも注意が必要です。また、副鼻腔炎など、耳鼻科領域の炎症が咳を長引かせるケースもあります。一方、成長に伴い、喘息などのアレルギー性の咳であるケースも増えてきます。「ぜーぜー」という喘鳴がなくても、気道過敏性が高いため、感染症の後などに咳が遷延する状態も少なくありません。「ただの風邪」と決めつけず、年齢や生活環境、咳の出方を総合的に評価して原因を見極めることが、早期改善と重症化予防への近道です。
- Qどのような検査で原因を見極めるのでしょうか?
-
A
▲負担の少ない検査で、早期の原因特定をし適切な治療を
最も大切なのは、しっかりとお話を伺い、診察を行うことです。咳の出方や続いている期間、夜間や運動時に悪化しないか、ペットや受動喫煙などの生活環境を確認することで、診断の方向性が定まることも少なくありません。その上で症状や経過に応じて検査を行います。感染症が疑われれば迅速検査や血液検査で原因を調べ、肺炎などの重症感染症が疑われる際は、画像検査の可能な医療機関へ速やかに紹介します。また、アレルギーの確認には、指先からの一滴の血液で41項目のアレルギー抗原を調べられる検査機器を導入しています。注射を怖がるお子さんはもちろん、大人の方にも負担の少ない検査です。早期の原因特定が、適切な治療への第一歩です。
- Q受診のタイミングや放置するリスクについて教えてください。
-
A
▲慢性化する前に治療をすることが大切
一般的に8週間以上続く咳を「慢性」と定義しますが、実際にはそこまで我慢する必要はありません。風邪薬を飲みきっても症状が変わらない、あるいは2週間ほど続くようなら一度ご相談ください。咳を放置して炎症が慢性化すると、治るまでに時間がかかることがあります。私は大学病院で、骨髄移植後に呼吸器合併症を生じた患者さんの診療にも携わってきましたが、「症状が長引く前に先手で対応すること」が、その後の経過に影響する場面を数多く経験してきました。重症度は異なりますが、日常診療における咳も同様に、「様子を見て良いか迷う段階」で相談していただくことが、結果的にお子さんの早い改善と負担軽減につながると考えています。
- Q治療はどのように進めますか?
-
A
▲必要最小限の内容で治療を行い、吸入器の使い方も手厚くサポート
症状を和らげるための「対症療法」と、原因にアプローチする「原因療法」を組み合わせて行います。感染症には必要に応じて抗菌薬を適切に使用し、アレルギー性疾患や気道の炎症が疑われる際は、症状に応じた治療を選択します。私が大切にしているのは、丁寧な診察に基づき「本当に必要な治療を、最小限の内容で」行うことです。漫然と薬を増やすのではなく、根拠に基づいた適正な処方を心がけています。また、吸入治療が必要な場合は機器の貸し出しも行い、ご家庭で正しく、無理なく継続できるよう手技の指導を含めて手厚くサポートします。不安なことは何でもご相談ください。
- Q患者さんやご家族が注意すべきことはありますか?
-
A
▲咳が長引くときは早めの受診と継続的な通院を
長引く咳の治療で大切なのは、焦らず経過を見守ることです。なかなか治らないと不安になり、医療機関を変えたくなるお気持ちもよくわかります。しかし、継続して診ることで「どの治療が合い、何が効かなかったか」という情報が蓄積され、より正確な診断と適切な治療につながるというものです。ご心配な時は、遠慮なく仰ってください。セカンドオピニオンを含め、ご家族が納得できる道を一緒に考えることも、かかりつけ医の大切な役割です。 「すぐには治まらない咳」であっても、今後の見通しをしっかり共有し、二人三脚で改善をめざしたいと考えています。毎日お子さんを見守る親御さんの不安を、少しでも安心に変えられるよう努めます。

