大切な歯を守る歯周病治療と
インプラント治療の密接な関係
牧草歯科医院
(京田辺市/JR三山木駅)
最終更新日:2025/01/07


- 自由診療
歯周病治療とインプラント治療が、切っても切れない関係にあることは知っているだろうか? 歯周病は、歯と歯茎のすき間に細菌が侵入して起こる感染症。進行すると歯がぐらつき、場合によっては歯を失う恐れもある。一方、インプラント治療は、歯をなくした部分に人口の歯根を埋め込み、なくした歯の機能を取り戻す方法。歯周病で歯をなくしたら、インプラントを入れればいいと、単純に考えてしまいがちだが「歯周病の予防、治療なくして、インプラント治療は考えられない」と、「牧草歯科医院」の牧草一人院長は言う。歯周病治療とインプラント治療にはどのような関連性があり、歯を健康に保つためにはどんなことに注意すべきなのか、日本歯周病学会の歯周病専門医として歯周病治療に注力する院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2020年4月10日)
目次
豊富な治療手段を駆使し、歯を残すために最善を尽くす歯周病専門医。失った歯へのインプラント治療にも注力
- Q歯周病とインプラント治療の基本的な知識を教えてください。
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A
▲治療の特徴を丁寧に説明した上で適切な治療方法を提示する
歯周病は以前は歯槽膿漏と呼ばれていた病気です。その名のとおり歯の周囲、つまり歯を支えている骨や歯肉(歯茎)などが、細菌感染して炎症が起こる病気です。初期段階で歯肉に炎症が起こっている段階は歯肉炎、奥まで炎症が進行すると歯周炎と呼びます。歯周炎が進行すると歯周組織がその機能を果たせなくなり、歯がぐらついたり、歯を失ったりする恐れがあります。一方、インプラント治療は歯を支えている骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上にかぶせ物を装着するという治療法。インプラントも天然歯と同じように、骨や歯肉などによって支えていきますので、歯周病菌に感染する恐れがあり、その状態をインプラント周囲炎と呼びます。
- Q歯周病治療とインプラント治療にはどんな関連があるのですか。
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A
▲幅広い治療の選択肢を用意し、個々の患者に適した治療を行う
インプラント治療では、骨の中に人工歯根を埋め込むという外科手術はもちろん大事ですが、治療後にインプラントが患者さんの口腔内できちんと機能することが何よりも大切です。治療後も適切なメンテナンスを継続し、細菌感染を予防することが必要です。天然歯、つまりご自身の歯でも、インプラントでも、炎症を起こす細菌は同じであることがわかっており、歯周病治療の知識がないとインプラント周囲炎を抑えることは困難といえます。また、歯周病をきちんと治療しない状態でインプラント治療を受けると、インプラント周囲炎のリスクが高まることがわかっています。歯周病治療とインプラント治療とは、お互いが補完し合う関係にあるといえます。
- Q歯周病専門医を受診するメリットを教えてください。
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A
▲「歯を残す」ための知識や技術が豊富な専門性の高い歯科衛生士
歯周組織についての知識と治療技術を持つ日本歯周病学会の歯周病専門医や、歯周病を専門に学んだ歯科衛生士は、「歯を残す」ことのプロです。歯を残すことにベストを尽くします。しかし、その歯を残すことで周囲に感染が及ぶ、他の歯に負担がかかるといった理由で抜歯が避けられないケースもあります。こうした場合にのみ、歯を抜いてインプラントに置き換えるという判断ができるのも強みです。インプラントありきではなく、どうしても天然歯を残せない場合に限ってインプラントの使用を検討するのです。実際、アメリカなどではインプラント治療は歯周病治療に強い歯科医師が行うというのが主流になっているようです。
- Q歯周病、インプラント治療での貴院の強みを聞かせてください。
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A
▲セラミックを専門とする歯科技工士
私は日本歯周病学会認定の歯周病専門医ですし、当院には歯周病について専門的に学んだ歯科科衛生士も在籍しています。歯科衛生士の仕事の多くは歯周病予防に直結しています。また、インプラントにつけるかぶせ物を作っているのは歯科技工士です。当院では、「本物よりリアリティーのあるものを作る」ことにこだわっている、セラミックを専門とする歯科技工士に作製を依頼しています。そして何より、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士のそれぞれが、お互いの仕事を理解し合い、天然歯や治療した歯を永く保たせるという共通目標を持っていることが大きな強みだと思います。
- Q歯周病やインプラント治療で歯科医院を選ぶポイントは?
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A
▲歯科衛生士、歯科助手らも質の高い治療を提供するよう日々努める
歯科医師がどんな専門を持っているか、歯科衛生士が常駐しているか、歯周病治療を重視しているかなどホームページでチェックするか、直接クリニックに尋ねることをお勧めします。診療についての質問は患者さんの権利なので、遠慮は不要です。また、骨や歯の根っこの様子を確認するため、レントゲンなどで検査をされる先生は信頼できるといえるかと思います。これらの条件を満たした上で、できれば住宅地などで継続的に診療している先生に相談されることをお勧めします。同じ地域で長く診療するためには、責任をもって仕事をする必要があり、自分が行った治療の結果や長期的な経緯から多くを学び、治療レベルの向上に生かすことができるからです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本あたり25~30万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。