松澤 紀彦 院長の独自取材記事
ノアデンタルクリニック
(横浜市青葉区/あざみ野駅)
最終更新日:2025/09/01

たまプラーザ駅やあざみ野駅から運行するバスでアクセス可能。荏子田2丁目バス停留所を降りてすぐの場所に位置する「ノアデンタルクリニック」は、2006年に開業した。明るく落ち着いた雰囲気の同院には、家族で受診する患者が多いという。松澤紀彦院長は「なるべく歯を抜かない、削らない」をポリシーに掲げ、保存治療の研鑽を深めてきた。定期的なメンテナンスやケアの重要性を訴え、欧米では一般的な予防ケアを、次世代を担う子どもたちに浸透させるべく情熱を注いでいる。近年は予防意識の向上に有用な各種検査を導入。患者からの要望が多かったホワイトニングも質にこだわって提供する。そんな松澤院長に、開業20周年を目前に控える今の思いを聞いた。
(取材日2025年6月11日)
充実させた検査体制で、患者の予防意識向上をめざす
開業からもうすぐ20周年だそうですね。

2026年に20周年を迎えます。ご近所の方を中心に、幅広い年代の方がいらしてくださっています。お子さん連れの30~40代の方が多い印象で、中には90歳を超える方も。クリニックとともに年を重ねてご高齢になられたような、長く通い続けてくださる方が多いですね。お口が問題なくきれいな状態を保てるように、定期受診を勧めてきました。開業当初から一貫する「虫歯や歯周病になる前からの予防歯科」に、これからも力を入れていきます。
予防歯科の方針をお聞かせいただけますか。
患者さんとの会話を大切にしています。初診で原因不明の症状に悩んでいたり、定期検診で訪れたりした方が「特に問題ない」と話していても、会話を進めるうちに「そういえば」と、気になる症状を思い出すこともあります。患者さんが持つ違和感には必ず原因があるのです。放置すれば大きな疾患につながることもあります。「なぜそう感じるか」の原因を多角的に調べて突き止めるようにしています。また、働き盛りや子育て世代のお忙しい方にとっては、痛みや腫れがないにもかかわらず定期的に受診する習慣づけはなかなか難しいもの。そこで当院では、キッズルームや第二待合室の活用により通いやすさを追求するとともに、お口の中の現状を把握できる検査を充実させて、ご本人のモチベーションにもアプローチするようにしています。
定期的なチェックで行っていることや、その後のクリーニング、治療について教えてください。

一般的な虫歯や歯周病のチェックに加え、口腔内写真やエックス線の撮影、歯垢の染め出し検査、唾液のチェックなどを行っています。さらに、歯周病のリスクが高いと思われる方には、口腔内細菌の量や質を調べる顕微鏡検査を実施し、その結果を動画でお見せしています。ご自身のお口の中から採取した細菌がうごめく様子を目の当たりにすれば、予防の大切さを実感できるのではないでしょうか。クリーニングでは、微粒子のパウダーを歯面に噴射して、汚れを効果的かつ短時間で除去することが期待できる新鋭のジェットクリーニング機器を導入しています。痛みや不快感もほぼなく、高血圧の方でも使用できます。加えて当院では、歯周内科治療もご提案可能です。自由診療にはなりますが、短期間で口腔内環境を整えることをめざします。これらの方法を用いながら、患者さんごとのホームケアをアドバイスし、定期的な通院を促します。
地域のニーズや気になる症状に応じた多彩な診療
ホワイトニングにも力を入れていると伺いました。

以前から要望があったのですが、開業から20年間探し続けて、やっと納得できるシステムを見つけることができました。術中の痛みや術後の知覚過敏も少ないシステムです。当院では、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを同時に行うデュアルホワイトニングを推奨しています。ホワイトニングは必ず元の色に戻ろうとする後戻りが起こります。オフィスホワイトニングはその場で高い効果が見込めますが、後戻りが早い。一方、徐々に白くしていくホームホワイトニングは高い持続性が望めます。並行して行えば弱点を補い合い、相乗効果が期待できるのです。また、歯とホワイトニングの相性は人によって違ってきます。例えば、オフィスホワイトニングでは変化がなかった方も、その後のホームホワイトニングで変化が見られるようなことがあります。2種類のホワイトニングを併用することが大事なのです。
近年、受診される患者さんで気になる点などはありますか。
口腔機能、つまり噛むことや発声することなどのお口の機能が不十分な方が増えているように感じます。特に、口腔機能の十分な発達が確認できないお子さんや、機能に衰えが見られる高齢の方が多いです。小児の口腔機能発達不全症は、食事に異常に時間がかかるなど生活上の不便がある上に、歯列不全や虫歯などの原因にもなります。また、高齢者の口腔機能低下症は、死因の上位となる誤嚥性肺炎を引き起こすことが少なくありません。口周りの筋肉は使わないと発達しない上、どんどん衰えてしまいます。そこで、口唇閉鎖力や舌圧の検査を行い、必要に応じて舌を含む口周りの筋力トレーニングといった機能訓練をアドバイスしています。
歯科医院が苦手な患者さんもいらっしゃると思いますが、診療で心がけていることはありますか。

大学病院時代から、歯科に恐怖心を持つ患者さんが来ると決まって呼び出しがかかっていたんですが、そういう方に対して特別なことをしているわけではありません。普段よりも対話に長く時間を取るよう、心がけているだけです。まずはエックス線画像や口腔写真を使って現状を説明し、必要な治療とそれに伴う痛みや不快感、デメリットも含めてよくお話しします。そしてご納得いただけたら治療に入ります。それでも難しい場合、無理はせずに最初はクリーニングだけ。実はクリーニングの機械と虫歯治療に使う機械はほぼ同じ形状なので、それだけでもだいぶ心の準備ができるんですよ。コミュニケーションを密に取りながら治療を進めていきます。歯科に対する恐怖心というのは、歯科医師と患者さんが二人三脚で頑張ることで、初めて克服していけるものなのではないかと思います。
スタッフの明るく楽しい雰囲気と、充実した設備も強み
設備やスタッフさんも魅力的ですね。

明るい日差しの入る診察室のほか、プライバシーを重視したカウンセリングルーム、インプラント治療や予防ケアを行う個室診察室もあります。初診の場合、緊張してうまくお話しできない方もいらっしゃいますから、患者さんご自身の言葉で自由にお話ししていただくことを大切にしています。その際には「リラックスして話しやすい角度」といわれる「45度」の関係で歯科医師と患者さんが会話できるよう心がけております。歯科用CTや歯科用レーザー、マイクロスコープなど大学病院と同等レベルを意識した機器をそろえ、幅広い診療に対応できる体制です。スタッフは本当に良いメンバーに恵まれ、患者さんからお褒めの言葉をいただくことも。「また来たい」と思っていただくために、院内で快適にお過ごしいただけるよう全員が自主的に考え、行動してくれています。
いよいよ20周年を迎えますが、今後取り組んでいきたいことはありますか。
開業当初から定期的に来てくださる方たちと一緒に私も年を重ね、患者さんに寄り添える年齢になってきました。それと同時に、最近は自分自身の意識の変化を感じています。今までは定期的な受診の重要性を啓発してきましたが、地域の高齢化が進む中で、歯科医院に通えなくなったとしても、生涯食事を楽しめる口腔内をつくり上げることも目標になりました。そのために、将来を見据えて治療計画をしっかり立て、診査、治療、その後のメンテナンスを大事しています。目新しいことではなく、これまでやってきた診療と変わらないと思われるかもしれませんが、噛める状態を維持するのにとても大切なことだと改めて感じ、今後も重視していきたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

虫歯や歯周病を進行させてしまうと大規模な治療が必要となります。しかし、早期に発見できれば、1度の簡単な処置で対応できることも。リスクを早めに見つけて、確実に摘み取ることが、大切な歯を守るためには欠かせないのです。そのことを実感していただくために、各種検査を導入しています。現状を目で見てご納得いただき、予防治療を当たり前のものにして一生自分の歯で生活できる環境づくりのお手伝いができればと考えております。百聞は一見にしかず。まずは、ご自身のお口の現状をその目で見てみてください。スタッフが明るく楽しい対応でお待ちしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/22万円~、デュアルホワイトニング/7万9200円~、セラミック治療/5万円~、歯列矯正/88万円~、歯周内科治療/3万3000円~