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木村 昌幹 院長の独自取材記事

アイさくらクリニック

(福岡市中央区/天神南駅)

最終更新日:2022/10/17

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国体道路沿いの天神南駅交差点のビル4階に「アイさくらクリニック」がある。木村昌幹院長はうつ病をはじめ、いわゆるあがり症といわれる社会不安障害、女性特有の月経前症候群などの診療に注力。現代人のストレスなどに起因するさまざまな症状に対して、心と体の両面からアプローチしている。ビル内のクリニックという環境面から心療内科への受診ハードルの高さを軽減。病気や治療方法について詳細な説明を行いながら、患者自身が納得した上での治療をめざしているという。睡眠・運動などの生活指導にも重きを置く木村院長に、心身症治療のポイントから新型コロナウイルス感染症による社会不安が引き起こすリスクまで、幅広く語ってもらった。

(取材日2020年7月18日)

心の病気の早期発見・治療のためのビル内クリニック

そもそも心療内科と精神科にはどのような違いがあるのでしょうか?

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精神科と心療内科の線引きは非常に難しいのですが、簡単に説明すると精神科は心の症状が中心である一方、心療内科はストレスが関係して起きている内科疾患を中心に診療します。例えば喘息や高血圧、過敏性腸炎など。そうした線引きはあるもののうつ病など同じような症状の患者さんを診るため、心と体、どちらから治療するのか。端的に言えば病気へのアプローチ方法の差でしょうか。私は心身相関の観点から精神科、心療内科の両方を専門としているのが一つの特徴。患者さんを両面からアプローチし診察することで、幅広く深い診療ができると思っていただきたいですね。

ほかにも受診への抵抗感をなくすために取り組んでいることはありますか?

心の病気も体の病気と同じように早期発見、早期治療が重要です。受診できずに心身ともに身動きが取れなくなってからでは、入院が必要なケースも考えられます。そのために郊外ではなく天神という街中で、なおかつビル内のクリニックという形式を選びました。ここで気軽に心療内科を受診していただき、重症化する前にメンタルヘルスの向上に協力したいと思っています。また早くからホームページで心の病気を伝えたり、過去にはメールによる相談に取り組んだりして啓発活動を進めてきたほか、オンライン診療やスマートフォンによる受診予約の環境を整えるなど、通院が途切れるために起こり得る悪化リスクの低減にも努めています。

内科の症状やアレルギーなどで来院される方もいらっしゃるとお聞きしました。

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クリニック開業前には大学病院や一般内科病院に勤務していたのですが、高齢者の認知症が増えたことなどから精神科病棟は高齢者病棟化していました。そこでは一般の疾患もすべて診ることになり、内科疾患はもちろん、胃瘻や褥瘡管理、点滴による栄養摂取であるIVH(中心静脈栄養)管理などにも従事。またストレスとアレルギー疾患は密接に関係しているので、喘息やアトピー性皮膚炎などの患者さんも多く担当させていただいた経験から、当クリニックでは心療内科だけではなく、内科疾患とアレルギー疾患についても診療を行っています。割合では、心療内科が6割、内科とアレルギーがそれぞれ2割といったところでしょうか。ただし児童の発達障害などについては、大人の方とアプローチ方法が違うため、診療は受けつけていません。

在宅診療にも挑戦しさまざまな社会不安に対応する

心療内科では、どのような症状で受診される方が多いのですか?

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男女では男性が3割、女性が7割くらいで、最も多いのは20代の女性。男女ともにうつで受診される方が多いのですが、当クリニックではいわゆるあがり症と呼ばれる社会不安障害、生理前の女性のイライラなどに代表される月経前症候群、更年期障害の治療にも注力してきたので、それらの患者さんもよく受診されています。男性の場合は心を病んでしまった場合に、助けを求められずに重症化し最悪の場合命を絶ってしまうこともありますので、もっと気軽に相談できる社会になっていけばと思います。またエリアでは福岡を中心に大分や佐賀、長崎などからもいらっしゃいますね。

2020年初旬から新型コロナウイルス感染症による社会不安で患者さんが、増加傾向にあるそうですね。

「コロナうつ」とも呼べるような状態の方が増えているように感じます。緊急事態宣言が解除された6月頃から不調を訴える方が多くなってきたのですが、例えば在宅ワークで通勤の時間がなくなり比較的時間に余裕を持てた方たちが職場に復帰したことで調子を崩したり、あるいは経営悪化によってスタッフが少なくなり業務負荷が増えたり。そうして7月に入ってからストレスを感じている人が非常に増えているのです。100人いれば100通りのストレスがあるので、普段と違うと感じればすぐに専門家にご相談ください。また失業率と自殺者数には相関関係もあり、クリニックとしても皆さんのサポートができればと思っています。

今後、先生は在宅医療にも力を入れていきたいそうですね。

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認知症や精神疾患などの患者さんの中には、在宅で適切な治療を受けられていない方、2020年の新型コロナウイルス感染症流行の影響も含め途中で治療が途絶えている方がいらっしゃいます。加えてパニック障害の方は光や人の目に恐怖を感じてしまうことがあるので、そうした方たちにクリニック側から働きかけられるように在宅診療も開始し、今後幅広く患者さんを診ていきたいと思っております。もちろん中心は外来診療ではありますが、現代の課題の一つでもある引きこもり問題や8050問題などのサポートなども含めてチャレンジしていきたいですね。

病気の克服は病気の理解から始まる

患者さんを診察する際に気をつけているポイントを教えてください。

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たんに薬を処方するだけではなく、規則正しい生活を送ることを指導しています。しっかりと睡眠を取り、早寝早起きをする。適切な食事と適度な運動をする。これが一番の基本であり、生活を規則正しくすることで精神状態は安定してきます。また睡眠や運動は抗うつ薬の働きを助けるため、患者さん全員に生活指導を徹底しています。加えて患者さんの主体性のある診療を重視。精神疾患の治療は長期にわたり、途中で手を抜いてしまうと結果につながりません。だからこそ患者さん本人の意思を尊重しながら、しっかりと病気や治療の方法を説明する。病気の克服は病気の理解から始まります。

スタッフが充実しているのもクリニックの特徴だと思います。

当クリニックには看護師や臨床心理士、精神保健福祉士などが常駐し、そのスタッフも一緒に診察に立ち会うスタイルを採用しています。心療内科では患者さんと医師がマンツーマンで話していくケースが多いのですが、スタッフも陪席して話を伺わせてもらい患者さんとの接点をつくるようにしています。それにより普段の声かけなども良くなり、結果的にクリニック全体の信頼につながるのです。またスタッフ全員で治療方法や薬についての勉強会を実施。患者さんは話しかけやすいスタッフのほうに質問するケースも多いので、全員で治療にあたるという姿勢を実現するためにも学びの場が重要です。実際、心療内科を受診する患者さんは、そこが通いやすいクリニックかどうか判断するためにスタッフの情報も知りたいと思うのです。そのためホームページには医師だけではなくスタッフのプロフィールも掲載していますよ。

メンタルヘルスで悩んでいる読者に伝えたいことはありますか?

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いつもと違う、心が疲れているなというイメージが2週間以上続き、自分で気持ちをコントロールできなければ受診したほうがよいでしょう。また睡眠がしっかり取れなくなるのは危険信号。うつ病の特徴として睡眠障害が挙げられるのですが、特に早朝覚醒が続くと睡眠の質が低下し、仕事に集中できなかったり、大きな失敗をしたりと悪循環にはまってしまいます。さらに朝は気分が乗らず夕方にかけて回復してくるという、気分の日内変動が続くときも気をつけてください。ほかにも現在はうつ病の指標には入っていませんが、SNSの反応が遅い、書き込むのがおっくうになってきたというのも要注意。そういった症状を自覚したときには早めに専門家を受診ください。

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