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竹内 香織 院長の独自取材記事

代田クリニック

(世田谷区/世田谷代田駅)

最終更新日:2025/06/20

竹内香織院長 代田クリニック main

緊張や不安でおなかが痛くなったり、仕事の悩みで頭が痛くなったりした経験はないだろうか。人の心の動きは、体の機能と密接に関係し、互いに影響し合っている。しかし、軽症のうちは心理的な因子に気づきにくく、単なる体の不調と捉えてしまいがちだ。「うつ病」や「心身症」といった言葉は知っていても、その症状が体に現れることを知らない人も多いだろう。心療内科は、ストレスが関連した身体的症状を改善するため、心身両面からアプローチする診療科である。小田急線・世田谷代田駅のすぐそばで、約20年にわたって内科・心療内科の診療を行う「代田クリニック」の竹内香織院長に、心療内科の特徴などについて話を聞いた。

(取材日2025年4月16日)

「心」と「体」の両面から患者を診る

こちらで開業されて20年になるそうですね。

竹内香織院長 代田クリニック1

東京女子医科大学を卒業し内科の臨床を学んだ後、東京大学の心療内科に入局。その後、千葉の国立国際医療センター国府台病院などで研鑽を積んでから2004年に開業しました。代田には、親戚や高校時代の友人がたくさん住んでいて、親しみのある土地だったんですよ。しかし、直前は埼玉の病院に勤務しており近くに知り合いの先生がいない状態でのスタートで苦労もありましたが、少しずつ地域になじむことができ、気づけば20年がたちました。当院は内科と心療内科のクリニックですが、あえて医院名に「心療内科」を入れていません。患者さんの中には心に不調を感じていても、大々的に「心療内科」をうたっているいる病院に行くことに抵抗を覚えて、二の足を踏んでしまう人もいます。そのような方にも人目を気にせず一般的なクリニックに来る感覚で訪れてほしいと思いシンプルに地名をとった医院名にしたのです。

心療内科は、どんな時に受診する診療科なのですか?

心療内科は、心理的・環境的な要因がきっかけで身体面に症状が出る、いわゆる「心身症」を診る診療科です。「体」の症状を診る内科、「心」の症状を診る精神科と違うのは、心と体の両面から診療することですね。心だけでも体だけでもなく、心と体がお互いに影響し合っていることを前提として一人の患者さんを全人的に診る点に特徴があります。病名でいうと、過敏性腸症候群、片頭痛、パニック障害、身体的症状が顕著なうつ病、社交不安障害、摂食障害などが代表的ですね。こうした疾患における体の症状の裏にストレスが隠れている場合、体の検査や治療に加えて心の治療が必要です。

慢性的な疾患が心の問題に起因していることもあるのでしょうか。

竹内香織院長 代田クリニック2

糖尿病や高血圧症、喘息といった慢性的な病気や、生活習慣が影響する病気は、心の問題で悪化することがあります。それまで内科の検査や治療を中心に行っていた患者さんの話をよく聞き、心療内科の観点から治療を行うことでストレスの軽減を図り、体の症状の改善につなげるという方法もあります。ですから一般内科の患者さん、例えば糖尿病や過敏性腸症候群の患者さんを診る場合も、ストレスの関与を頭に入れつつ診療しています。患者さんに心療内科的なアプローチについてお話しすることで、「それなら、私も診てもらおうかな」と一歩踏み出すきっかけとしていただけたらうれしいです。

体の治療で症状が改善しなければ、心を疑って

体の症状が心の不調から来ているかもしれない、と気づく方法があれば教えてください。

竹内香織院長 代田クリニック3

体の症状の治療で改善の兆しが見られない、腹痛やめまいなどの症状があるけど「なんでもない」と医師に言われて困っている、といった場合は心の不調を疑ってみると良いかもしれません。食欲が出ない、眠れない、全身がだるい、早朝に目が覚めるといった症状も、心から来ていることがあります。最近の研究結果では、身体的な不調で内科などを受診している患者さんの1割近くに、うつ病の症状が見られることがわかっているんですよ。私自身もこれまで大学や病院勤務時代に、腹痛や頭痛の原因が内科で見つからず困っている患者さんを何人も見てきました。検査データで表層的な原因の有無はわかりますが、数字に出ない要因まではわかりません。それが心療内科の医師を志した理由でもありましたから、おかしいな、と思ったらぜひご相談いただきたいですね。

一般内科のみの受診も可能ですか?

もちろんです。内科としては、地域の皆さんのプライマリケアを中心に、区の特定健診や長寿健診、インフルエンザをはじめとしたワクチンの接種も行っています。今では新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどの発熱患者さんも診療しております。

最近は働いている人にも、心身の不調を訴える人は多いそうですね。

竹内香織院長 代田クリニック4

「朝がつらくて起きられない」「仕事に行こうと思うと頭痛やめまいがする」といったお悩みが多いですね。まずはじっくりお話を伺い、社会生活を無理なく営むための方法を一緒に考えてサポートしていきます。私は働く人のメンタルヘルスに関わる仕事もしていて、そういった観点からアドバイスをすることもあります。最近は社会構造の変化や職場環境の問題から、働く人たちへのストレスは増していると感じます。どのような働き方をしているか、どのようなことにストレスを感じているかも理解しやすい立場ですので必要に応じて職場との橋渡し役もできると思います。その方に合った薬を継続的に服用したり、いったん仕事を休んだりすることで、症状の改善を図っていきます。仕事を休んだ後、復帰までの期間には個人差がありますが、誰もが治る力を持っていると感じます。回復までしっかりフォローしていきますので、心身の不調を感じたら早めの受診をお勧めします。

摂食障害の患者さんも診療しているそうですね。

最近は、思春期の方を中心に摂食障害の患者さんも増えています。摂食障害と心の関係にも注目が集まり、大学病院にいた頃から開業まで摂食障害を中心に診療・研究していた私のところに患者さんが紹介されてくるケースも多くなっています。摂食障害には心の問題から食べられない、たくさん食べてしまう、嘔吐してしまうなどさまざまな食にまつわる症状があり、ご本人自身が問題意識を持ちにくい方や身体的には命に関わることもあり、治療は難しい場合もありますが、こちらでは時間をかけて一緒に問題点を考え改善していく方法を探っていきます。

発症前よりも良い未来に向かって、患者とともに歩む

ほかに、最近気になる傾向があれば教えてください。

竹内香織院長 代田クリニック5

「社交不安障害(SAD)」をご存じでしょうか。大勢の前で話をしたり、初対面の人と会ったりするのが苦手な方は多いと思いますが、SADはそうした状況で緊張と不安が高まると日常生活に影響を来すほどの症状が出る病気です。汗をかく、動悸がする、声が出なくなるといった症状のほか、人によっては食事ができなくなることも。近年は、社会構造の変化に伴う仕事の変化などにより、働く人々の心身の負担が増加して日本でも患者数が増加傾向にあります。心療内科では、心理的な療法に加え、症状改善に役立つ薬も使いながら治療していきます。失った自信を取り戻し、発症前よりもできることが増える未来に向かって、患者さんと一緒に歩んでいけたらうれしいです。

心療内科は予約制だそうですね。

はい。後ろの方を気にせず話をしていただくために、予約制で1人の患者さんにしっかり時間を取っています。心に原因があるのかもしれないと漠然と思って来院して、話をするうちに問題点が明らかになることや、一人で抱え込んでいた悩みや不安を発散できて気が楽になったというケースも多くあります。比較的予約は取りやすいと思いますから、お悩みの症状が心療内科に該当するかどうかわからなくても、気軽にいらしてください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

竹内香織院長 代田クリニック6

数年前から頻繁に、雑誌やテレビで心の不調がクローズアップされるようになり、ご自身で心の不調に気づく方も増えてきました。しかし、病院で治療を受けることに抵抗を感じる方はまだまだ多いのが現実です。一般内科もある当院なら、心療内科の受診をためらう方も「風邪の診察のついでに相談してみよう」と思っていただけるのではないでしょうか。どうぞ気楽においでください。

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