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坂田 圭司 院長の独自取材記事

サカタ産婦人科

(西条市/伊予西条駅)

最終更新日:2021/10/12

坂田圭司院長 サカタ産婦人科 main

愛媛県を代表する工業地帯・今治市と新居浜市の間にあり、瀬戸内海に面した穏やかな街・西条市。山と河川を背景に取り込んだリゾートホテルのような建物で、2001年から診療を続けるのが「サカタ産婦人科」。自然環境を生かしたリラックス感のある院内設計、妊婦や新米ママ向けのレクリエーション提供など、患者目線の心配りが特徴の産婦人科クリニックだ。院長の坂田圭司先生は、35年の経験を持つ産婦人科のベテランドクター。クリニックとしては新しい取り組みを柔軟に取り入れながら、医師としては常に安全を最優先に考えた医療を提供している。取材では診療方針や分娩時に気をつけていることなど、坂田院長の経験と知見を中心に、幅広く話を聞いた。

(取材日2020年10月29日)

夢と笑顔を実現するための産婦人科でありたい

水と緑に囲まれた環境にホテルのような建物で、クリニックらしくない雰囲気ですね。

坂田圭司院長 サカタ産婦人科1

2001年に開業しましたから、建物はもう結構古くなっているんですよ。私は出身が新居浜で、祖父が歯科医院、父が産婦人科医院を開業していました。父の医院は新居浜駅前にあったのですが、土地計画で移転を求められていたので引き継ぐことができず、縁あってここで開業することになりました。見学させていただいた産婦人科のクリニックがとても魅力的だったので、設計した建築家を紹介してもらって建てたのが当院です。ここはもともと田んぼの一角だったこともあり、周りは田畑が多い静かな土地で、夜は星がきれいに見えます。

妊婦さんやママ向けのサービスも幅広く提供されているとか。

マタニティー教室やエアロビクス、ヨガなどのレクリエーションは、スタッフに任せています。診察では超音波検査の際に、胎児の状態を動画で撮って、妊婦さんにお渡しできるようにしていますが、実はこれもスタッフの提案です。以前はDVDにしていたのですが、今はインターネットからダウンロードできるようにしているので、ご夫婦やご家族で共有されて楽しんでおられるようです。もう一つ、出産直後にお母さんと赤ちゃんの健康状態をチェックした後、問題がなければお母さんが赤ちゃんを抱っこしているところを私が撮影して、写真をプレゼントしています。

クリニックのコンセプトを教えてください。

坂田圭司院長 サカタ産婦人科2

産婦人科医療を通じて、子どもを持ちたいという皆さんの夢を実現させる、かなえることをサポートしたいという思いから「夢」と「笑顔」をコンセプトにしました。妊娠された方には安心して出産を迎えられるように環境を整え、不妊治療を受けられる方には体外受精の手前までの医療、つまり、人工授精のための排卵誘発や妊娠のタイミング指導などをサポートします。ただし、健康状態やご年齢などで妊娠のための時間があまりない方には、半年から1年くらいの治療で結果が出ない場合、より専門性の高い医療を行う医療機関を紹介しています。患者さんとご家族の幸せが最優先ですから、いつまでも当院だけで診るということはありません。なお分娩時は、ご夫婦で赤ちゃんを迎えられるように立ち合い出産も行ってきましたが、現在は新型コロナウイルス感染症の予防対策で、一時見合わせています。

母子ともに安全に分娩を終えてもらいたい

診療方針について教えてください。

坂田圭司院長 サカタ産婦人科3

患者さんのご要望にできるだけ応えることを大切にしています。診察所見だけで判断するのではなく、何がつらいのか、どんなお気持ちでいるのかを常に考えて向き合っているつもりです。勤務医時代は子宮腫瘍、卵巣腫瘍、子宮脱、子宮内膜症やチョコレート囊胞などの婦人科疾患の診療にも多く携わってきましたが、婦人科以外の病気が潜んでいる可能性も考えて診察にあたっています。事故のない診療を心がけ、ガイドラインに沿って対応するのはもちろんですが、当院ではカバーできないと判断したら適切な医療機関を紹介します。例えば、早産になりそうなときや胎児が危険な状況にある場合などです。その見極めが大切で、緊急事態になれば早急に判断し、最善と思われる対応をする必要があります。ただ、妊娠12週以降の流産や早産が予想される子宮頸管無力症の方に対しては、十分なインフォームドコンセントの上、当院で予防的子宮頸管縫縮術を行うこともあります。

自然分娩の途中で帝王切開に切り替えることもあるそうですね。

赤ちゃんの心拍数が低下したり、子宮口が全開してもなかなか赤ちゃんが生まれてこなかったりする場合は、赤ちゃんとお母さんの命・健康に関わる可能性があります。万が一、胎盤の早期剥離や子宮破裂が起こったら母子ともに危険で、赤ちゃんをすぐに母体から出さないといけませんから、帝王切開が必要と判断したら1分1秒を争う状況となりえるのです。私自身、妊婦さんに同行して救急車で基幹病院に向かうこともあります。一方で、緊急ではない場合の帝王切開もあります。また前回の出産が帝王切開だった妊婦さんは、基本的に次も帝王切開を予定しますが、中にはお産が偶然進み自然分娩になることもあります。前回の帝王切開が適切で母体の負担が小さく、しっかり回復できたということでしょう。だからといって帝王切開を経験したことのある妊婦さんから「次は自然分娩にしたい」と言われたら反対しますよ。安全なお産が一番大切ですから。

やりがいを感じるのはどんなときですか?

坂田圭司院長 サカタ産婦人科4

難しいケースの患者さん、妊婦さんが無事に出産を終えられた時ですね。特に、なかなか妊娠できなかった方が母子ともに健康に出産を終えられた時は、本当にうれしいです。また、回数を重ねた帝王切開の妊婦さんが無事出産できた時などもやりがいを感じます。多い人はお子さん3人、4人を帝王切開で出産される方もいらっしゃいますが、回数が増えると子宮の壁が薄くなるので、良いことではありません。おなかの中に癒着ができることもあるので、次の帝王切開でおなかの中に癒着がなかった時はうれしいですね。どんなケースでも、信頼してくれる患者さんには全力で応えないといけませんし、無事に出産したり、悩みが解決できたりした時には報われた気持ちになります。開業から20年近くたち、今では母娘2代で出産される方もいて、これもとても喜ばしいことです。

妊娠・出産だけでなくすべての女性が通いやすい場所に

医師の仕事を志したきっかけを教えてください。

坂田圭司院長 サカタ産婦人科5

父が産婦人科医師でしたから、自分もなんとなく、将来は医師にと思っていました。現役で医学部に受からなかったので、予備校を探そうと高知に向かう電車で、前に座った子ども連れの女性とお話をする機会がありました。その方は父が若い頃に勤めていた病院で出産されたとのことで、目の前にいたお子さんはまさに父が取り上げた赤ちゃんだったんです。難産のため父は3日もついていたそうで、たいへん感謝していると言われました。周囲から話を聞くことはあっても、当事者に出会ったのは初めてで、こんなにも人から喜ばれる仕事なんだと改めて感じ、産婦人科医師になろうと勉強にも身が入るようになりました。その話を父にしたら「そんなことあったかな」と言っていましたが(笑)。病院勤務だと難しい症例が少なくありませんから、本当に覚えていなかったのか、謙遜したのかどちらでしょうね。父は93歳になりましたが、今でも医師として力になってくれます。

今後の展望についてお聞かせください。

出産においては、母子ともに健康に退院していただくことが、産婦人科医師の私に課せられた使命と思っています。来院された方に満足して帰ってもらえるよう、これまで同様にできることを精いっぱいやっていくだけです。社会的には晩婚化や少子化が進み妊娠が難しくなりがちですが、お子さんを望まれるご夫婦は一緒に頑張っていきましょう。100%の結果を出してあげられるわけではありませんが、相談には乗れます。また周産期医療だけでなく、妊娠についての悩み、出産後のママたちの母乳や子育ての悩みなどについても、ケアしていきたいですね。

読者へメッセージをお願いします。

坂田圭司院長 サカタ産婦人科6

産婦人科を訪れる女性の主訴は、妊娠だけではないことを、より多くの方に知って理解していただきたいです。特に10代から20代の女性が産婦人科に通院するのを、性交渉と結びつけて白い目で見たり、冷やかしたりしないでほしいですね。月経が不安定な若い女性には、子宮内膜症や月経前症候群(PMS)などで悩まれる方も少なくありません。妊娠を望む方も望まない方も、若い方も高齢の方も、産婦人科はすべての女性が通って当然の場所ですから、気兼ねなく来院していただきたいです。

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